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21-2 議会は踊れ

●御影

===============

“●レベル:22”


“ステータス詳細

 ●力:18 守:6 速:36

 ●魔:0/0

 ●運:10”


“スキル詳細

 ●レベル1スキル『個人ステータス表示』

 ●アサシン固有スキル『暗器』

 ●アサシン固有スキル『暗視』

 ●アサシン固有スキル『暗躍』

 ●アサシン固有スキル『暗澹あんたん』(New)

 ●実績達成ボーナススキル『エンカウント率上昇(強制)』

 ●実績達成ボーナススキル『非殺傷攻撃』

 ●実績達成ボーナススキル『正体不明(?)』

 ●実績達成ボーナススキル『オーク・クライ』

 ●実績達成ボーナススキル『吊橋効果(大)(強制)』

 ●実績達成ボーナススキル『成金』

 ●実績達成ボーナススキル『破産』

 ●実績達成ボーナススキル『一発逆転』

 ●実績達成ボーナススキル『救命救急』

 ●スキュラ固有スキル『耐毒』

 ●実績達成ボーナススキル『ハーレむ』”


“職業詳細

 ●アサシン(Bランク)”

===============


●皐月 (サツキ)

===============

“●レベル:70”


“ステータス詳細

 ●力:27 守:34 速:34

 ●魔:92/200

 ●運:7”


“スキル詳細

 ●レベル1スキル『個人ステータス表示』

 ●魔法使い固有スキル『魔・良成長』

 ●魔法使い固有スキル『三節呪文』

 ●魔法使い固有スキル『魔・回復速度上昇』

 ●魔法使い固有スキル『四節呪文』

 ●実績達成ボーナススキル『火魔法趣向』

 ●実績達成ボーナススキル『ファイターズ・ハイ』

 ●実績達成ボーナススキル『不運なる宿命』(非表示)(無効化)”


“職業詳細

 ●魔法使い(Aランク)”


“装備アイテム詳細

 ●火妖精の袴(火魔法威力三割増)”

===============


●浅子 (アジサイ)

===============

“●レベル:72”


“ステータス詳細

 ●力:26 守:35 速:55

 ●魔:181/181

 ●運:1”


“スキル詳細

 ●レベル1スキル『個人ステータス表示』

 ●魔法使い固有スキル『魔・良成長』

 ●魔法使い固有スキル『三節呪文』

 ●魔法使い固有スキル『魔・回復速度上昇』

 ●魔法使い固有スキル『四節呪文』

 ●実績達成ボーナススキル『耐幻術』

 ●実績達成ボーナススキル『氷魔法研鑽』

 ●実績達成ボーナススキル『インファイト・マジシャン』

 ●実績達成ボーナススキル『姉の愛』

 ●実績達成ボーナススキル『不運なる宿命』(非表示)(無効化)”


“職業詳細

 ●魔法使い(Aランク)”


“装備アイテム詳細

 ●雪女の和服(氷魔法威力二割増)”

===============


●来夏 (落花生)

===============

“●レベル:72”


“ステータス詳細

 ●力:30 守:40 速:65

 ●魔:176/176

 ●運:マイナス10”


“スキル詳細

 ●レベル1スキル『個人ステータス表示』

 ●魔法使い固有スキル『魔・良成長』

 ●魔法使い固有スキル『三節呪文』

 ●魔法使い固有スキル『魔・回復速度上昇』

 ●魔法使い固有スキル『四節呪文』

 ●実績達成ボーナススキル『インファイト・マジシャン』

 ●実績達成ボーナススキル『雷魔法手練』

 ●実績達成ボーナススキル『不運なる宿命』(非表示)(一部無効化)”


“職業詳細

 ●魔法使い(Aランク)”


“装備アイテム詳細

 ●雷神のリボン(雷魔法速度五割増)”

===============


 空になっていた胃袋に対して、食後用の頭痛薬を投入したため胃が痛む。

 不調であるが、今寝直すと夕方まで起きられないだろう。つらいが、このままオーリン対策会議を開催するべきだ。


「浅子、すまないが皐月と来夏を呼んでくれないか」

「兄さんの頼み事を断る妹はいない」


 勇者パーティーは、主戦力であったレオナルド、および目立たない所で活躍していたタークスを倒した事でほぼ壊滅した。リリームについては、また後で廃墟に戻って確認するが。

 火曜日に出現した第三勢力を木曜日に壊滅できたのであれば、そこそこのスピード解決だったと思う。

 だが、勇者パーティーの存在は、天竜川の魔法少女にとって想定外、余分、真性の邪魔者でしかないのだ。本当なら、主様に対抗するために力を蓄えておきたかったのに、レオナルドの所為でスケジュールは破綻してしまった。

 スケジュールだけならまだ許せたが、一人犠牲者が出てしまった。

 ラベンダーの喪失は、単純な戦力低下を懸念させるだけではない。三人になってしまった魔法少女達の心には、見えないダメージが存在するだろう。

 そして、心の傷をケアする余裕さえ、俺達には存在しない。



「疲れているところ悪い。けれど、俺達は消耗しているのに、本来の敵である主様は無傷のままだ。このままの状態で戦えば、俺達はオーリンに負ける」



 リビングに集まった少女達は、俺同様に疲れた顔をしている。久しぶりの集合だし、ゆっくりと労わってあげたいところだが、休憩時間はもう終った。

 俺達が疲れているというのは、敵にとっては付け入る隙となる。

 だから、戦力を早急に建て直して、弱兵を襲うつもりだった敵の隙を逆に突く。

 そのためにも、俺達は英知を結集しなければならない。


「分かっている実績達成スキルを全員で共有するのはどうです。私の『インファイト・マジシャン』は詠唱失敗がなくなって地味に――」


===============

“『インファイト・マジシャン』、接近戦趣向の異端な魔法使いの証のスキル。


 スキル発動中は、どれだけ息が切れても詠唱をとちらない。

 また、レベルアップ時の『速』の成長率が補正される”


