女皇狐カティル~あかん、凄すぎる~
……なんだ、おい。一体どんな奴かと思ったら想像以上にとんでもない!?
でっけえなおい!?
―――ほう。妾を目にし平然と意識と魂を維持出来るとは、その根本からして上物であったか―――。
なんかとんでもない事口走ったよね今、目にして平然と意識と魂を……?
んじゃ何普通だったら意識と魂が壊されたりすんの?
―――察しが良いなその通りじゃ―――
……もう訳解んない……。アンタは一体……って名前言ってたか。
確か女皇狐カティルって……。俺なんかとは違う次元の存在なんだなきっと。
『女皇狐カティル:フォックス種の最上種。神に最も近いとされる魔物の一つ。その名は【運命】【奇跡】の意味を持ち相対すると瞬時に魂を取り込まれると伝えられる』
………。うん、帰ろう。
―――えっ帰るのか?何じゃ折角招いたのじゃ話をして行ってくれぬか、妾暇でな―――
いやだって……もう意味解んないし。何、運命と奇跡の意味を持つとか。
加えて神に近い存在で会っただけで魂が取り込まれるとか物騒この上ないんですが。
驚きと感動が一巡してもう冷静になっちまったよ、もうこのまま上に帰りたい。
つーか話って何を話せば良いんだよ。
―――何、お主の事を話せば良い。どうやら卵から孵ってからまだ一週間と言った所か―――
んな事まで解るのか……だったら碌な事話せないって理解してるんじゃないの?
っというか何で口開かずに話せんのよ、なんか頭に響くんですが。
―――これは念話だ、思考した事を相手に伝えられ此方の方が即座にお主の思考も読み取れる、故喋るより楽じゃ。そしてその程度理解しておる、妾の【即時解析】によってその程度の事把握済みよ―――
【即時解析】……?
『即時解析:対象の全情報を瞬時に習得するスキル。【鑑定】の最上位スキル』
あー成程、【鑑定】さんの上司って事か……。ってかパネェな即時解析。
何時孵ったとかそこまで解るのかよ。
『まあ良い久しく声で話してやるか、これで良いか』
!?何この声、すげえ威厳あるビューティな美女の声。
これがこの女皇狐の声!?こんな良い声してるだったら普通に話せば良いのに。
『そ、そうか良い声だと思うのか……?そうかそうか……むふ』
何で嬉しそうなんですかねぇ……。もしかして今まで良い声って褒められた事無い?
『畏怖や恐怖された事はあれどお主のように良い声と呼ばれた事は皆無じゃな。
そもそも妾が誰かと会話する事自体が数千年ぶりじゃからな。
しかし何故貴様は喋らん、妾の声も聞かせたのだお主も聞かせぬか』
ああすいません、何処か拗ねてるっぽいのは気にしないで起きますね。
いやそう言えば要求したのは良いんですけど、俺喋った事無くて……
今まで戦いの中で声出たような気はしましたけどあれは心の声ですし。
『何じゃそれは……。まあ良い、少しじっとしておるがよい』
な、何を……!?やめて私に乱暴する気でしょ!?
エロ同人みたいに!エロ同人みたいに!!
『エロ……?なんじゃそれは、兎に角態々招いた客人に乱暴する訳無かろうに。
ふむ…未熟な状態で卵を出た影響で喉が成熟しきっておらぬな。
魔物であるのならば生後直ぐに喋れても可笑しくは無いが、ほれこれで如何だ』
え~俺っても未熟児だったのか……あの時ノリで卵から出たのは悪手だったのか。
まあ話す相手が居なかったから困りはしなかったけどよ。それでは……。
「ア~……私は狐である、まだ名はない。!!!おおっなんか喋れた!!
なんか未熟児な筈なのにすげえ流暢に話せんな!!?」
『妾に感謝せよ。未熟ゆえに発揮出来ずに埋もれていた部分を掘り起してやったのじゃ
しかしまさか称号も無いというのに【妖術】を使わずにに良く生きておったな。』
称号?何ですかそれって、なんかカッコ良い響きがしてるんですが。
「良ければ教えてくれません?称号に付いて」
『っ!!しょ、しょうがないのぉ!!
