表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Slave Of The One-Eyes  作者: 軍団長マッスル
第五章 覚醒無垢の簒奪者
56/113

諸刃

悲鳴の様な咆哮が轟く。刃は母親の外殻を貫き、子供の肉まで突き刺さったのだろう。だが母親には痛覚や機能不全なんて存在しないかの様に、飛行を開始した。やはり予想通り、一度高く飛翔し、そこから落下している。これじゃ子供に掛かる負担が大き過ぎるな。

剣を突き刺したは良いものの、今度はその外殻に阻まれて抜けなくなってしまった。力づくで引き抜こうとするが、びくともしない。確かに素手でも殺れそうな雰囲気はあるが、地上戦だけだ。空中でなんて戦えない。今だって剣にしがみついているのがやっとだ。引き抜こうとする手を止める。


「あと5分くらいか…!」


重力を浮力が上回り出した。早く決着を着けなければ、このまま街に被害が及ぶ。殺せば死体は空中で消滅してくれる。

剣を握り直し、走る体制に、いや跳ぶ体制に向きを変える。少しずつ地面と垂直に落ち始める足場を利用する。全体重と重力を使って、外殻ごと脊髄を断つ。虫の脊髄なんてどこにあるか分からないが、中の子供の脊髄なら大体予想はつく。ついでにそのまま頭蓋を叩き切れば、そんな物関係ない。

上へ勢いをつけ跳ぶ。浮力に任せ、いつもより高く跳び上がった。問題は、ここからどうやって下へ行くかだ。時間に任せれば、俺より向こうの方が速い。だったら、別の物で無理にでもスピードを上げればいい。


「曲射赤銅…、落下(Fall)ッ!!」


曲射系魔法、物体を利用しそれ以外の重力を弄る魔法。赤銅はその最底辺。コレばっかりは才能だから仕方が無いし、どれだけ頑張っても赤銅は赤銅。だが魔法用の素材が安いから簡単に大量に使えるのも便利だがな。

落下は、その赤銅自体を落下させる魔法。だが落下時に物は貫通できないし、当たった瞬間エネルギーが()()移る。最大速度は時速180km。コレなら追いつけるし、落下の威力も増す。科学論理では辿り着けない世界だ。

刺さっている剣に照準を合わせる。少しでもズレたら駄目だ。柄先では剣が折れ、柄本では斜めに斬れる。つまり柄元。その一点を狙って蹴り落とす。


「ぐッ、ぬァアアあッ!!」


柄が足裏に刺さったらしい。だが勢いを緩めるな。体制を崩すな。足が切れたって、エネルギーは伝わるんだ。そう、()()()()の様に…!


咆哮が轟いた様に聞こえたが、幻聴だ。声帯は斬られている。つまり、勝った。頭蓋が見え、切断面も見えている。所々蒸発も始めている。あの母親の亀裂の入った外殻では落下にも耐えられないだろう。

太腿が痛い。見なくても分かる。柄がそこまで入り込んでいる。暫くは歩けなくなりそうだ。まぁ、数分の話だがな。この気持ち悪い回復力も、役にはたったな。


上向きの曲射を使ってから、意識が薄れていった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