第四十一話:ヴァルキリーの台頭4
血と骸で埋め尽くされたここは、もう地下都市とは言えない。いい具合に地獄で、今立っているここはその崖っぷちだ。なんでこうなった……。知らず知らず息を呑み、三方の動きに意識を集中させる。スピードならこちらに分がある。人面野郎はカウンター待ちで仕掛けては来ない。だが、他の二体が動けば連動して動くだろう。その時私は、しのぎ切れるのか?
ダメだ、時間が経てば経つほど、選択肢が狭まる……せめて一対一に持ち込まないと……。そうして能面のような表情を崩さないバラスシュトラと睨みあう最中、
[レンタル倉庫屋さんが来たよ。あと助っ人さんが一人降りた。荷物も持って行った。まだ必要な物があったら言って]
エリナからのメッセージが目に留まり、私は小躍りせんばかりの自分を抑え込み即座に決断した。野郎やっときやがった。とにかく補給、話はそれから、いや補給出来れば話は変わる! それに助っ人が本当に来てくれるなんて、一体誰が来てくれたんだ? しかし、今はもうメッセージを返す余裕もない。ここを乗り切らないと、補給すら受け取れない!
こいつらは強い。今仕留めろっても、無理な話だ。だが、振り切るだけなら自信はある。
背後の魔導師は空中に浮いていると見て間違いない。既に詠唱をも終えている。だが地上を一気に駆け抜ければ……一つバックステップを踏んだ後、私は踵を返し全速力で走り出した。一歩目で魔導師ミーアの足下に、二歩目にはもうそれを抜き去りビジュラのいる地下都市中央へと向かう。嫌な予感は的中し、追跡型の攻撃魔法がついてくるが、この距離なら途中で効果を失うだろう。一気にビジュラの傍へと駆け寄ると、上から白装束の人物が降りてくるのが見えた。
騎士の格好をしたそれは、私同様恐ろしいスピードで落下してきたが、着地の瞬間だけはゆったりとした速度になり、静かに着地した。丁度ビジュラを挟んで逆方向に降り立っている。
振り返る間もなくビジュラの胴体をくぐり、そのプレイヤーに近づく。補給物資が必要だ。それに、一体誰が来てくれた。そうして声をかけようとすると、
「この空爆の跡みたいな惨状はなんなんだ。ゲーム間違えてるだろ」
名前も表示されていない若い騎士はそう言って、ただただ呆れ果て、
「あの白い騎士はどう見てもラスボス……いや違う違う、ありえねえ」
と首を振り、
「ああ、出たよインチキヴァルキリー。あのくそ女滅茶苦茶じゃねーか。まさか短期決戦特化も克服したのか? マジふざけんなよ」
と毒づいた後私を見つけ、
「何その格好」
と、浅黒く彫りの深い顔を傾けた。
[エリナ、今いいかな?]
[オジキ? 今どこ?]
[休憩中。助っ人が来たみたいだけど、誰が来たんだい? まさか野良プレーヤーじゃないだろう?]
[お姉ちゃんが呼んだんだって。レインコート着て釣竿担いでた変な人だった]
[名前は聞いてないのか?]
[だって表示されてなかったし、なんかぶつくさ文句言ってて話しかけ辛かった。着替えも手伝ったのに不機嫌だったし]
[キリア君が呼んだのなら多分うちの面子だと思うが……]
[ごめん、自分で確かめて。多分旅団とかいうチームの人だと思うし]
[それはそうだろうが……大丈夫だろうか]
[そこそこ強いと思うよ。甲冑着込むの大変そうだったけど]
[甲冑……? ジルか? 一体誰だ?]
[見に行けば?]
[…………]
[ハッキネン無事だったのか。今どこだ]
[マーカスか。そっちはどうだい?]