そこまでいうのであればこの女皇狐カティルが貴様に教示してやろう!!!』
なんか若干チョロくねえかこの神に近いとか言われてる魔物。
数千年会話して無いって言ってたし楽しいのかな、喋るの。
会話する事無くて言葉を口にする事が無い、だったら念話で良いだろって流れなんだろな。
『称号とは達成した出来事によって自身に付与される銘である。
それこそ称号の数は星の数ほどあると言われておる。新たな出来事ほどに称号も増える。
称号とは己の強さや生涯の証明にもなる物である』
ほうほう成程。そこら辺は正直予想通りかもな。ゲームの称号と同じだ。
『そして此処からが最も称号が求められる理由でもある。良く聞くが良い。
称号を得ると同時に新たなスキルの開花、上位スキルが取得される。
故に称号を得る度に強くなると言っても過言ではないのじゃ』
それで俺は驚かれたのか。本来は称号を手に入れながらスキルを入手して強くなるけど
俺はその称号が取得出来ずに元々あった初期スキルだけで強くなるしかなかった。
多分称号のスキル無しで強くなるのは相当鬼門なんだろうな。
「それじゃあ俺はこれからも称号なし?」
『恐らくそうだろうじゃろう。第三者による介入無しにどうにか出来る欠損ではない。
言うなれば欠損した腕や足を自分で生やそうとしているような物』
「ああそれ無理ですわ。え~……それじゃあこれからも称号無しか……」
なんだか本来手に入る物がもう手に入らないって凄い損した気分だぜ……。
でも結構やってこれてるし、多分称号の事を知らなくても自力スキル取得とかで
やっていっただろうし多分大丈夫……。……
カティル様が、すっごい期待するような目でこちらを見てらっしゃる……?
えっ何これ、如何したら良いの?
「まあ兎に角称号は無しでもやって行けたし頑張っていくしかないか」
『っ!?』
目に見えて驚いてがっかりしてる!?
構ってちゃんかよこいつ!?俺の何百倍でかい図体して構ってちゃんって餓鬼か!!!
でも一応神に近い魔物だしスルーしたらえらい事になりそうだしなぁ……。
唯ですら魂を取り込むとかいう物騒な魔物だし……はぁ、しょうがない。
「あのもしかたらカティルなら称号を得られるようになるんじゃ……?」
『ッッッ!!!う、うむ妾ならその程度の事など容易き事よ!
妾がそこまでしてやる義理は無いと思うのだがな!?(チラチラ)』
目線……チラッチラこっちを凝視してる……。前振りして欲しいんですね解ります。
「そこをなんとか宜しくお願い出来ませんかね……?
どうかお願いs『そこまでいうのであれば致し方ないな!!特別だぞお主!!!?』」
食いつき方半端ねぇっ!!!
『では称号修正を開始するぞ』
「お願いします」
『うむ……終わったぞ』
「はやっ!!?」
『条件達成を確認。称号:硬化使い、スライムキラー、魔射手、運命との出会い、奇跡との遭遇を取得しました。
称号:硬化使いにより全身硬化LV1を獲得しました。称号:スライムキラーにより魔物特攻〈スライム〉を獲得しました。称号:魔射手により魔弾制御LV1を獲得しました。称号:運命との出会いにより女皇狐の加護を獲得しました。称号:奇跡との遭遇により女皇狐の奇跡を獲得しました。
瞬間硬化LV6 尾が全身硬化LV1へ統合。スキルアップ、全身硬化LV1が全身硬化LV3にレベルアップしました。
魔法射撃LV2が魔弾制御LV1へ統合。スキルアップ、魔弾制御LV1が魔弾制御LV2にレベルアップしました。』
そしてなんか色々増えたぁぁぁぁぁっっっ!!!!???
なんか最後ら辺にすげえ称号あるぞ!?なんだ運命との出会いと奇跡との遭遇って!?
絶対あんたのせいだろこの称号!?
『フハハハハハ!!!!如何じゃ光栄じゃろう!?妾との出会いに感謝するが良いぞ!!
妾の力の一部を貴様は受け取る事が出来たのだからなあ!!』
「取り合えず頼んでないのになんか増えてめっちゃ混乱してるんですけどぉ!!?」
『称号により経験値を得ました。経験値が一定値を上回りました
レッサーグレイフォックスがLV15になりました』
レッサーグレイフォックス
LV15
HP98 MP200
攻撃:81 防御:89
魔法:663 魔防:299
速度:210
【魔力放出LV5】【魔力操作LV5】【魔力生成LV5】【火魔法LV5】【魔弾制御LV2】【全身硬化LV3】【魔物特攻〈スライム〉】【鑑定】【女皇狐の加護】【奇跡との遭遇】【妖術EX】
ほらなんかレベルアップもしたぞってなにぃぃぃぃっっ!!!??
ステータス伸びすぎぃ!!?何があった!?今まで考えられないような上昇幅だぞ!?
はっこれってもしかして……。
『如何だ素晴らしいじゃろう妾の加護は!!』
やっぱりあんたのせいかああああああああ!!!!!!!!!