【将棋】京急将棋祭り2018 1日目のお話【感想】
今年の京急将棋祭りは20回記念として『女流棋士の祭典』と銘打ち、3日間、女流棋士がメインの華やかな将棋イベントとなります。
プロ棋士はゲストという形で、1日目は山崎隆之NHK杯、2日目は佐藤天彦名人、3日目は高見泰地叡王が登場。
今回は、あくまでもゲストなので、解説や企画への参加がメインとなり、プロ棋士同士の対局はありませんので、イベントらしくトークを楽しみましょう。
そんな京急将棋祭りの1日目を終日見てきたので、内容が気になる将棋好きのために、雰囲気が感じられる程度に書き残したいと思います。
発言の部分に関しては、一言一句正確ではありませんが、ニュアンスとしては間違っていないと思うので、そんな感じで読んでもらえたらと思います。
開会式。いつものように偉い人の挨拶が続き「今回が20回ということで30回、40回と続くように」という話がありました。
これは、そうあって欲しいと願うところで、いつまでも続いて欲しいものです。
「そのためにも」と、定番ですが、中村修九段や山田久美女流四段から「ぜひ、帰りに京急百貨店でお買い物をして行ってください」とアナウンス。
皆さん、買って帰りましょう。そうしましょう。
開会式の後には、本日イベントに参加する女流棋士がステージ前に集合となり、昨年の東西王子対決に続いて、写真タイムとなりました。
華やかですねえ。やはり注目はタイトルを獲得した渡部愛女流王位でしょうか。
撮影時間が終わると、オープニング対決として中井広恵女流六段と山田久美女流四段が対局。
中村九段が対局につけようとして没にしたタイトルを教えてくれることがあり、この対局も『達人戦』『レジェンド対決』『熟女対決』等があったそうです。
この将棋は対局前に振り飛車を促された流れがあり、どちらも居飛車党なだけに序盤の駒組みも注目となりました。
結果は先手の中井さんが四間飛車、後手の山田さんが三間飛車となり、戦型は相振り飛車。
先手の美濃囲いに対して、後手は右矢倉模様から、最近の矢倉にある玉側の金が上がる形をやってみたかったそうで、これを採用。
勝負は先手の攻めが繋がり、後手はチャンスを待つ展開に。
最後は粘りを見せましたが、見事に寄せて、中井広恵女流六段の勝ちとなりました。
山田さんは対局後のトークで、隣の大盤解説で「まさか旦那との話が出るとは思わなかったっ」と苦笑い。
斎田さんが話してましたねえ。山田さんの旦那さんと猫ちゃんのエピソード1を。
13時からゲストの山ちゃん(山崎隆之NHK杯)が司会の伊藤明日香女流初段の質問に答える形で、昨日の順位戦の話や昨年のNHK杯優勝、JT杯優勝と、早指し棋戦で好調だった話となりました。
昨日の行方尚史八段との順位戦は、必勝の将棋から必敗の将棋となり、そこから秒読みでの意表をつく勝負手から逆転勝利となったそうです。
ちょいワル逆転術、発動ですなっ。
その勝負手を見た時の行ちゃんのリアクションは、はっきりと動揺が見てとれたそうで、話を聞いていると、NHK杯でハッシーの二歩を見た時のリアクションが頭をよぎりましたなあ。
対局終了後は感想戦まで10分程度沈黙があったそうで、悔しさが伝わりますね。
「この悔しさが強くするんだろうな」と感じます。
順位戦の好成績には「内容は全敗ですっ」と山ちゃんらしい自虐も。
A級での勇姿を楽しみにしていますぞー。
次は、和田あき女流初段と塚田恵梨花女流1級が10分切れ負けで対局。
解説は山ちゃん、聞き手は渡部さんと豪華です。
切れ負けでも持ち時間が10分あると「結構考えられるなあ」と、序盤を見てて思いましたが、山ちゃんの予言通り、乱れる展開となり、最後は先手の塚田さんが「切れるか寄せきれるか」というところで、見事に寄せきって勝利となりました。
勝者は持ち時間10分で、持ち時間2分の山ちゃんと続けて対戦となります。
先程の対戦では記録係がチェスクロックを押していたのですが、それだと山ちゃんが「切れる可能性があるかも」と言う事で、記録係が使用していた長机を前に出して、対局者が押す方式に変更。
ところが、記録係の「このチェスクロックは2分vs10分は設定できないかも」という話から、中村九段が乱入からの「リレー将棋に変更します!」と宣言。
これを受けて、山ちゃんが「いや、設定できますよ」とチェスクロックを手に。
これが普通に設定できたため、中村九段は「リレー将棋宣言は、いまのなし!」とキャンセル。
予定通りの対戦へ。解説は渡部さん、和田さんの組み合わせ。
先手の塚田さんは持ち時間が10分あったのですが、山ちゃんの超高速なペースに引っ張られて、お互いに指し手の早い序盤に。これに困ったのは読み上げと解説。
読み上げが追い付かない、解説は盤面が分からなくなるといったカオス状態にw
