3:集団お見合い・1
これから主人公が動き出します。
尚、夏月は結婚相談所的な所に勤めたりウェディングプランナー的な仕事もした事はなく、唯の想像です。悪しからず。
私の見合い相手という方は、そこそこの身分の方だったようで。但しもちろん年上。伯爵様です。
年齢は……跡取りが直ぐに欲しい、と言ってきたわけだからまぁそれなり。見た目年齢は50代? 昔はきちんとって言うのも変だけどきちんと年齢を重ねていたらしい。けれど、今のこの世界の方達は本当に年齢不詳だ。
死期が近づくとかなり老いが見えるけれど、そうじゃないと本当に個性的だから実年齢が150歳の方を10人揃えたとして、見た目は私くらいの方もいれば、20代半ばに見えそうな人もいるので、何とも言えない。実年齢? 250歳を超えているとは聞いているから、まぁ寿命が近づいて、今のままじゃマズイって気付いて、焦ったとか。
身分差は無い。せいぜい王族くらい。何しろ寿命が長いのだからギリギリまで結婚を考えない人、早くに結婚をした人。様々。そんなわけで、身分差だの家の権力との兼ね合いだの、そんな事を考えていたら結婚なんて出来やしない。だから見た目年齢が10代半ばの私とのお見合い話が出て来たわけで。
とはいえ、これまた面倒くさい事に、出会いの場が限られている。せいぜい夜会なのだ。だが。それも毎日開催されていないわけで。月に1度開催されれば良い方だ。結婚を急ぐ人があまり多くないため、恋人を作るくらいだが、恋人すら不要な人もいれば、まぁ出会いの場などあっても仕方ない。それで結局、有名な家で未婚の令嬢に手当たり次第、お見合いをしてくれ、という話になる。
そこで私が考えた婚活プラン第一弾!
シンプルだけど中々良いと思うの。
集団お見合い。
それも貴族も平民も年齢性別も問題無しの出会いの場作り、という事。告知が必要だし、場所も必要。どんな集団お見合いにするのか、コンセプトも決めなくてはならないので準備期間は必要だけども。
「で? どうするつもりだい?」
仕事モードのお父様は、私がどこまで何をやれるのか、冷たい視線を向けてくる。中途半端な事をしたり、その程度の内容で仕事など笑わせるな、と言われそうな事をやれば、きっとお父様から見捨てられる。娘としては見捨てられないだろうけど、仕事のパートナーとしては見捨てられるだろう。もちろん私だって前世の記憶が戻ったのだから、甘ったれた仕事など、するつもりは無い。
さぁお父様。私の腕の見せ所ですわよ!
これからお見合いババァになっていける……と思います、多分。




