第7話 Legends begins?
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明日。
土曜日。朝。MOCA 2F Box B21。
「おは!」
カガミが飛び込んできたのは、約束の時間より十五分も遅れていた。息を切らせて、顔は真っ赤だったが、なぜか目だけはギラギラと輝いていた。
「遅刻やんけ、カガミ。」キリカがドラムスティックをくるくる回しながら言った。
「ご、ごめん!でもこれ見て!」
カガミはスマホを取り出して、画面を差し出した。セイナがそれを受け取って読み上げようとしたが、カガミが先に叫んだ。
「キーボーディストの人からメッセージ来たんや!!」
その声があまりに大きかったので、ハナルはびくっと肩を揺らした。
「昨日送ったメッセージに返事が来たんや!『キーボーディストが必要なら、一度お会いしたいです』やって!牧野アコさん!」
「ちょっと待って、昨日送ったの?」キリカが眉をひそめた。
「そうや!昨日の夜、返事来てたんやけど、オレ気づかんくて……今朝起きて見たら、めっちゃ焦った!」
「それで遅刻したわけね。」セイナが静かに言った。口元はわずかに緩んでいるように見えた。
「ええやん!会いに行こうよ!」カガミはすでにギターケースを背負い始めていた。
「どこに住んでるん?」キリカが聞いた。
「和歌山やって。」
「和歌山?」セイナが少し驚いた顔をした。
「片道一時間以上かかるけどな。」キリカはスマホで地図を開きながら言った。
「オレ、行く!」カガミは迷いなく言った。
「今日は練習日やで。」キリカが言った。
「練習はまた明日できる!せっかく返事もらったんやから、待たせるわけにはいかん!」
ハナルは少し迷っていた。自分も行くべきかどうか——でも、朝の電車に乗るのはまだ少し怖かった。
「オレ一人で行くわ。」カガミがハナルの表情を読んで言った。「ハナルはここで練習しといて。セイナとキリカもおるし。」
「だ、大丈夫ですか?」
「もちろんや!行ってくる!」
カガミはそう言い残すと、個室を飛び出していった。
その日の朝。まだ誰もいない電車の中で、一人の女の子が窓の外を見ていた。
傘をさした女の子は、そっと電車に乗り込んだ。彼女は静かな隅に優雅に座り、窓の外で降り注ぐ細かい雨を眺め、その雨音の中で消えていく幸せを見つめていた。その柔らかな瞳から涙が流れ落ちているようで、雨と混ざり合い、区別がつかない。
「なんで、うちやあらへんのやろ……」
電車は揺れながら、そうして和歌山で止まった。女の子は車から降りて、傘を開けた。雨はさらに強く降り始めた。
そんなふうに雨の中を歩いて、どれくらい歩いたのか、多分誰にもわからないだろう。彼女は二階建てのアパートの前で立ち止まり、ゆっくりと階段を上がっていった。
201号室。ドアを開けると、中からは家のような温もりは感じられない。中はとても小さく、十数平方メートルだけだった。その女の子は傘をしまい、上着を脱ぎ、スマホを取り出した。とても焦っている様子だったが、ツイッターを開いても何をすればいいのかわからなかった。
彼女は自分が何をしているのかわからなかった。心の中にある、何とも言えない感情をどうやって解消すればいいのだろうか?
壁の隅には、とても精巧に見えるキーボードが置かれていた。
「アコちゃん、ちょうど帰ってきたの?」
玄関からおばあさんの声が聞こえてきた。ここの管理人だ。
「はい、寮母さん。」
木のドアが開かれ、おばあさんが入ってきた。アコが涙目でいるのを見て、何があったのか尋ねた。
「今日はどこに遊びに行ってきたん?なんか元気ないみたいやけど。」
「大丈夫ですよ、寮母さん。ちょっと考え事してただけで……もう寝ます。」
「そうか。わかったわ。おばあちゃんはもう邪魔せんから、ゆっくり休みや。」
「はい。」
アコは暖かい布団に身を包み込んだ。
長い間迷った末、アコはやはり、自分の心の中の嫉妬に向き合うことに決めた。
アコはそのフォローしているアカウントのホームページを開いた。ダイレクトメッセージのボタンを押した。
「こんにちは。キーボーディストが必要なら、一度お会いしたいと思います。」
そしてアコは体を横にして眠ろうとしたが、どうしても眠れなかった。
たぶん待っているのだろう。そのメッセージに返事が来るかどうかを。
土曜日。和歌山、カフェ「VLADY」。
「おはよ!アコちゃん!」同僚のリンナが彼女に挨拶した。
「おはようございます。」アコは身をかがめてお辞儀をし、まるでお客様に接するように。
同僚は笑いながら手を振って言った。「もう何ヶ月も一緒に働いてるのに、まだそんなに固いん?」
「あ、すみません。」
「もう、謝らんでええねん。早く中入って座り。もうすぐお客さん来るから。」
アコはカフェの裏に入った。朝一番にすることは、スマホを開いてあのメッセージに返信があったかどうかを確認することだった——しかし明らかに、返信はなかった。特に今日は週末だから——だから、また何もなかったのだろう。
相変わらずの客たち。ノートパソコンや新聞を持った人々。黒コーヒーが多い。ホット、アイス、それからモカも一杯。幸いにも彼女以外にもコーヒーシェフが一人いた。彼女はただ待っているだけだった。あのメッセージが届くかどうか、そしてあの人が来るかどうかを。
頭を下げてラテアートを作っていると、誰かがバーカウンターに座った。
「ご注文お願いします。」アコはそう言いながら、コーヒーをウェイターのリンナに渡し、そして顔を上げた。
「相変わらずやな、牧野さん。」