[問題ない、もうじき終わる。そっちは今どこなんだ、何してる]
[休んでる。万全の状態になったら戦線に戻るよ]
[全体的には落ち着いてきたが一部混乱してる、油断すんなよ]
[だから万全にするんだよ。誰だか知らないが増援も来てくれたらしいしね]
[そうかい。おいエリナ、そっちは大丈夫か?]
[大丈夫だけど、イージスで見たらお姉ちゃんが危なそうだから援護に行こうかなって思ってる]
[野郎、妙な技発動させた時点で勝負あったろうになんで援護が必要なんだ]
[分かんない]
『ヴァルキリー、苦戦しているじゃないか、大変そうだな。どうだ取引しないか。左腕を治癒してやる代わりにこっちの援護に来る。あくまで援護だ、悪い条件ではなかろう』
「ああ? 誰だ頭の中に直接話しかけて……ってなんだザルギインか。うるさい黙れ死ね」
『……そこは今来た騎士とあの子供に任せれば時間は稼げるだろう。まずこちらを解決して、その上で仕留めればいい』
「御託は死んでから言えゴミが」
『貴様に人をなじる資格があるのか? 散々子供に頼り、今は増援まで呼び込んだ。それでヴァルキリーと呼べるのか』
「うっさい話しかけんな死ね」
『……こっちは混乱して収拾つかないんだ! 希望があれば言えばよい! なんなら譲歩してやらんでもないぞ!』
「とりあえず死ね。馴れ馴れしいんだよ屑が」
『ぐ……貴様、私相手なら何を言ってもいいと思っているだろう? これだけ譲っているというのに、話し合いにすら応じないとは!』
「……真面目な話、ビジュラが邪魔でそっちで何が起きてるか見えないんだよ。見えたところで笑うだけだけど。つかマジ死ね」
『…………』
正直に言えばザルギインに何起きているのかは把握出来ていた。奴がうまく飼いならした連中と怒り狂う化け物共が激突しているのだ。かなり深部での出来事だが、あまりに規模がでかいのですぐに気付いた。だからどうなんだ、という話なので私には関係ない。それで奴が死ぬなら、そういう運命だったのだろう。そんな馬鹿は無視して、二人は最終的な打ち合わせに入っていた。
「信じられん……いくらなんでも強力過ぎる。ありえねえ」
「同感です。それでも勝てない有様で……」
「けどそれで勝てないってのは、失態と言わざるを得ないなあ」
「なんというか、言い訳のしようはあるっちゃああるんですけど……結局ウルトラの効果ありきで考えて、視野狭窄の脳筋プレイに走っちゃったって話でして……」
「うーん、まあ反省は後にしよう。で、勝てるんだよな、あの化け物に。しかも三体いる」
「ええ、しかも一人で、と言いたいところなんですが、正直そちら次第です」
「そう……奴らの特性は大方理解した。向こうが何をするかも、見てれば大体分かる」
「あの一撃なんです、あれさえなんとかすれば……」
「強制ライフ1の特殊攻撃か。パラメーターをいくらいじっても意味が無いわけだ」
「不覚です……あんなに強いと思わなかった。いや、頭使わなさ過ぎでした」
私は溜め息をつき、騎士の彼は鋭い眼差しで追って来る三体の化け物に視線を向けた。ミーアはゆるゆると、バラスシュトラは轟音を立て、ゴーレムは引きずるように二体の後についている。
「レベルを合わせるタイプの敵かもしれない。ま、そんなの問題じゃないが。魔導師に人面魔獣にゴーレム、こいつらがここの頂点なんだよな。俺からすれば問題は魔導師、いや全部かなぁ……」
「あれの頭を押さえてくれれば殺れなくはないんです」
「まずそれが難しい。こっちは地べたにべったりなんだ。そこでちょっとやり方を変えたいんだけど、どうよ」
「手順ですか?」
「正確には締めの部分かな。状態異常と魔法攻撃は一切無視していい。そちらは手順通りにやってくれ。ただし、標的を変えて欲しい」
「……それは、だって、いけるんですか?」
「勿論しくじったらお宅がやればいい」
「そんないい加減な……」
「大丈夫、それなりに見込みはあるよ。さて、もう話している暇もなし、だ」
奇妙なオーラと複数の魔法を宙に浮かせるミーアが、射程距離に入った。いずれバラスシュトラもたどりつく。ここにゴーレムが参戦しない内に、勝負をかけるしかない。
「多少の足止めは出来る?」
