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Slave Of The One-Eyes  作者: 軍団長マッスル
第六章 画竜点睛の絵描き主
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慟哭

「では、俺はこれで」

「最近は物騒だからね。気を付けてくれ」

「ほら、テメェも行くぞ」


ずっと紅茶飲んでるのに、寝落ちしかけているバカタレの耳を引っ張る。物凄い喚くもんだから次第に目が覚めてきた。まぁ座ったらもう寝落ちするだろうがな。


「変態!悪趣味!ロリコン!ポップコーン!」

「ポップコーンってなんだよ」

「またいつでも遊びにおいで」

「じゃ、お言葉に甘えさせてもらいます」


今度はキチンと玄関から外へ出る。このバカタレは放っておけば勝手に事務所に帰るだろう。街に着いたくらいでやっと静かになったので、そこで別れて帰らせる。

少し遅くなってしまったので、コンビニのサラダで夕飯を済ませる。あまり美味しくは無い。贅沢は言えないが、ポテトサラダにカニカマを千切らずに乗せて欲しい。

そうして、家に着いたのは2時を回った近くだった。ドアを開けても人の気配がしない。夜遊びはしてないかの確認もそろそろ止めても良いかもな。


(風呂でも入って寝るか)


荷物を部屋に置いて、風呂に入る。風呂の水が冷たい。仕方がないのでシャワーだけにしておこう。それでも十分体は洗える。水の出が悪いので、そろそろ直してもらおう。

不意に指に痛みが疾走る。よくは見えないが、切り傷になっている。そんなに鋭利なモノ有ったか?

嫌な予感がする。


玄関、異状無し

廊下、異状無し

階段、異状無し

リビング、異状無し

キッチン、異状無し

物置、異状無し


どこもおかしい所は無い。でも拭えない不快感がする。

よくよく見ると、キッチンの洗い物が少ない。リビングには二人分の食事…、食事?食事ってのは食べ終わったら片付けるモノだ。しかも食べていた最中らしい。それでいて強盗とかの荒らした痕跡が無い。強盗じゃないなら、一体何なんだ…。


『―――――・―――――――』


流れ込む文字列。


『――――・――――』


知っている単語。


『KANNAGI』


聞こえてはいけない金属音。見上げてはならない拒絶心。頭痛でもなんでもいい。とにかく上を見てはいけない。

好奇心?

恐怖?


違う。



保身の為だ。

第六章 画竜点睛の絵描き主

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