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5:本格的なパーティーになった・4

前世の親友の登場です。

「えっ??? 嘘だよね?」


「いや、それはこっちのセリフだからっ」


「えっ、いや、ホントにっ⁉︎ ホントのホントでミキちゃんなのっ⁉︎」


「それを言うなら、こっちだってホントのホントにマオなのか聞きたいからっ」


「マオだよ、マオ! ホントにホントか! まさかの親友が異世界転生……」


「いや、それ、私のセリフだから!」


私は唖然としていた。現在、例のゼラチンを作ってくれた前世ではパティシエさんだった人に会っている所で。そしてこの世界は前世持ちは結構当たり前なので、私がパティシエさんに「私も前世持ちなんですよ」って話から、日本の事で盛り上がった。盛り上がったまま、住んでた場所とか、日本での流行とか、色々話していたら、どうにも同じ時代の人っぽい。そんで、色々とあの頃の話で盛り上がっていると、どうも年齢も近そうって事で、段々詳しく話していったら……


なんと、まさかの親友だった。


どんなオチよっ。


「え、ミキちゃんさー、いつ死んだ? 私35歳前後の記憶が無いんだけど」


「あー、マオはそうね。死因とか覚えてる?」


「いや、その頃の記憶曖昧」


「普通に過労死」


「いや、過労死は普通じゃないから! ってかマジ⁉︎」


「そうだよ。マオと最近連絡取ってないなーって思ってさ、メッセージ送っても返信無くて。んで、なんて言うの? 虫の知らせってヤツ? そんでさ、マオんとこに私は行ったわけ。体調が悪いかもしれないなって思って。で、ほら、マオが住んでたマンションは管理人さんが居たから、管理人さんにマオが体調崩しているみたいで、開けてってお願いしたら、最初は渋ってたんだけど、体調崩しててなんかあって問題になったら困るでしょう? って言ったらようやく一緒にマオの部屋まで行ってくれてさ。そんで私と管理人さんで発見よ。だって玄関で倒れてたんだよ。アンタ。救急車呼んだら警察に通報されて色々聞かれて大変だったんだから!」


親友から聞く自分の最期は、なんだか他人の訃報をニュースで聞いているような感覚で。でも、親友と管理人さんに迷惑をかけたのは申し訳ないなって思った。


「生きてて、良かった……!」


「いや、死んで転生だからっ」


親友のその言葉にうっかり突っ込んだら、分かってる! と言われながら泣かれた。泣かれてようやく、親友の心の傷になっていた事に気付いて、本当にすまなく思う。


「ごめん、ミキ」


「いいけどさ。また、仲良くしようよ」


「もちろんよっ。で? ミキはどうして?」


「私? ほら、結婚して子どもも居たじゃない、私」


「うん。念願のケーキ屋を開いて順調だったね」


「そう。それで、アンタ見つけて、色々動転したけど、ダンナと子どもが支えてくれて。そんで物凄く仲良くってわけじゃないけど、普通に老衰で88歳で」


「マジか。長生きじゃん」


「こっちの寿命の長さ考えるとそうでもないけどねー。だって、今、私、80歳過ぎたとこだよ?」


「えー、マジで⁉︎ つか、そんなに若くてお菓子作り? えっ? だって前世で言うと13歳から15歳になるかどうかってとこだよ?」


「平民はそんなもんで働き出すでしょうが」


「そうか、平民なのか」


「私は寧ろガサツなマオが大臣の娘って事にビックリよ。笑えるー」


「だよねー。私もお嬢様なんてガラじゃないわ」


「でもさ、マオが思い出してくれたから会えたんだから、それは感謝だよね。おまけにマオのおかげで、私のお菓子が売れるかもしれないんでしょ⁉︎」


「まぁアレよ。ウェディングプランナー再びよ。どっちかって言えばお見合いババァだけども」


「あー。そうね。アンタ、ウェディングプランナーなんてオシャレな横文字よりお見合いババァの方がしっくり来るよね」


「うるさいよ」


親友とは、言いたいことをズバッと言うので扱いがひどい。まぁ私とミキはこんなもんである。

お読み頂きまして、ありがとうございました。

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