「どうだろ、注意を引くことぐらいは出来るかもしれない。あまり期待しないでもらいたいね」
「後ろ取られんのが嫌なんだ。やっぱり状態異常も怖いし、運ゲーだもの」
「そうならないための、インチキアビリティなんだろ?」
「そりゃそうだけど……」
「とにかくあのミーアって魔法使いを抑えれば、勝ち確なんだ、だよな?」
深く頷く私に、隣の騎士は軽く頷いて剣に手をかけた。
「未だ状況もよく分からないのに……オーラスに来てしまうとはなあ」
「こっちは助かりますほんとに。うまく援護してくれれば、まあなんというか新時代のクソゲーとはなんたるかをお見せしますよ」
クソゲーねえ、と騎士の格好をした彼はレイスに視線を送った。あっちもクソゲーならこっちもクソゲー。インチキの押し付け合い。でもこの局面で正々堂々なんて言ってたら残機がいくらあっても足りない。押し付けられるものは、全部押し付ける。
ふわりと浮かぶ黒装束の魔導師ミーアが近づいてくるのが見え、二人は軽く視線を合わせた。その背後にはバラスシュトラ、そしてパンツァーファウストもゆっくりとだが前の二体に追随している。
「んじゃあ天下無双のインチキっぷりを見せてもらおうじゃないか」
「なんか、DQNだと思われてる気がするんですけど……」
「うん? まあねえ、けどそういうのは嫌いじゃないかな」
嫌いじゃないと言われてしまうと、ほんとは中に着るものだから、見せるつもりはなかったんだよなあとも言い辛く、なんともむずがゆい。
そうこうしている内についにミーア、そしてバラスシュトラが眼前へと現れ、ミーアは複数の魔法の塊を抱え高く掲げた。属性は分からない。攻撃魔法か状態異常か、それとも異常付加魔法か。
決戦だ、これを叩けば趨勢は決まる。
「何度も言うが、俺が出来ることは限定される」
「了解――頼りに、してます」
その言葉を合図に、騎士が壁役となり私の前を進んだ。私は騎士の背に左肩を当て、いつでも斬り込める態勢を取る。
「この距離でどうだ」
「完璧。やや近いぐらい」
ミーアの標的は二人重なっているので今は一つに絞られている。壁役の騎士と距離を取り、彼だけが前に進みやや左にポジションを取った。
ミーアの意識が分散されると同時に二人は行動を開始。両者共に迷うことなく急速前進するがその速度には決定的な差がある。一瞬でミーアを追い越すが、攻撃魔法、さらに複数の魔法が私を捉えるべく追尾してくる。その全てを無視して、ただひたすら前進し人面の化け物を目指す。後方で奇妙な爆発音が聞こえ、追尾していた魔法の気配が失せた。これで運ゲーも回避出来た。
そして私は、バラスシュトラの前に立っていた。
人面の化け物、恐ろしく堅く、凄まじい破壊力と特殊攻撃を持っているこの空間最強の敵。何よりこいつだけは、今のこの私のスピードについてくる。この巨躯でだ、信じられない。
一瞬の睨みあいの中、人面の魔獣はわざと懐を空けるような素振りを見せた。二度の攻防でカウンタータイプであることは承知している。背後ではまた奇妙な爆発音が聞こえ、二人の攻防が始まっていることが窺える。
伸るか反るか……奴には片手剣は通用しない。ペーパーソードじゃ皮一枚はがすので精一杯だった。っても今の私には片手剣しか使えない。今手にしているのはやや重いグラスソード。ペーパーソードの上位互換みたいなものだが、奴はこれを見てもなんの反応も見せない。所詮は片手剣、確かにそうだが……化けさせることが出来る。何せ私はヴァルキリーなのだ。
ヒントは、バラスシュトラの背後にいるゴーレムが教えてくれた。
人面野郎は自分の堅さに絶対的な自信を持っている。そして近距離の攻防は私と同等のスピードを持つ。こちらの一撃は食らうことが大前提の組み立て方で、その攻撃に反応して鉤爪、続いて火炎で追い払いやや距離を取ってから強制ライフ1の特殊攻撃テイルアタックを繰り出す。恐ろしく速いこの連携が奴のパターンだ。一度攻防が始まると、まるで型にはめられているかのように動きをコントロールされる。
「これを逆手に取る。一撃は必ず当たるんだろ?」
騎士の彼はそう言った。プルス・ウルトラとヴァルキリーならこいつの必勝パターンを崩すことが出来る!
