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1:お見合いババァを頼まれた・5

回想編ラスト。長かった……。

『それはもちろん、転生してもらうわけですから。私の世界で一番の美形と結婚、で、如何でしょう?』


「えっ? ヤダ」


何を言ってるんだ、コイツ。と思って速攻で却下した。イケメンは観賞するから良いのであって、隣に立たれても嬉しくない。私、普通の日本人顔だよ? くっきりした顔立ちじゃないよ? せいぜい二重なのが自慢ってところか。これも面白い事に遺伝なのだが、私は元々一重だった。そりゃあ綺麗な一重。でも高校卒業くらいに二重になった。


整形? とんでもない。母親譲りの遺伝。でもまぁ元々の素材が可もなく不可もない私なので、一重から二重にチェンジしたって、だからどうした? レベルですけど。そんな私の隣に転生して私も美形ならともかく、転生しても普通だったら……と想像する。美形なんて立っていたらまず間違いなく、鬱陶しい。私の周囲が。だってさぁ、イケメンに集うのは女のサガじゃない? 鬱陶しくなるよね、絶対。


故に美形は観賞用で。


『で、では、あなたが愛した男と結婚、では?』


「私、転生先ってどんなところなの?」


『貴族です』


「じゃあ愛した男とか意味ないじゃん」


ラノベ小説やネット小説を読みまくる私からすれば、貴族って政略結婚が殆どじゃんかー。それに結婚自体に興味ないんだ。いや、結婚相談所に勤めていた人間が何を言う? って思うでしょ? 違うんだなぁ。これが。


結婚相談所に勤めていた。だ・か・ら。


結婚自体に興味ないんだよ。……色々見過ぎてきちゃってねぇ。結婚に夢を見なくなったんだよね、私。特に恋愛結婚とやらに。まだ見合い結婚の方が夢を見られるかもねぇ。


『で、ではどんなメリットなら?』


「そうねぇ。結婚しなくていい。魔法が使える。これかな」


『結婚しなくていい。……したくなったらする、では、どうですか?』


「そう、ねぇ。300年も生きてるなら、ちょっとくらい結婚しても良い。って思う事もあるかもしれないから、それで良いわ」


『魔法が使える、というのは、祝福が宜しいですか?』


「祝福?」


『私の加護を受けた者の魔法です。どんな魔法も使えるし、病気や怪我にもならないし、国を掌握出来ますし、逆ハーレムで男を侍らせる事も出来ますし、どんな事もあなたの思いのままですよ』


「えええ。要らない。何そのめんどくさそうなヤツ。チートっぽい。私、普通なんだから普通で良いよ」


なんか凄いサラッと恐ろしい事を言ったよ、この創造主。国を掌握とか、逆ハーレムとか。ヤダよ、そんな重たいの。私に国の経営とか出来るわけ無いし。逆ハーレムなんて、相手の婚約者とか恋人から奪うような状態だったら、普通に私が刺されるっつうの。怖い怖い。


『普通、ですか』


なんだか不思議そうな声だな、オイ。


「国の経営とか出来るわけ無いし、王妃とかも出来るわけ無いし、逆ハーレムなんて女性から恨まれそうだし。そんなんじゃなくて身を守れる魔法とか」


『ふむ。そんなんで良いのですか?』


「日本は、治安が良いって言われてるけどさ。それでも何があるか分からないし。だから、転生しても乱暴されそうとか、殺されそうになったら身を守れる魔法くらいが良い。あ、あと、魔法が使えるなら魔法使いっている?」


『魔導師ですか? 居ますよ。攻撃も防御も優れた者が』


私は雄叫びを上げた。ラノベ小説・ファンタジー小説大好き日本人だよ、私。魔法使いとか騎士とか大好きさ!


「騎士は?」


『国王や貴族に平民を守るために居ます』


「じゃあ魔法使いと騎士が見られるわけだ。それならオッケー! あ。別に恋愛の方向に調整しなくていいからね。見たいだけだから」


『恋人や結婚相手にしなくていいのですか?』


「要らない要らない。私、結婚するなら普通の人が良い。私と相性と価値観が合う人が。だから平民の方がいいな」


『まぁ私も基本、介入しませんから、人の気持ちを操るとかはしませんし、平民の方と結婚出来ればいいですね』


「そうね。良い人がいたら」


『貴族かもしれないし平民かもしれないですが、相手の気持ちを操る事だけはしませんし、あなたの気持ちを操る事もしませんから、結婚相手に関してはノータッチで良いですか?』


「もっちろん」


『では、魔法を使える。結婚はしなくていい。でもしたくなったらする。騎士と魔導師を間近で見られる状況。これで契約成立ですね?』


「オッケーオッケー。何組成立させられるかは、分からないけど、結婚させればいいんでしょ?」


『出来ましたら、50年で100組の結婚を成立させて頂きたいですが、まぁ私の世界の人間は割と手強いので、まず10年で10組を成立させて頂きたい。それが上手くいけば、50年で100組』


「上手くいかなかったら?」


『申し訳ないのですが、あなたには強制的に結婚してもらい、子どもを最低5人以上産んでもらいます』


「何その子沢山! 分かった! とりあえず10年で10組ね! 頑張ります!」



***

こうして、私は転生したんだったわ……。長い回想しちゃった。


で、今はどういう状況だったっけ?

回想編を終わらせたくて、今回の話はかなり長くなってすみません。もう少し読みやすいように1ページを短めにしていたんですけどね。


次話からサブタイ変わります。そして、お見合いババァを頑張ります。

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