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Slave Of The One-Eyes  作者: 軍団長マッスル
第二章 精神異常の関係者
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偽・虚数

「初対面なら…、名前くらい名乗ったってっ、良いんじゃねぇか?」


体が動かない。確かに、振り切るのに物凄い負担を掛けたからな。これくらいの反動は来るか…。


「よし、治った」

「ENFORCER、と呼んでください」

「俺の名前は知ってんのか?」

「はい、存じ上げております」


何か堅苦しいと言うか、言葉遣いおかしいと言うか…。人に言えた事でも無いんだがな。


「じゃあ質問するぞ。どうして衝撃が来ないんだ?核兵器だぞ」

「辺りを見回してみてください。聡明な貴方なら、理解できますよ」


煙が空中で止まっている。それどころか、炎も熱さを失っている。本来あり得ない事が起こりうる可能性としたら…。


「虚数空間か」

「それに近しい物です。貴方も一度体現しかけた筈」

「…確かに。一回だけあったな」

「ここでは少し話しづらいので、移動させていただけないでしょうか」

「取り敢えず外には出なきゃな」


そう言って出口から出れたのは、約2時間後の事だった。


「では、解除します」

「おぉう、急に戻るのな」


コレで落ち着いて話ができる。やっぱり現実が一番だな。


「で、どこの者だ?恩人だが、返答によっちゃ詳しく聞かんといけん」

「…イデアシアの特使です。まぁ、そんなに認知なんてされてませんが」

「捻くれてんな」


確かにテレビで特使がどうとか言ってたような気がする。


「JOKERはどこだ?」

「彼女は立ち去りました。彼も無事です」

「彼?…どっちの事だ?」

「武藤辰吉さんの方です。彼とも少し、お話したいのですが…」

「それは仕事か?」

「いえ、そっちは私用です」


つまり、俺は公用なのね。気分が一瞬で最悪になっちゃう。


「取り敢えず来い。武藤の所へ行くぞ」

「いえ…、そんな状態でもありません」

「何でだ?早い方が良いんじゃねぇか?」

「彼は…、貴方みたいに再生能力がふざけてたりしません」

「…悪かったねふざけた回復力で!」

「JOKERに痛手を負わせた所までは良かったのですが…。アキレス腱を切られ、行動不能になっていた所を回収されました」


痛手…、か。結局、逃げられないのか。


「で、集中治療室に突っ込まれてると」

「ですからまず、貴方に――」


話を遮る。巫女服に、メイドスカート?何かそんな奴どっかで聞いたような…。


「…おいテメェ。ちょっと聞きたいことがある」

「…はい、何でしょう?」


クソッタレ…、分かってたように笑いやがって…。何か後ろからドタドタ走って来ている音がするのは、多分気のせいだろう。


「ここじゃ駄目だ、事務所に行こう」

「居たぞ!ライナーズだ!」


ここから逃げたら、更に責任追及が激しくなるが…。まぁ良いだろう、甘んじて受けてやる。そんな追及よりも俺の用事の方が重要だからな。

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