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5:本格的なパーティーになった・6

さて。オトウサマを顎で使って王都のお針子集めてデザインした服を見せて「作って」と丸投げしました。


「これ、男女逆では⁉︎」


とゆー、有名店のお針子さんの指摘に他のお針子さん達がうんうん、と頷く。


「だから! いいんです! 私が前世持ちって知ってます? あ、知らない? 私は前世持ちです。前世では、女性でも男性用の服を着てました。こういうの、パンツルックって言ったんですけどね? お子さん産んでる方居ます? あ、あなた、お子さん産んでから、ドレスだと動くのが大変じゃないですか? でも、このスタイルだったら?」


あ、動きやすいかも! とお子さんが居るお針子さんが仰る。その通り!


「それに、男性がドレススタイルになる事で、女性のオシャレがどれほど大変なのか、苦労を解ってくれます! そうすると今まで苦々しい思いでドレスを新調していた既婚男性も婚約者の居る男性も、女性の流行が分からない独身男性もオシャレが大変だけど、それもこれも殿方のため! という事を……?」


私がここまで言って言葉を切れば、お針子さん達がハッとした。


「「「理解する! つまり、ドレスの新調に理解出来る!」」」


はい、口を揃えて綺麗なお返事頂きましたー!

目を輝かせてお針子さん達がイキイキと製作に入ってくれる事が決まりましたー!

ついでに、それぞれのお店で製作するのは結構場所を取ると思ったので、顎で使ったお父様が確保した城内の会場予定の一角(日本での知識で言うと大広間的な?)で、パーティー5日前までに仕上げるよう通達しました!


お金?

これでも大臣してるイイトコの令嬢です。しかも領地運営もきちんと出来る自称・仕事の鬼のお父様ですから、お金は唸る程有ります。

まぁ変に散財する人じゃなかったからそこそこ貯まってるし。

ということで。

金貨を積み上げてお針子さん達のモチベーションを上げてみました!


ついでに、パーティーの準備に追われる使用人達にもボーナス的な感じで大盤振る舞いする事を確約!

まぁ普段は貯め込んでいても、こういう時にきちんと使っておけば、貯め込んでることに文句も言われないし、お父様の評判も上がる上がる。


そんなわけで、急ピッチで準備は進んでいくのです。

尚、何故か、ミャルカはうちの料理長と意気投合……どころか、恋仲になりやがった。おい、なんでだ! 私との友情は⁉︎


「えー。ターナとの友情と恋人は別じゃーん」


「はぁ⁉︎ だって、結婚願望無かったじゃん! パーティーの時、人様の恋愛横目に友情を温めると思うじゃんよ!」


「それはそれ。これはこれ。ターナとは友達続けてあげるから」


なんで上から目線じゃ!


とはいえ、前世からの親友の幸せ。これ以上文句を言うのはさすがに気が引ける。それに料理長は、顔が強面(子どもに泣かれるレベル)で恋人が欲しいのに、出来ないって嘆いていたんだから、まぁ祝福してあげるのも主人の務めか。


「まぁ、いいや。おめでとう、ミャルカ。ウチの料理長泣かせたら、ただじゃおかないから!」


「ありがとう! って素直じゃないな! そこは普通、彼に私を泣かせるな! でしょ!」


「いや、ミャルカと料理長がケンカしたら、顔は強面だけど気の優しい料理長のことだから、絶対、ミャルカに土下座するでしょ。自分が悪くなくても!」


ミャルカは、「あー、そうかもねー」なんて笑って


「大丈夫! 幸せにするからさ」


と、妙に自信満々に言った。いや、アンタ、そんなに長い付き合いじゃないのに、その自信どこから?

オマケ。


「いやー、だって、彼が居る前じゃ言えなかったけどさ。彼、前世の夫なのよ」


料理長と恋人になった、と報告に来たミャルカが、ゼリー作りに戻った料理長を見送って、爆弾を落として来た。


「は?」


「向こうは記憶が無いみたいだけど。仕草とか、性格とか、考え方とか、似てるなーって思ったんだけどね。告白の言葉が前世と同じで。私のお菓子を死ぬまで食べたいって。あー、記憶が無いけど、同じ事を言うんだなって」


なんと! そういうこともあるんだね!


「じゃ、今夜は飲み明かすか!」


「いや、パーティー終わったら、だろ、それは」


とミャルカが幸せそうに突っ込んだ。

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