□■第十一話:不安。そして、心の奥底の、希望。■□
更新遅くなりました。
待っててくださった方、ごめんなさい!
「俺が、危ない? なんでだよ?」
「・・・・・・」
話したくないのか、彼女は口をまた噤んでしまった。俺は肩で溜め息をつき、話すことにした。
「お前さ、俺と一緒に居るか、何されるか分からない変なヤツのとこに行きたいか、どっちだ?」
俺の変てこな質問に、彼女は首を傾かせた。何を言ってるんだろう、みたいな感じだ。俺は返答に困っているミューシャを見て、くすくすと笑ってしまった。
「・・・嫌だろ? そんなヤツらから、俺が護ってやるって言ってるんだ」
これは嘘ではない。現に、クラーヌがミューシャを攫おうとした。そして、また来ると言っていた。
「なん、で? なんで、護ってくれるの・・・?」
「なんでって・・・。だから、女の子の一人歩きは危ないだろ?」
クラーヌが来たから、なんて言えない。いつか知ることにはなると思うが、知らない方が幸せだ。今はまだいい。口から出任せを言っておくことにした。
「あたしと一緒に居たら、危ないんだよ・・・?」
「だから、なんで危ないんだよ?」
会話が振り出しに戻ってしまった。また彼女は口を噤む。すると、先程とは違い、すぐに言葉を発した。
「・・・あたし、リュクールを消滅したんだよ・・・? 恐くないの・・・?」
ああ、そういうことか。そんなの、何かわけがあったって分かった今となっては、別に恐怖は微塵にも感じやしない。
「別に恐かねぇよ?」
「・・・っ。違うっ。この、膨大なチカラが、いつかまた、爆発しちゃうかもしれないんだよ!?」
初耳だ。だからクラーヌは、仲間に引き入れようとしていたのか。しかし、彼女には驚いた振りさえ見せないようにした。
「じゃあ、その時は俺が止めてやるよ。な?」
軽く笑って誤魔化してやった。彼女はまだ納得できない様子。ふう、とまた俺は溜め息をついた。
「俺が、止めてやる。お前だってもう、消滅すのとか嫌なんだろ? だったら、俺が傍にいて、止めてやる。お前のその変なチカラから、お前を護ってやる」
ちょっと真剣な表情で言ってみた。すると、ミューシャはやっと納得したようで、目を合わせないようにそっぽを向いたまま、小声で「お願いします」と言った。聞き逃さなかった俺は、にっこりと笑って、彼女の頭をぽんぽんと軽く撫でてやった。
「改めて自己紹介するよ。キース・グレイルーだ。キース、でいい」
100Hit超えました〜。有難うございマス。