“実績達成条件。

 魔法使いが格闘技でモンスターを討伐する”

===============


「それ、もう持っている」

「格闘術使って敵を倒す前に、私は経験値を稼ぎたい。敵の耐魔アイテムを貫通するにはレベルが1足りないのよ!」


 歴史的な快挙がリビングで起きている。

 これまで他の魔法少女に無関心だった彼女達が、積極的に協力している。秘密にしてきた実績達成スキルを開示し、ステータスという最大の個人情報さえも隠さずに共有している。

 もっと早くこうしていれば、とくややまれてならない。

 俺と優太郎も、スキルの共有については検討した事がある。戦力を底上げするのに使えるのでは期待していたが、世の中そんなに甘くない。

 魔法少女達の実績達成スキルは、基本的に敵を倒すのが達成条件となっている。雑魚モンスターがポップしない地球上では、達成条件を知っているのにスキルを取得できない。

 俺のスキルは戦闘に依存しないものが多いが、こちらは色物ばかりで実用性がない。実績達成条件も相応に変り種が多くて、浅子と来夏が所持している『インファイト・マジシャン』のようにモンスターを格闘術で倒す方が容易だった。


「御影の『一発逆転』はどうなの? 『運』がどれだけ信用できるパラメーターか分からないけど、取っておいて無駄にはならないと思う」


 右隣に座る皐月が思い出した『一発逆転』スキルは、窮地に陥れば陥るほど『運』を強化できるスキルである。上がる時には百倍にさえ上がるので、『運』が1の浅子でもそれなりに有益だ。


===============

“『一発逆転』、どん底状態からでも、『運』さえ正常機能すれば立ち直れるスキル。


 極限状態になればなるほど『運』が倍化していく”


“実績達成条件。

 『破産』スキルの達成条件を一日以内に帳消しにする”

===============


 億単位の金を稼いでから、稼いだ分の金をすべて失い、また億の金を得る。

 刃を交える必要のないゆるい実績達成条件なので、一応お勧めしてみる。


「まずは一億円の借金からだな。ネット銀行は未成年でも開設できるそうだぞ」

「……開設に時間が掛かるから遠慮しておく」


 この後、作戦会議とは関係ないのに、皐月は俺の借金についてしつこく尋問してきた。




 スキルを共有化するためには、どう考えても準備期間が足りない。他に出た案も、短期間での実現が難しいためすべて断念している。

 やはり、今更スキルを頼るのは難しい。引き返せないボス部屋でセーブしてしまったRPGゲームの如く、レベリングできないままボス戦に突入しなければならない縛りがきびし過ぎる。

 時間経過と共にテーブルを囲む少女達の口が重くなり、活発だった意見交換が停止してしまう。

 何も手立てがないというのは、就職活動に失敗した大学四年生と同じぐらいに絶望的だ。逆に、どれだけ実現性がなくても、動いている間は希望を維持できる。

 実直な手を思い付いている訳ではない。が、魔法少女達の士気を下げないためなら、荒唐無稽こうとうむけいな案であっても提示しなければならない。

 一応、『ハーレむ』スキルで俺を強化するという案はなくはないが、親友を失ったばかりの来夏をどうこうするつもりはなかった。

 俺に一つ奇策がある、と前置きをしてから、更に遠回りに空論を展開する。


「俺達の中で一撃の攻撃力があるのは皐月だ。だが、敵の耐魔アイテムの所為で皐月の攻撃は無力化されている。これを最初にどうにかしたい」


 そんな分かりきった事を今更、といった顔を隠して皐月はうなずく。


「また、魔法使いの継戦能力も向上させたい。『魔』が残っている間は同レベル以上の敵とでも戦えるが、戦闘時間はかなり短い。全力で魔法を使用し続けた場合、たった十分で『魔』が枯渇する」


 そんな公然の弱点、今更考察するまでもないのでは、といった顔で来夏も頷く。


「そんな諸問題は同時に解決できる手段がある。それも準備期間はたったの一日。……問題は、相応に危険がともなうのだが」


 俺の左隣に座っているだけだというのに、目のクマが晴れて元気になっていく浅子は、きっと俺の言葉ならどんなに無謀でも頷いてしまうのだろう。


「反対意見はあるだろうが、他に案がないならこれでいく。一日で済むと言っても時間は限られている。具体案は現地に行くまでに説明する」

「御影。移動は良いけど、どこに行くのよ?」


 具体案を考えつく猶予が必要だ。強引に話をはぐらかす俺に皆付いてきてくれたが、移動先については当然質問が出る。


「案外近場だからパスポートは必要ないぞ、皐月」


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 ◆祝 コミカライズ化◆ 
表紙絵
 ◆コミカライズ「魔法少女を助けたい」 1~4巻発売中!!◆  
 ◆画像クリックで移動できます◆ 
 助けたいシリーズ一覧

 第一作 魔法少女を助けたい

 第二作 誰も俺を助けてくれない

 第三作 黄昏の私はもう救われない


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