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Slave Of The One-Eyes  作者: 軍団長マッスル
第四章 予測不能のアンノウン
42/113

原点複製

「よく気付けたな、凛君。被害が最小限に留まって良かったか?」


掴まれた隊員の首に指が刺さっている。交渉や見せしめにしようなんて初めから考えていない、本当に最初から殺す気を持って掴んだのか。


「私は戦闘要員等と言う、下らない事はしないのだが…。益々恨まれるな、これは」

「た…ぃ」


もうこのまま、蹂躙された方が良いのではないか。そうすれば、この悪夢から逃げられるのではないか。そんな考えが過ぎる。人殺しを楽しむ奴らは山程見てきた、でもそんな奴らに知人を殺された事は一度も無かった。幸運と言えるべきなのか、恐怖の引き金にする為なのか。


「まぁ苦しむのも最初だけだ。直ぐ楽になる」

「…獲物の横取りとか理解出来ないんだけど」

「私達の目的は、彼女の排除。つまり、獲物は彼女一人だ。それ以外は全て獲物には含まれないと考えられないか?」

「何それ嫌味?」


視界が狭まる。連続戦闘の疲労から開放されたのか、はたまた開放したのか。どちらにせよ、自ら死のうと判断したらしい。


「凛!しっかりしろ凛!」


気力で賄っていた歩行能力も失う。人は諦めるまでが長いが、諦めれば全てが直ぐに終わる。世界なんてどうだって良い。最初から諦めれば、苦痛も何も無かったのに。


「…よし、私の役目は今、終了した。これで契約は成立だ」

「あっそ、好きにすれば」


武藤が構えるのが見え隠れする。誰かに諦めろと言っても、理解されないから言わないが、諦めないと駄目な時だって有るんだ。そう、それが今、この時――


「ふ…、遅い到着だな」


障壁を叩き割って、ソイツは侵入してきた。それと同時に水鳥が目の前で消えた。障壁が邪魔だったのか、見届ける為に居たのか。今は考えている時間じゃ無い。即刻生きている奴ら全員で逃げる手段を考えなければ…。


「美少女ちゃん登場致しました♡」


…少なくとも敵性は感じられない。なんかふざけている。前に凛から聞いた妹か?雰囲気が凄く近いが、多分気のせいだろ、うん。


「JOKERとBREAKERは久し振りかな。青髪巨乳鶴鳶(かとび)ノヴァだよ。覚えてるかな?」


キャラ作ってる感じが物凄いするが、確実に誰か目当てで入って来たのには間違いない。て言うか自分で巨乳言うかね?まぁ確かに周りが貧相な奴らしか居ないから、多分そうなんだろうけど。


「…キャラクターが鬱陶しい」

「やっぱり?じゃあ、戻そうか。…うん、しっくりくる」


手を出さない方が懸命、か。キャラクター作ってたのはまぁそれとして。障壁を壊すには結構な力が要る。核分裂式弾頭でもヒビで済ませられる最低限の耐久性は有ったし、円形だから受ける衝撃も軽減出来る筈だ。一撃で壊すにはそれこそ核レベルの力じゃないと…。


「なる程ね。…逃げたのはそう言う事か」

「仕事だから、ね」


『事後処理の際、放射線既定値オーバー地区にて女児を保護。身体的特徴は、およそ160cmの標準体型で青髪を有している』みたいな記述が有ったような聞いたような感じがする。青髪なんて人間じゃあり得ないから染めてるだろうが、まさかこんな奴なのか…?


「一時的だけど、よろしくね」

「ちょっと待ってくれ、お前あの時保――」

「無闇やたらに人の経歴を調べない事、良いね?」


口元を手で塞がれた所を考えると、図星っぽいな。空気が張っているのか、緩んでいるのか分からない状態で、突然火蓋が斬られる。


「イグジスト・オーディエンス。重要機密議定の開示、並びに契約及び命令違反の為、処刑を開始します」

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