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Slave Of The One-Eyes  作者: 軍団長マッスル
第三章 正体不明のNumbers
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時間逸脱

「ここです」

「何も無い殺風景な丘やな…」

「…まだ木が生えてるだけマシです」


木なんか生えてたって、何も無いのと一緒だと思うけどなぁ。人間が手を加えられないレベルで自己完結してるからな、コレ。手入れとか無いんだろうか。


「しっかし、歩き難くて仕方無いな…」

「第3次世界大戦の後、骨をしっかり拾わなかった人達のせいですよ?」

「…やめろ、俺みたいな目で見るな」


そもそも参加すらして無いしな、出来ないし。一応遺骨は、復元不可能の奴以外は全て返されたって話だ。ただし、その全てが()()って言うのもおかしいよなぁ。


「ここです。じゃあ、終わるまで待っていて下さい」

「ちょっとだけ入らせてくれよ〜、凍え死んじまう」

「別に死のうと知ったこっちゃないです」

「鬼!悪魔!燃えないゴミ!」


言い合っている間に、こっそり盗聴器を取り付ける。何か、本能的に嫌な感じが扉の奥からする。生理的にとか、心情的にとかじゃ無い。純粋に、会っちゃいけない気配がする。


「チッ…、飽きたから帰る」

「一人で帰れるんですか?」


言葉に詰まる。確かに一人では帰れないけども、人には言われたくない事だって有ると思うんだ。


「会員証を、お見せください」

「はい」

「…少々、お待ち下さい」

「では、()()()()待っていて下さい」

「お先にお進み下さい」

「バーカ、動いたら死ぬのは俺なんだ。…大人しくしてるよ」


表面上でも嘘を付く。盗聴してる時点で大人しくはしてないからな。いざとなったら通報も厭わん男よ、俺。


「さってぇと、何が聞こえるかな…?」

『えぇ、玄関に置いてきました』

『…』

『名前ですか?凛様ですが』

『…』

『でも、彼をここに何てとても…』


ふむ、俺を連れて来いとか何とか言っているのだろう。ならば、俺の新技披露会として持ってこいじゃねぇか。


「…X軸3m、Y軸5m、Z軸80m…。TARGET・ROCK」


精神を体から浮かせ、全身の力を抜き、自分はそこに居ると信じる。動物は動きを止め、流れる川は凍り付き、大気すらも静止する。


時間逸脱(グレイズタイム)


辺りの人の視線が、自分へと向けられる。そりゃそうだな、突如として素晴らしい人間が瞬間移動して来たんだからな。理解理解。


「…凛・ライナーズ殿とお見受けする」

「あぁ、そうだ」

「教祖様が、貴公に会いたいと仰っておられる」

「…いいぜ、暇だし」


教祖様ってのが物凄く気に入らないが、まぁ付いて行って問題は無いだろう。

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