エルくんとアールくん
下ネタ多めのラブコメディなのでたまにとってもお下品です.......
ある日起きると、幼なじみのエルが女の子になっていた。
「僕、どうしたんだろう」
エルはオロオロするばかりで、もうかれこれ30分鏡の前で眉を八の字にしたままどうしようって言っている。
いい加減、聞き飽きた。大きな欠伸をすると、お前正気か、と怒鳴ってくる。こわ。お前こそ、正気保ってる?そう聞きたかったけど、火に油を注ぐだけな気がして止めた。
朝起きて女になってたら、僕だって正気を失うかも。でも少し、たのしそうでもある。
「どうしよう、胸がある、あれがない、どうしよう」
おい見てくれよなんて言いながら履いてるものを下げるからお願いされた通りきちんと見た。
「どこに落としてきた」
「わからないよ!僕が知りたい!」
「これは明らかに女のあれだ」
近づいてよく見る。うん、やっぱり。女のあれだ。あんまり明るいところでじっくり見たことはないけど。間違いなく女のそれ。
「ひとつ聞きたいことがある」
「なんだよ!」
「小さい方は、どこから出るの?」
「小さい方?」
「おし」
「こんな時にお前はなにを聞いてるんだよ」
「どこから出てくるのか気になって」
「ネットで調べろよ」
「せっかく本物があるのに」
「僕をモノ扱いするな!」
「言葉のあやだよ」
面倒だな。そう思いながらベッドに寝転べば、お前、正気か!と叫んでくる。いい加減、耳が痛い。
「僕がこんなことになってるって言うのに!寝るのか!お前正気か!」
僕はお前こそ正気かと言いたい。下半身丸出しのまま、僕に馬乗りになる女のお前こそ正気かと。
「アール、お前、しょ、正気か、?」
「うん」
「なんでこんな時に、反応する、?」
「しょうがないよ、だってお前、今女の子だもん」
下半身丸出しのまま、馬乗りになられたら、そりゃ僕だって少しくらい、反応するってものだ。
「あ」
「変な声を出すなよ」
「お前が動くからだろ!」
「エルがそんなところに乗っているからだろ」
「あ」
「変な声を出すなよ」
「当てるなよ!」
「だからそれはお前が」
「わかった退けばいいんだろ!」
ああもう僕はどうしたらいいんだ!って下半身丸出しのまま泣き出したエル。その姿があまりにもおもしろいので携帯でこっそり写真を撮った。ばれないように無音で数枚カメラに収めると、僕は色々用を済ませるために泣いているエルを部屋に置いてトイレに向かった。