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7:婚活パーティーは失敗、なのか……?・2

2話まとめて投稿。

 その夜。寝ていたら夢の中で声が響いた。聞いたことのある声。あ、神様か。


『ねぇ、ちょっとちょっと。君、婚活のプロじゃなかったっけ?』


 神様、転生前に会った(?)時、もう少し威厳があった気がする。


「のっけから随分と馴れ馴れしいな、神様」


 言い返しながら辺りを見回すと、光っているだけの空間に私と丸い玉。玉が神様なのは分かった。でもこの光っている空間が心許ない。なんていうの? 地に足がついてないっていうか。自分が地面に両足をつけて踏ん張っているのか、宙に浮いているのか、全然分からない感覚で。それがなんだか落ち着かない。空間が光ってるだけで何も無い所為かな。


『相変わらず、ズバズバ言うね、システィアーナ』


 おや、愛称しか呼ばれてないから、きちんと名前を呼ばれるとなんだか不思議だわ。でも多分、嫌味のつもりで呼びかけてるよね。


「お褒め頂きどうも、神様。そんで? 何の用?」


『何の用も何も、婚活が上手くいってないじゃん』


「上手くいく以前だよ、あんなの。恋愛に興味がないというより、中学生並みなんだけど」


『だからこそ、君を転生させたんだけど』


「それは分かった。でもさぁ、私が記憶を取り戻してからまだ半年程度だよ? それで成果が出てないって言われても。婚活って積極的な人の方が上手くいく可能性は高いけど、積極的だからオッケーってわけじゃないじゃん。そんなの、神様も分かってるでしょ」


 ちょいと理不尽じゃありませんかね? と不服を込めて丸い光る玉を睨む。


『それだよそれ。なんで、こんなに記憶を取り戻すのが遅かったわけ?』


「はぁ? そんなん、それこそ知らんわ。神様がここで思い出す、とか、そんなオプションを付けてたんじゃないの?」


『そういうことはしてない。いくら神でも、あまり人には干渉出来ない。地球の世界の人達を転生させることは出来るけど、どんな人生を送りたいか、みたいなのは干渉出来ない。そういう神の間の決まりがあるからね。君は例外中の例外でね。種の保存という意味で停滞しているあの世界を動かすために君を転生させたいって他の神様達にお願いしたのさ。君の見返りとしての騎士と魔導士……君の言うところの魔法使いの件も特例。他の神様達もそれくらいなら……って許してもらえたんだよね』


 は?

 私は丸い玉を唖然として見てしまう。

 いやいやいや、初耳ばかりですけど?


「何その特典バンザイみたいな発言。いや、初耳ばかりですけど、どういうこと?」


『いやぁ、こんなに思い出すまでに時間がかかるとは思ってもみなかったから言ってなかったんだよねぇ。ごめんねー』


「軽っ! 神様、軽っ! それ謝ってないじゃん! いやまぁそれはいいや。で? こんなに時間がかかって思い出したことに、なんかペナルティでもあんの? だから私の夢に登場したわけ?」


『うーん、まぁペナルティというか、期限の話?』


「期限? それってアレ?10年で10組? 50年で100組ってヤツ?」


『そうそれの話』


 ちょっとだけ話し方が軽さが抜けた時点で、なんだか妙に嫌な予感がヒシヒシとするのは気のせいか?

ということで神様登場回です。次話も引き続き神様。2話まとめての投稿です。

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