□■第十八話:ちらり視えた、本音の後悔。■□
・・・また、謳が聴こえる・・・。あたしに、語りかけてる、ような・・・。
『永遠の謳のはじまりはじまり
いつまで君は待たせるんだ
僕らは君を待っている
こちらへおいで
さあ仲間に
向こうに君の居場所は無いんだよ
君と歩いてくれる者は居ないんだよ
さあ僕らと共に
こちらへおいで』
だれ・・・? いったい、あなたは、だれなの・・・?
嫌だよ・・・。あたし、本当は、こんなチカラ、いらないんだ・・・!
リュクール、滅ぼしちゃった・・・。消滅えちゃった・・・。
独りに、なりなくなんか、な・・・ぃ・・・ょぅ・・・
どさり、と急にミューシャの躯の力が抜ける。
「ミューシャっ!?」
「ありゃー。また失敗。この娘の心はなかなか強いんだねぇ」
俺が彼女の躯を支え、ぎゅっと抱きしめると、それを見たクラーヌがけらけらと笑い出した。俺はミューシャを抱き上げたまま、睨みつける。
「じゃあね。また迎えに来るよ。僕らは彼女を仲間にするために、どんな手でも使うから。肝に 銘じておいてね。じゃまた、ね」
そう言い残し、クラーヌは手を振って空の割れ目へと消えてゆく。割れ目さえも消えると、待っていたかのように、一気に月が沈み、陽が昇った。
「朝・・・?」
俺はミューシャを木の根元に下ろした。横に寝かせて、俺の服をかけてやる。
「あいつ・・・。なんで、ミューシャを仲間にしようとしてるんだ・・・?」