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東方極限想  作者: みょんみょん打破
古代編
1/67

青年(人間)と青年(神)

見苦しい文章となります。

ご了承下さい。

こちらの小説、ハーメルン様で投稿していた一作目です。オリジナル小説も書きたいと思っておりましたので、こちらでも活動することとなりました。

拙い文章ですが、見ていただければ幸いです。


「くそー! 星ちゃんに勝てねー! 何だよあのヘロヘロビーム! だめだ休憩しよう……、コーラ飲もう……あ、無い……コンビニ行くか」


 喋っていたのは俺、黒谷(くろたに) (そう) 

 あまりないだろ? それに、ヤマメと同じなんだよ。

 十八歳の身長175㎝で平均的、だと思いたい。

 顔は格好いい方だと思っている。って、そんなことはどうでもいい。


 今飲み物が切れたんだったな、買いに行かなきゃ。そこでチラッと時間を見る。

「午後十一時……か、急いで買って帰らないとな」

 コンビニに行こうと財布、自転車の鍵、一応携帯を持って出ていく。俺は借りたアパートの一室から出て階段を下り、駐輪場に置いてある愛用の自転車に股がりペダルを漕いでいく。


「夏真っ盛り? にしては今日ってなかなか涼しいんじゃないか? ……そういえば台風がどうたらっていってたな」


 独り言をしながら自転車を漕ぐ。今は八月二十日だ、暑い暑いと皆が嘆く憂鬱な季節、けれどもどこか青春を思い出させてくれる季節。

 まあ、バイトをしてたら暑くてやってられないが。


「あとはここを曲がって、真っ直ぐだな」


 曲がった先に見慣れた7と8のロゴが見えてくる。



 コンビニの手前に信号機がある、ここは明るい内もあまり車通りが少なく近くの小学生も通る事の出来る程度には安全性が高い。

 そこの駐輪場に自転車を置いて鍵を閉める。


 俺は通りなれた自動ドアを進む、そこで聞き慣れた音楽とは別に男の声が聞こえる。

「いらっしゃいませー」


 急いでいる俺はすぐさまお目当てのドリンクコーナーに向かう。


「手持ちは飲み物買うだけなら余裕だしコーラとデカビタと水二リットルでいいか」

「コガコーラ一点、デカビタG一点、水二リットル一点、合計375円になります」

「んー? じゃあ400円で」

「はい、400円お預かり致します。それでは25円のお返しになります、ありがとうございました」

「ありがとう」


 お釣を渡される時、レシートの上にお金を置かれるの嫌なんだよなー……小銭入れにくい……。

 そんな事を考えながらもコンビニを出ていく。駐輪場に行き、自転車の鍵を開け、股がって漕ぐ。



 そしてすぐ近くの信号で止まる。

「ここがなければノンストップで行けるのになぁ」


 止まれの色、赤が安全の青に変わる。

 俺は右、左をみて安全かを確かめペダルを漕ぎだした。


「ここ渡ればアパートまで止まらずに行ける! 帰ったら今度こそ星ちゃんに勝つぜー!」


 言い終わった瞬間、“何もなかった所からいきなり”閃光とエンジン音が聞こえた。

 視界が歪み衝撃が伝わる。不思議と痛みは無かった、身体を動かそうにも動かず身体の下から水溜まりが出来る。

それが血だと気付く暇もなく、何も考える事が出来ずに意識が無くなった。



「ハッ!? えっ!? 俺、何も無かったのに車が出てきて轢かれたんじゃ!?」


 テンパりながらも意識が覚醒した。そう、死んだと思ったら生きていた。


「いや、違うな、確かに死んだ……いや間接的には“殺された”だがな……」


 俺はそこで初めて自分以外の事に目が行く。まず目につくのは白、圧倒的なまでの白だった。

 黒が出てもすぐに塗り潰せるほどの白。


「ここは……天国?」

「いや……天国と言うよりも俺の部屋? というか管理室? というか仕事部屋だな、あと俺は神っつうもんをやってる」

「はぁ……」


 何なのだろうかこの青年は。

 そう考えながらも向かい側に立っている青年をみる。

 一見外国人にも見えるが日本人にも見えるその不思議な容姿。


 カリスマ性に溢れているみたいだとも思った。が、しかし俺は次の言葉でそんなことどうでも良くなった。


「すまん……間違え――いや、言い訳は辞めよう。お前が死んだのは俺のせいだ。本当にすまんな」

「はぁ!? あんたのせい!? どういう事なんだよ!?」

「俺は神だ、神にも仕事がある。人の魂に関する神や戦争に関する神その他色々いる。俺は人の死に関する仕事をしている。この蝋燭を見ろ」


 神と名乗る青年が何処からともなく“火のついていない先が溶けた蝋燭を出した”


