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Slave Of The One-Eyes  作者: 軍団長マッスル
第四章 予測不能のアンノウン
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Numbers

「あー…ひぃ〜ま〜…」


今日は学校の創立記念日。だから朝から暇で暇でしょうがない。休みは確かに良いものだが、こうも時間が余ると無駄に感じてしまう。時計を見ると、まだ朝の3時だ。こう言う日に限って早く起きてしまう。


「まだかな…」


色々な意味が無意識的に混ざっていた。朝日が昇るまでの事、日が暮れるまでの事。そして、昨日から行方不明になったお兄ちゃんの事。一応、知り合いそうな人に伝えたけれど、見付けてくれるか不安になる。こんな風に無断で消えるなんて今まで無かったから。いつか消えてしまうかも知れない、なんて想像してしまうから。睡眠すらロクに出来ず、ベットに入っても不安に押し潰されそうになってしまっている。


「…大丈夫?」


彼女とお兄ちゃんは、一体どう言う関係なのだろうか。そんな淫らな関係では無いだろうが、少なからず良くは無い出会いだろう。急に引き取るなんて、孤児か捨て子しか無いのだから。


「大丈夫だよ。でも、今日はやっぱ一緒に寝よ?」


次に起きたら、そこに居て欲しい。そんな願いを込めて、もう一度ベットに入る。腕に巻かれた包帯を気遣いながら。


「よう、凛。どうした?そんなボロボロになって」

「テメェのせいじゃボケカス」


仲間を囮に使うだなんて、人間のする事じゃ無いと思います。少しでも助けようとする努力は無いんでしょうかねこの人。


「ENFORCER。質問がいくつかあるんだが、良いか?」

「やだ」

「JOKERの情報を知ってる限り寄越せ。アイツは野放しに出来――」


爆発音と少し遅れて、テントの天井に鉄柵が刺さる。何故テントで来たのか意味が分からないが、予算不足と言う事にしておこう。それよりも――


「しつこいなテメェ…」

「仕事だからね」


やはり先の戦闘と声色が違う。1回目の時より見た目丸くなって、2回目より少し筋肉質になっているのも妙だ。この短時間で進化か?いや、俺はダーウィンを信じるぞ。


「防護柵を無理矢理破壊したのか」

「ご名答。一番楽かつ効率的だしね」


武藤の姿が無い。アイツの事だ。タダで逃げる男じゃねぇって信じてる。…何もして無かったらぶっ飛ばす。


「紅雪と対象が一緒だと、こちらも便利。やっぱり惹かれ合うのかな」

「何と惹かれんだ?」

「私や貴方達の共通点は、どこでしょう?」


いきなり襲いに来て、いきなりクイズなんてイカれてんな…。まぁ適当に答えてりゃ良いだろう。時間稼ぎをすれば、得の方が大きくなるからな。


「危険人物って所か?そんな分かりきった事を聞いて何になる」

「ふっ…残念不正解だね。容姿の話だよ」

「同じ作者?」

「そうだけど違う」


何に共通点があるのかサッパリだ。ガキと貧乳野郎と超スペックハイパー人間様に何の共通点があるんだ?


「眼の色って言うのは、産まれた後、そう簡単に変わらないんだ」

「そうすか」

「私や凛は黒。紅雪は蒼みたいにね」


産まれた時の光やら何やらみたいな事もあった気がするけど、一々突っ込むと殺されそうなので止めておこうか。


「人殺しの凛さん?MODE:Γは使えるんだよね」

「…それが?何だって言うんだ」

「まぁ、見てなよ…!」


テント内の電気が全て落ちる。中には電池式のも有ったが、お構い無しに点かなくなっている。あの時の様な落雷を受ければ、俺はともかくENFORCERが死にかねん。


「おい!出るぞENFORCER!」


首根っこを掴み、テントを突き破る。見上げると、雷と称すには似つかわしくない程の稲妻が、雲すらない明け方の夜空に疾走る。その稲妻は段々と強くなり、どう言う理屈かも分からない赤黒く(アカク)染まった稲妻まで出てきた。


「さぁBREAKER、ENFORCER。いくら月日が経とうとも忘れられない、私達(Numbers)の本性を見ろ!!」


その言葉の後、稲妻が収束し始める。その光景はまさに幻想と現実の中間の様な不思議な感覚だった。

そして、次の瞬間、JOKERは稲妻の中に消えた。

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