始まってしまえば一瞬の出来事……待ったのきかない生と死の境目……能面のような奴の顔を見ることもなく「三度目はない……!」と呻くように吐き出し、私はその懐に飛び込んだ。
がら空きの腹部をアースアタッチの属性を追加したグラスソード、さらに今までスピードに割り振っていたプルス・ウルトラを攻撃力に素早く切り替え一撫で――今までに無い感触と微量の血飛沫が飛ぶのが見える。
だが、これでは足りない! もう一撃加えたいところだがこの位置に留まれば身体に押し潰される。傷口を目に高速で左に飛び出すと――予定通り鉤爪での攻撃、ここではタフネス、耐久力にプルス・ウルトラの効果を割り振ってその一撃を耐える。ダメージが皆無というわけではないが、針の振り切れたパラメーターを持つ私にはせいぜい二桁のダメージしか与えられない。だが、完璧にガードしたところでパワーが圧倒的に違うのだ、身体は吹き飛ばされ空中を舞うことになる。そして続く火炎攻撃、これにあぶられないよう空中制御で唯一安全に着地出来る場所は……人面の魔獣、バラスシュトラの特殊攻撃、強制ライフ1のテイルアタックの格好の餌食となる地点なのだ。
これでもう三度目。二度ガードした、意味のないガードを。
ライフ1になれば、ミーアやパンツァーファウストのつまらない魔法がかすっただけでも私は終わる。テイルアタックに吹き飛ばされた私がどこに飛ぶか、こいつらだってもう理解出来ているだろう。
もう一対一じゃないんだ、敵は三体いる。
足下に大地属性の草木と蔦が這っていた。
後方からは、属性不明の魔法の塊が大量に飛来してくる。
そして、私の着地と同時に、バラスシュトラのフルスイングのテイルアタックが振り下ろされた――。
騎士の彼は最初に言った「自分は壁役としては優秀だが、戦闘力はさほどでもない。動きも鈍い。敵を仕留めるのはそっちでやってくれ」と。
多分この人はホワイトナイトだ。能力的にもそうだし、見た目もそんな感じがする。だから余計に心当たりがなかった。しばらく旅団を離れていたとはいえ、ホワイトナイトなんて私は知らない。誰かが転職証を手に入れて、助けに来てくれたのだろうか。ホワイトナイトか……ふっと近藤の顔が浮かび、今頃あいつは何をしているのだろうと、そんな雑念が頭を過ぎった。いやあいつはホワイトナイトにはなってないんだよなあ。
――テイルアタックが確かに振り下ろされ、凄まじい衝撃音を残した。だが、私の頭上には巨大な障壁、四色に分かつデザインの施された縦長の「四風神の盾」が存在し、まるで神の掌のようにそれを受け止めている。
なんの妨害も受けなかった私は、草木を踏みつけ蔦を千切りすぐさま取って返し魔法弾の嵐を突き抜け攻撃に集中していたミーアの背後を取った。誘導機能のついたその魔法攻撃は私、つまりミーア目掛けて次々と襲い掛かり被弾し続けたミーアは見るも無残な姿になった。状態異常も含まれるのか、フラフラと落ちていく魔導師の首をグラスソードで刎ね、無事標的を仕留めることに成功した。高度を下げ、バラスシュトラと連携したのが運の尽きだったというほかない。
地面に降り立つと凄まじい咆哮と轟音が周囲に響き渡った。バラスシュトラ、まだ奴を仕留めてはいない。こいつが最強、狩れるのは私しかいない。そう思い奴を見ると、奴は初めて見せる苦悶の表情を浮かべ、なんとあの尾が胴から離れていた。尾っぽはまるで生き物かのように、暴れまわっている。
何があった? 騎士の彼はどこだ? 周囲を見渡すと、やや遠くに禍々しく巨大な黒剣を持つ白い騎士が、膝を突き腹を押さえているのが見えた。あれで、尾を切り落とした?
