7:婚活パーティーは失敗、なのか……?・5
そんなわけで、ミャルカと料理長・ゾーンの結婚式に向けて準備しますっ! ゾーンの名前を一度も呼んだことは無かったんだけど。前世の記憶を思い出したゾーンが日本人だった頃のように名前を呼んで欲しいって言うから、名前を呼ぶことにした。前世は「旦那さん」 って呼んでたんだけど、それだとなんか嫌とか言われたんで名前だったなぁ。今も「料理長」 ってずっと呼んでたんだけど、嫌だって我儘言われた。まぁ前世も今世も親友の旦那からのリクエストだからね。ゾーンって呼ぶことにした。
そんで、ミャルカとゾーンに結婚式はどんな感じがいいのか尋ねましたよ。ほら、シャンパンタワーとかファーストバイトとか、ああいう演出について。で。会場はどこか? とか予算はいくらとか? ウェディングドレスのデザインや色とか。次から次へと質問したんだけど。
前世はブーケトスだったけど、今回はブーケプルが良いそうな。トスは確かに投げてもどこにいくか分からないもんね。それだったらブーケに紐くっつけて引っ張ってもらうタイプのブーケプルの方がいいか。ふむふむ。ウェルカムボードを自分達で作る? ほうほう。会場はレストラン? なるほどなるほど。
そんなこんなで話し合っているのを(ゾーンがウチの料理長だし、ミャルカが私の親友なので)我が家のサロンで打ち合わせをしていたら、話を聞いていた侍女達が興味津々になった。侍女達にもいい機会だから立ち会ってみる? と立ち会わせたのが良かったらしい。刺激になったみたいでブーケトスとは? とか、シャンパンタワーって何? とか、質問の嵐。でもこうして興味を持ってくれれば、結婚率が上がるよね。
「ふぅ」
「あら。なんで結婚するから準備に追われる私達じゃなくてターナが疲れた顔をしてるの?」
ミャルカが目敏く質問をしてくる。
「うーん。この前、神様が夢に出て来たんだけどね?」
私は夢の中で神様と話した内容を聞かせて、ミャルカに「そんなわけで期限が前倒しになったのよ」 と説明した。
「えっ? そりゃ大変っ。……いやでもさぁ、前世の記憶があるせいだろうけど、寿命が300歳で、おまけに若くいられる時間が長いよね? なんでそんなに前倒しされるの?」
私は目を見開いた。
確かに。寿命は長いし見た目年齢二十代〜三十代の期間が長いよね。なんで、50年で100組が40年で100組って前倒しされたんだろう。全然気づかなかったけど、そういえばそうだよね? 別に私の記憶が戻るのが遅かったからって十年くらいの話だし、抑々、ミャルカの指摘で気付いたけど、仮に、神様の予定通りに私が十年前に記憶を取り戻していたとして、当時の私に何が出来たっていうんだろう?
よく考えなくても何も出来なかったと思うんだよね。寧ろ今、思い出してちょうど良かったはずなのに。
神様に尋ねてみる案件じゃないかな、コレ。
お読み頂きまして、ありがとうございました。
次話再び神様降臨(?)で夢の中です。




