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Slave Of The One-Eyes  作者: 軍団長マッスル
第五章 覚醒無垢の簒奪者
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将棋倒し

「ここからは作戦通り行くぞ、エスカとノヴァは非常階段、凛は北東階段に行け」


3方向にバラけた直後、咆哮とも雷鳴とも取れる轟音が、壁に伝わってくる。少しアクティベートが点滅したような気がしたが、気のせいだろう。アレは発電による発光ではないからな。


『非常用電源が起動するぞ!』

「テメェが点けたんだろうが、ッ!」


ギリギリのスライディングで、北東階段に辿り着く。ここにも警備システムが有るには有るんだが、旧型仕様だから電源が落ちると止まってしまう。なんとも厄介よな、そうは思わないけど。


『警備隊が向かったぞ、恐らく鉢合わせする…』

「…殺さなきゃ良いんだったらいくらでも相手してやるさ」


遥か上に、降りてくる警備隊が見える。警戒はしているだろう。だが、どこに居るかまでは確認出来ていないのか。


「おい税金泥棒共!今テメェらの所行ってやるからな、大人しく待ってやがれ!」


警備隊の性なのか、それともあの程度でキレたのか、どうでも良いが向かってきた。コレなら撒く手間が少し省けそうだ…!


『おい凛!俺が行くまで待ちやがれ、大人しく!』

「うるせぇな、俺だって無闇に突っ込む馬鹿じゃねぇんだよ」


今は突っ込んだ方が得策だ。階段で戦う時、有利なのは上だ。それは多人数戦でも同じ。だが、階段は戦うフィールドであり、武器なのだ。

人間はアスファルトに転んだくらいじゃ殆ど死なない。しかし階段事故はどうか、低い階段ならまだしも、受け身を取れない状態で40°程度の階段なら大体は重症だ。

今回、相手の装備が万全でなかったら死者が出るだろう。だが相手はJOKER。死にたくは無い筈、最上級の防具を持ってくるだろう。


「今度は落ちねぇよう、気をつける事だな」


最前列の肩を踏み、右回転を加えながら前に飛ぶ。意図に気付いたのは、同年代くらいの警備員。まぁ一度はやってみたい技術だからな、肩を踏んで相手を抜くってのは…!


「撃ち落としてみろよ」


その言葉と同時に、回転により相手の首裏に足先が入り、そのままの勢いを、全て止めるくらいの衝撃が相手に伝わる。不自然な状態の蹴りだから、威力自体はホントに微量だ。だがバランスを崩すくらいはなんて事はない。

そのまま倒れた警備員が、更に前の警備員を倒し、踊り場まで落ちて行った。


『全く無茶しやがるぜ…』

「お互い様だ」

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