騎士の彼は顎で私に「行けよ」と促し、自分はゴーレムのいる方向へと歩き出した。
あの黒剣……パターンを読んでガードするだけでなく、タイミングを計って相打ちであれを切り落とした? 壁役どころの話じゃない! そこまで狙ってたのか!
その背中を眺めながら惚れ惚れとしていた私は、一段と大きくなるバラスシュトラの咆哮で目を覚ました。暴れまわる姿はあまりに豪快で、当たり前だが獣の域を超えている。
手負いの化け物……と、警戒してやりたいところだが……。
もうこいつには、特殊攻撃がない。
こいつは、速くて堅いだけの、それだけの存在だ。
私が近づくと目から流血を流すその表情が見えた。だが、なんの感傷も起こらない。こいつは敵で、こいつには死ぬ思いをさせられた。黒い血を流し苦しむそいつを前に、私は戦闘態勢を取る。
「聞けよ化け物。お前は私が戦ってきた中じゃ間違いなく最強だ。敬意を表して――これから全力でクソゲーにしてやってから存分に楽しめや」
私とバラスシュトラの高速の攻防は相変わらずだった。だが徐々に体力を失う人面の獣に対し私はスタミナが削られるぐらいのものだ。グラスソード五本を使って初めてその肉体に亀裂が入った段階で、切り札のニフリートクレイモアを発動させ、傷口にねじ込んだ後内臓をかきまわした。ニフリートクレイモアを体内から取り出すことは出来なかったが、最強の敵はついに絶命し、その巨体を横倒しにして二度と動くことが出来なくなった。
「今の奴、なんで尾っぽからやらなかったんだ?」
早々にパンツァーファウストを仕留めて戻ってきた彼に、いきなりそう尋ねられた。
「まあ最後ぐらいは堂々と……と言えば聞こえはいいですけど、尾っぽ恐怖症だったのかもしれません」
はにかみそう答えると、彼は初めて白い歯を見せてくれた。
そうこうしていると、視界にトカレストの速報が流れ始めた。
最強のレア狩りかー……悲惨なことばっかだったけど、やっぱ嬉しいこともあるもんだ。一人でやるって目標は結局達成出来なかったけど、出来ることはやったよね……これが今の私の限界。そう、思うしかない。
そういえば、お互い自己紹介をする暇もなかった。名前ぐらい告げても良かったろうに、緊張でそれすら忘れていた。SOSに対して駆けつけてくれたのだから、向こうもそこは大目に見てくれているかもしれないけれど、キリもいいからちゃんと挨拶しようと私は速報が流れきるのを待った。
『魔導師ミーア、魔獣バラスシュトラ討伐、キリアさんおめでとうございます!』
「ん?」
『精霊パンツァーファウスト討伐、間宮さんおめでとうございます!』
「え?」
三体の怪物が駆逐されたことで地下都市の趨勢は決定的なものとなり、全てに終止符が打たれる瞬間が刻一刻と近づいていた。




