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Slave Of The One-Eyes  作者: 軍団長マッスル
第七章 人外鬼畜のBREAKER
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護るべき信念

「誰もいないか…」


事務所のドアを開く。正当な理由なんて初めから無かったが、捜し物が出来たからセーフだ。


「武藤の机は…、アレか」


椅子に座り、パソコンのロックを解除する。あの少女の件といい、凛の事といい、色々と知っている事はあるだろう。そんな期待を込めて、データを片っ端から漁る。


「進んでる?」

「ああ、そうだな」

「あれ、驚かないの?」

「そんなんで驚いてたら身が持たない」

「確かに」


青髪の少女、とは言えないか。少女と言うより…、いや少女よりなのか?それはそれとして、こんな青髪の隊員は見た事が無い。…そうか、だから武藤のがこんなデータばっかりなのか。


「凛の事、調べに来たでしょ」

「オリジナル?それはなんだ?」

「あら、聡明なアンタなら言わずとも」

「…分裂体、って所か。しかも魂はキッチリ1個ずつ」

「理解が早くて助かるね」


『機密事項・接触履歴』というファイルがあった。珍しくロックを掛けてある。今度も一発で開く。使ってるパスワードが固定だから予測が簡単過ぎる。


「1つ、約束事」

「何だ」

「中身をバラしたらどうなるか、ね☆」

「…そんな事か」


『機密事項・接触履歴』


「…ジャック・ヘレネス」

「そう、凛の所に居た黒髪の女の子」


内容を紙に纏め、データを削除する。これで、凛やエスカが見る事はない。復元方法を奴等は知らないから。何事も平和的に、か。


「行くぞ、ノヴァ」

「へぇ…、どこに?」

「知ってて言うな、行くぞ」

「はいはい、意味ないだろうけどね」


「アレが目標だって?冗談はよしてよ…」

「冗談だったら今言うか?」

「凛…?」


無差別汚染が進んで来ている。残量メーターがあり得ない速度で回転している。本格的にマズい状態に陥るぞコレは…。


「焔?!何してるの!」

「凛…、凛なんだよね…!」

『―ッ――――』


スピーカーがイカれた。コレで汚染は抑えられるだろうが、もう汚染なんて言ってられない。嬢の様子が本格的におかしい。あんな姿でも求めるのか畜生…。


「くッ、バックドアから侵入した!」

「凛!」


螺旋急上昇するが、重力が常に一定かの様に微動だにしない。何が目的かは知らないが、少なくとも嬢は取られちゃ駄目だ。そんな予感がする。


「ルーシア!三番使え!」


掃射銃に電源が入り、照準を合わせる。反動とブレ補正は自動調節。弾数は2000弾。あの化物を殺すか逃がすかしないと空中分解してそのまま死んじまう。


「コッチヘ来イ、エスカ…」

「凛…、どこ行ってたのさ凛!」

「ルーシア構わん!嬢ごと撃てッ!!」

「最初からそのつもりだけどね!」


緩やかな回転音が、加速度的に速くなっていく。


「殺してあげるよ、凛!」


車内に火花と爆音が織り交ぜる。所々あらぬ方向に飛んでいるが、直撃はしている。嬢だけでも殺して逃げないと…。


「何だよ…、全く堪えてないってッ!」

「くッ、効かねぇなんて知ら、…ん!?」


空中で弾が静止している。そもそも届いてすらないのか畜生!待て、何故弾は静止している?能力は数有れど、移動する物体の動きに付いてくる様に止めるのはおかしい。大抵は弾が取り残される筈だ。

物体の動きに付いてきて静止しているなんて、壁に刺さっている以外知り得ていない。その壁だって無いだろう。三番と一緒に窓が開くが、壁があるなら、気体はそれとして空気中のゴミが付着していくだろう。


「邪魔を――」

「ルーシア!来いッ!」


空気中に電気が疾走るのが見える。その動きは異常だと言える引き寄せられ方をし、後ろへ抜けて行く。


「するなッ!!」


抜けて行った電流が、再び増幅して発射される。恐らく電力で磁場がイカれてるな…。起動が安定しているのは弾丸に乗せて飛ばしているからか。もっと早く見抜ければこんな失態は無かったな…!


「落ちるぞ」

「え?!」

「掴まれッ!」


ドアの緊急ロックを外し、蹴破って脱出する。受け身をとってもどうしようも無い高さだが、何とかなる。

やってやるさ、

姫を護るのは騎士の定めよ…!


「行こ、凛」

「…あぁ」


人としては生きられない

人になんて成れなかった

だから誓おう


手に在るモノは護りきるって

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