5:本格的なパーティーになった・5
親友だと判ったからには……
「お嬢様、あの、なんだか盛り上がっていらっしゃる所、すみませんが」
料理長に声を掛けられて、あー、ゼリー作りだったと思い出す。
「お嬢様⁉︎ あっはっはっはっは。アンタが⁉︎ マオがお嬢様⁉︎」
「うっさいよ、仕方ないでしょ、これでも貴族なんだよ、私!」
「あー、そうだったそうだった。えーと、ターナだっけ?」
「そうよ。ミャルカさん」
「ミャルカでいーよ。じゃ、ターナ、始めようかね」
「お願いねー。あと、ミャルカは当日、朝からお菓子作りで死ぬ気で働いてもらうから」
「ちょいとお待ち。アンタ、私だって判ったからって人遣い荒くない?」
「いや、ミャルカの事を知る前から働かせるのは決定してたから」
「どれくらい?」
「死なない程度?」
「私だって判ったから?」
「死ぬ気で?」
「ホラ、やっぱりそうじゃない! 生まれ変わってもそういうトコ、変わらないじゃんか!」
「変わってたまるか! 大体、私が転生したの、神様に頼まれたからだよ?」
「神様? え? 神様っているの?」
ミキちゃん改めミャルカが不思議そうに言うけど、えっ? 転生者って皆、神様に会うんじゃないの?
「えっ? ミャルカは会わなかったの?」
「会ったのかもしれないけど記憶に無いな」
「えー。だって私、神様とやらに直々にこの世界の結婚事情を何とかしてくれって言われたんだけど」
「あー。そういや、こっちって、恋人とか夫婦とか男女の比率の割には、そういう関係が少ないよね」
「それそれ。神様は寿命を長めに設定しちゃったから、恋愛やら結婚やらにあまり興味が無い種族になったって嘆いててさ。それも結婚がめっちゃ少ないじゃない?」
「そうねー。確かに。私も興味無いもんな」
「それが神様の悩みらしくてさ。恋人じゃなくて結婚まで漕ぎ着ける男女を作り出せって話よ」
「あー。だからお見合いババァかぁ。納得」
「そんで今度の婚活パーティーってわけ。婚活パーティーを成功させるためにもミャルカのお菓子は必要不可欠だから、死ぬ気で働いてねー」
「了解了解。確かにお菓子は人の会話を円滑にするアイテムだからね」
「女の子はお菓子大好きだろうし、男性は同じお菓子を食べて会話のチャンスを掴めるからね。ついでにミャルカのお菓子の宣伝になって一石二鳥よ」
「じゃあ頑張りますか」
そんなわけで料理長にゼリー作りを教えてもらい、私はミャルカの作ったお菓子を堪能しながら、婚活パーティーを成功させるために色々考えながら、ミャルカのお店を立ち上げる事も考える。それからお針子さん達の募集経過を執事に確認して、ある程度の人数が揃った事を確認したら、王都にある衣装を取り扱うお店全てに、お針子さんを割り振り、衣装製作の指示を出す。
幸か不幸かイラストはそこそこのレベルである私が、衣装のイラストを描いてみせ。それを元に裁断やら型紙作成やら……とお針子さん達は頑張り始めました。特に男女逆の格好をする事に、お針子さん達は固定概念が吹っ飛んだようで。
女性用衣装で、男性と同じくズボンを履けるスタイルは革新的だ! と、嬉々としてお針子さん達は働き出した、そうな。
婚活パーティーが上々だったら、その衣装も注文が沢山入るかもしれないな……なんて呑気なことを私は考えていました。
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