ここで読み上げをしていた伊藤沙恵女流二段の好判断があり、指し手が早いところでは、読み上げから「先手後手」を外して、符号のみを言うスタイルで対応。
解説の大盤も中村九段の協力で、無事現局面を再現できました。
将棋の方は、相手の時間に考えることも出来るため、山ちゃんの手が止まることはほとんどなく、華麗な寄せで、危なげない勝利となりました。
切れ負け将棋は終局が早いのもあり、時間があるということで、先程キャンセルになった切れ負けリレー将棋(ペア将棋)が急遽行われることなりました。(パチパチパチパチー)
切れ負け将棋の対局者、解説者の4人でグーパーが行われ、山ちゃん、塚田さんペア、渡部さん、和田さんペアで10分切れ負け対局。
ここで面白い形が採用され、山ちゃんは盤前に座らず、大盤の前で解説しながら、自分の番は符号を言って、駒は塚田さんが動かすことに。
山ちゃんの軽快な解説トークの中、自分の番を忘れて、ツッコミが入ったりと、終始和やかな空気の中、先手の山崎、塚田ペアは読み筋が合っていた印象があり、一体感のある攻めで、見事に後手陣を攻略、勝利となりました。
切れ負け将棋とリレー将棋は、どちらかはあっても組み合わせてやることは、ほとんどないだけに、山ちゃんが面白かったと言ったのを受けて、中村九段は、これからも採用する機会がありそうだと示唆していました。
3時から初級講座の時間。
中村九段と伊藤沙恵女流二段の登場です。
どんな内容でしょうか。
と思ったら、講座はやらないそうで、「今年は女流棋士の祭典だったので、来年はプロ棋士の若手を集めて『君たちは悔しくないのか』的な負け抜け将棋をやってみようか」と話したり、明日以降の企画将棋で行うルールで沙恵ちゃんと実際に対戦してみたりと、とても面白い内容でした。これは明日、明後日も楽しみですな。
この時間は平行して、山崎NHK杯と渡部女流王位のサイン会があり、山ちゃんのサイン色紙を持ち歩いている人が多かったのですが、いやあ、達筆ですねえ。色紙を見て、凄く良いなって思いました。
5時。渡部愛女流王位と伊藤沙恵女流二段のメイン対局となります。
沙恵さんは今日大車輪の活躍ですね。解説は山ちゃん、聞き手は和田さん。振り駒で沙恵さんの先手が決まりました。
戦型は相矢倉。解説で「矢倉は終わった」ネタを絡めます。
お互いに、角を転換して使う形となり、先手は2六角、後手は7三角へ。先手は形を活かして右桂を跳ね、攻勢をとります。
今回は攻める展開の多い渡部さんが受ける展開となり、攻防が続きます。
途中で体が入れ替わり、今度は後手の渡部さんの攻め。優勢に進めるも、沙恵さんも決め手を与えず、粘り強く指しています。
そんな中、先手の勝負手から、熱戦は大熱戦の最終盤へ。見応え抜群の将棋は、先手に手番が回り、後手玉へ迫ります。
最後は際どいところでしたが、先手の寄せは惜しくも届かず。読み切りで、渡部愛女流王位の勝ちとなりました。
今回は珍しく(たぶん初めて?)勝者には商品券が用意されており、山ちゃんから贈呈されていました。
いやあ、良い対局でした。両者に拍手
最後は恒例の詰将棋と次の一手の正解者にプレゼントがもらえる抽選会。今回の詰将棋は、割と簡単で正解者は約170名と多めでした。
問題は次の一手ですよ。これが難しかった。おそらく史上最高難易度ですね。
「渡部愛さんの今好きな食材はどれでしょう。1.チョコレート 2.納豆 3.アイスクリーム」
これは回答が見事に3つに割れたそうで、それぞれが50数名という結果に。自分はストレートに納豆で回答。
正解はチョコレートでした。ソウクルカー。納豆は食べれないそうです。
元々用意されていたプレゼントに加えて、いつもだと企画に使った小物をくれることが多いのですが、今回は小物がなかったのもあってか、そこは流石の中村九段で、控室で女流棋士にミニ色紙に絵を描いてもらっていて、4枚のミニ色紙もプレゼントされました。
司会進行をしていた明日香さんの「それあげるやつだったんですかっ」というリアクションが
また良かったですね。最近の画伯な流れを抑えた中村九段の好手でした。
それぞれのイラストがどんな感じだったのか、遠目で確認しきれなかったのだけ残念無念。
抽選で回答用紙を引いた山ちゃんと渡部さんから一言ずつ挨拶があり、山ちゃんの話がまた面白い。
「10年振り位に京急将棋祭りにきたので、A級に上がったり、タイトルを獲得して、また呼んでもらえるように頑張ります。
呼ばれなかったらそこまでの男だったと思ってください」と。会場爆笑w
そんな楽しい京急将棋祭りの1日目でした。
書き始めると、もっと色々書きたかったのですが、時間の関係でこれでおしまいとします。
少しでも楽しさを感じてもらえたら幸いです。それではまた。
リンクが貼れないため、2日目、3日目のレポートはページ最下部の『作者マイページ』のリンク先からご確認ください。