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Slave Of The One-Eyes  作者: 軍団長マッスル
第一章 記憶喪失の幼き白銀
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隻眼と白銀

振り向くと、少し離れた所に天廻が立っていた。やはり、怖がっていたのか、足が少し内股になっている。


「どうした?」

「その…、その人は、大事な人…だったの?」

「本当はハッキリと、言いたいんだけどな…」

「そっか…、忘れないでね」

「え?」

「私には…、誰かが大事だなんて、思い出せないから」

「そうか…」


本当に、思い出せないんだろうか。本当に、記憶は有ったのだろうか。本当に、優しさを受けたのだろうか。


「お兄ちゃんって、初めて言えたのに、懐かしい気分がするね」

「俺もだな…。天廻って、知らなかったのに、知ってた様な感じがする」

「あのお姉さんに会っても…、怒らないでね」

「ああ…、約束する」


そう言って守れた事なんて、1度も無いけれど。今度こそ、守らなければいけない。ジャックと、天廻の為にも。


「初めて、笑えたかもね」

「かもな」


天廻の辿ってきた過去と、自分の怒りは同じ負の感覚を持った。だが、違う事があった。

彼女は人としての負であり、自分は咎としての負である事を知った。


「私を、大切にしてくれる?」

「しないって選択肢は、有る訳無いだろう?」


そう言って、優しく、強く、抱きしめた。何故か涙が流れた。理由なんて、考える方が野暮だ。俺は、賭してでも護らなければいけない。


―隻眼の少女と白銀の少女を。


第一章 記憶喪失の幼き白銀

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― 新着の感想 ―
[良い点] じんわりと、というかひたひたと謎が近づいて来るような文章を楽しませて頂きました。 現状まででお伝えしたいのはルビの振り方素敵ですよ。 ナイスですよ~ですね。 緊迫感のあるシーンの合間にそ…
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