「本来お前は86才まで生きる予定だった。それを俺が間違って火を消しちまったせいでお前が死んじまった……。いきなり車に轢かれただろ?」

「そうなんだよ!あれはおかしいだろ!」

「俺は右と左とって見たんだぞ!?それが――」

「落ち着いてくれ…」

「あ、あぁ……わかった……」


 俺が取り乱したときに神が喋った瞬間何故か心が落ち着き平常心に戻った。


「いまお前が落ち着いて話を出来る様に神術を使わしてもらった」

 神……術? と聞いたことのない単語に反応した。

「ああ、あと心が読めるからな?」


 神は呆れながらも言ってくる。

「えっ!? なにそれ怖い!!」

「……こほん」

 話を戻す様に咳をする。


「す、すまん…」

「いや、いいさ」

「ともかく本当にすまんかった、今後このような事は無いようにする」

「さしあたってはこの度君を転生させ――」

「いいの!?」

「……ああ、なにか要望があれ――」

「東方projectの世界!」

「あ、ああ、東方projectな。了解した……」


 即答する俺、引く神、なんとも形容しがたいシュールな画が出来た。

 よしっ! 東方の世界に行けるなら死んで良かったって思える!! と受かれている俺。

「それでは能力はどんなのがいい? こちらの不手際だから2ついいぞ」

 なんと神は寛大なお心を……と感謝しながらも誰にも負けない様な能力を考える俺。そして決めた。


「じゃあありとあらゆるものを極められる程度の能力とありとあらゆるものの限界を操る程度の能力をお願いします!」

「ああ良いだろう、だが本当にいいんだな? それでは強すぎて面白くないだろう?」

「いいんですお願いします神様!」


 土下座までしそうな勢いで頼み込む、俺は片手であしらえる位の強さが欲しい。もう虐められたりするのはいやだからと昔を思い出しながらも。


「あ、ああわかった。それじゃ時代は永琳が月に行く五年前だ」

「なんで五年前から?」

 別に一年やそこらでも良いだろうと思った直後、俺は人妖大戦を思い出す。


「そうだ、今まで平和的に生きてきたのにいきなり人妖大戦とか無理だろ? だからまずは強くなれ」


 良い神なんだな。と素直に感心した。こんな風になりたいな……


「お、おい…聞こえてるんだからな? やめろよ……お前を殺しちまったのに良い神なわけないじゃないか」

「でも全知全能はいないだろ?」


 そうだ、神が全知全能ならばアダムとイブは禁断の果実を食べなかっただろう。全知全能があるなら皆幸せになるだろう……。なにをいきなり考えてるんだろうか。

 頭を左右に振る。


「ありがとうよ」


 

「な、なんか変な空気になったじゃないか! なんだよこの空気!」

「ははっ本当にありがとうな、それじゃ転生を始めようか」

「ああ、頼む」


「◆△▼←¬∽≒ヮ¶κΧσΣοθΥμΕЧдрЛТбЭ」


 人間には発音どころか、真似をしようとする事すら冒涜になるような神聖さを感じさせるなにかを唱える神。


「よし、準備は完了だ。送るぞ――」

「待って!」

「なんだ…?」


 肝心な所を止められた様な軽い苛立ちを神から感じた俺。


「もう俺は死んだんだろう? じゃあ新しい名前をくれよ」

「名前なんかどうでもいいだろう。まあいい。そうだな」


 一分間考える神。


「ん、じゃリグ・ヴァレンタインはどうだ!」


 いい名前だろう? と言いたげな顔で言う神。


「あのさぁ、和だよ? 外国なら分からないでもないけどさぁ」


「なっ!? 俺が真剣に考えたのに……! それじゃ未知 神楽はどうだ!? いいな!? 良いだろう!?」


 顔を真っ赤にしながらもまだまともな名前になった。未知 神楽。

 これが俺の新しい名前。神、基、お父――。

「や、やめろ気持ち悪い!!」

「ひどっ!?」


 漫才の様なことをしつつも二人? とも満更ではなかったりする。


「神楽」

「はい、パパ――」

「おいやめろ」

「あっはい」


「これから辛い事や悲しい事が山程あるかもしれない。だがその先にはそれ以上の幸福が訪れるだろう」


「パパ――」

「落とすぞ?」


 それにしても俺、ノリノリである。

 そうだ、これから厳しくも楽しい事が一杯味わえるんだな。楽しみだ。


「神楽に幸あらんことを……じゃあな」


――――いってくる。



――――ああ、頑張ってこい。



そこで意識がなくなった。

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