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3:集団お見合い・5

お見合いパーティーに向けて、準備中です。

そんなわけで。会場は我が家にして、お茶会風のお見合いパーティーを企画する。庭園にも少し手を加えてみた。もちろん、お父様とお母様の許可も頂きました。お父様は、次に私が何を考えるのか知りたいようで、何をするのか、仕切りに尋ねて来ましたけどね!


「日本文化を取り入れようか、と」


「にほんぶんか?」


お父様、アクセントが違います。日本の“ほ”を強調しないでください。しかも切れ目が無いし。日本と文化は別の言葉です。にほんぶんか、では無いのです。


「日本文化。転生前の私は日本人でして。学生時代、ちょっとだけ日本美術史も勉強しました」


全く意味の分からないって表情のお父様に、要するに美術のお勉強をしましたよ。って分かりやすく話す。……そう。日本文化で庭園と言えば!


枯山水!


そんなわけで。私の指導の元、庭師達が大掛かりな庭園改革を行いました。雪舟の世界とまでは行かないけれど、中々に和風な庭園になりました。お父様は、これも新たな仕事になりそうだ! と目を輝かせてます。……どうでも良いけど、私の邪魔はしないで。


「不思議な庭ですわね」


「あら、お母様」


私が庭園を弄りたい、と言ったから気になって観にいらしたのね。


「なんだか遠くの景色までも庭園に見えるわ」


「お母様、さすがです! それこそが和風庭園の真骨頂。遠近法です!」


遠近法は、お父様もお母様も知っているらしい。まぁ日本人の転生者がゴロゴロ居るし、ね。ちなみに、元日本人の画家さんも見つけて、その方に監修をお願いしました。お父様と同年代のナイスミドルなおじ様です。言葉、古いか。でも、ロマンスグレーとかって表現が良く似合うんだわ。おじ様が独身だったらアプローチしてたわ。不倫はする気、有りません!


不倫は、ね……。

自分と相手が盛り上がっている時は、周囲が迷惑するし、お互いの熱が冷めたら、その後は悲惨だよ。幸か不幸かそういう略奪愛結婚も転生前に見て来た私は、浮気も不倫も絶対しない! と決めた。

特にお互いの熱が冷めてからの略奪婚は、本当にギスギスした結婚式だったなぁ……


話が逸れた。そんなわけで、ロマンスグレーのおじ様画家は、私の記憶に良い仕事人、として残っただけでした。ホント、良い仕事をしてくれたものだから、まさに枯山水な庭園になりました。


「遠近法って絵を描く時に必要な手法よね?」


「そうです、お母様。その遠近法を使って、庭園を一つの作品に見立ててます。まるで絵のようでしょう?」


「確かにそうね」


お母様は、美に厳しい方。そのお母様が納得するなら、この庭園は成功だわ。あ、もちろん、お母様にも私が転生者である事とお見合いババァを命じられた事は話してある。お母様が珍しく驚いた顔を見せて、次いで笑ったのは、記憶に新しい。ちなみに


「ようやく結婚適齢期になったターナが、ババァって可笑しいわ」


という理由で、大笑いでした。

お母様登場。お母様は普段、笑顔など見せない、貴婦人の中の貴婦人なので、大笑いをしているところを見て、ターナは驚きました。

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