目の前のその人を見て、アコは笑った。
「来ると思ってたで、ヒデミ。やっぱりアフォガード?」
「もちろんやで。あともう一つ、プレーンのアイスもな。アコのアフォガードは最高やからな。」
「口うまいこと言うたら、待っとれや。」
そう言いながらも、アコの様子はずいぶん良くなっているようで、レジで数回クリックして注文を入れた。
アコはまずコーヒーマシンで熱々のエスプレッソを抽出した。茶色がかった黒いコーヒー液がカップに流れ込み、湯気を立てていた。その後、アコは後ろの冷蔵庫を開け、見た目もとても美味しそうなバニラアイスクリームを二つ取り出し、小さな器に入れた。熱々のエスプレッソをゆっくりとアイスクリームの上に注ぐと、アイスクリームは一瞬で溶け始め、香りが広がった。こんなことを何度もしてきたアコ自身も、とても誇らしげだった。
「ご注文のアフォガードとプレーンアイスです。どうぞ。」
アコはそう言っていたが、目はずっとヒデミから離れていなかった。知り合いだからこそ、ヒデミを見て自分が笑い出してしまうのを避けたかったのだ。
「腕前、相変わらずやな、アコちゃん。」
「早よ食べや。」アコの口角が上がる。「今日は授業ないんちゃうの?」
「授業ないから、お前に会いに来たんや。さっきからなんか元気ないみたいやけど、どないしたん?」
「なんでもないよ。ちょっと疲れただけ。」
「またごまかそうとしてるやろ。お前の毎日穿いてるパンツの色までうちは知ってんねんで。」
「このやろ……うん……」
「もうからかうのやめたるわ。お前、からかわれるといつもそうやって顔真っ赤になるよな。」
「うるさいわ……トイレ行ってくる。」
「わかった、待っとるわ。」
アコは裏に行き、ケーキを作っている店長に言った。「店長さん、ちょっと休みます。トイレ行ってきます。」
「はい。」
アコはトイレに駆け込み、鏡の前で自分の真っ赤になった頬を見つめながら、心の中に温かいものが広がっていくのを感じた。
彼女はスマホを取り出した。メッセージの通知が目に飛び込んできた。
「1分前 フォルティシモ・アリーナから:『ほんまですか!?めっちゃ嬉しいです!オレがキャプテンのスパークルです!場所教えてもらえますか!』」
アコはとても驚いて、信じられないように口を手で覆った。アコはタイピングを始めた。
「こんにちは、スパークルさん。うちは和歌山で働いとるんです。だから……この数日は大阪に行かれへんかもしれへん。」
アコは、相手がこの言葉を言った後に自分を嫌ってブロックするとしても、それでいいと思っていた。
しかし、ほぼ即座に返信が来た。しかも彼女が想像していたような断り方ではなかった。
「大丈夫ですよ!オレも学生なんで!午後は何時までですか?会ってお話ししたいです!!昨日はすぐに返事できんくてすみませんでした。」
カガミはバンドのことに関してはいつもはっきりしている。このチャンスをつかむために、普段最も軽蔑している敬語まで使っていた。
「ほんまですか?スパークルさんがうちのせいで自分の用事を遅らせたり、危ない目にあったりせぇへんか心配です。もし来られるなら、駅の近くの『Vlady』いうカフェに来てください。午後3時くらいになったら、お客さんもほとんどおらんくなるんで。」
すぐに返信が来た。
「わかりました!じゃあ午後にカフェでお待ちしてます!お名前は?」
「牧野アコです。よろしくお願いします……」
アコはまるで夢を見ているような気がした。本当に、バンドのために一時間の電車通勤をしてもいいと思う人がいるなんて?
アコはトイレから出て、カウンターに戻った。ヒデミはまだアイスを食べていた。
「おならしたんか?お腹大丈夫か?」
「うちは手洗っただけや。元々痛うなかったし!!むしろあんたこそ、冷たいもんばっかり食うて腹壊さんときや!」
「わかってるわ、お母さんかて。お前、ほんまにうちの母親みたいな性格やな。」
「あほ……」
「あ、そうや。昨日大阪行ったんやろ?どないやった?」
アコはこれを聞いてすぐに顔色が変わった。「あんま良うなかったわ。その話はやめとこ。」
「どないしたん?誰か見て気分悪くなったんか?」
「もうええって言うたやろ……そうや、昨日バンドに連絡してみたんや。」
「やっぱり探しに行ったんか。一人で大丈夫って言うたやろ?助けたるって言うたのに、いらんって断ったくせに。」
「あのバンド見てたら……やっぱり気分悪なってん。なんでうちやないんやろって思うて。」
「ほんまに頑固やなあ。で、うちはまだ必要なんか?」
「ヒデミのベース、めっちゃ上手いしな……あんたも行けると思うで。授業、大嫌いやろ?バンドで遊ぶのもええんちゃう?」
「ベースおるんか?」
「おるみたいやで……ポスターにもベースって書いてあったし。」
「それなら話ちゃうやん。ベースおるのに、なんでうちが行くねん。」
「でも……うちはあんたと一緒にいたいねん。」
「また今度話そな。まずは気持ち落ち着けや、ええな?」
「わかった……でも、午後はうちと一緒にいてな。」
「さっきまであほ言うてたのに、急に甘えてくるし。どないなっとんねん。」
「うるさいわ、早よ食べや。」
ヒデミは微笑んで、残りのアイスクリームを食べ終え、アコにウインクしてから店を出て行った。
午後3時。アコの休憩時間になった。アイスクリームを食べながら、あのスパークルが現れるかどうかを待っていた。
かつての期待が裏切られた経験が、アコに「無理やろな」と思わせていた。でも……もしかしたら、今回は違うかもしれへん?
アコはVladyの外の席に座り、ぼんやりと考えていた。
「もし次に来るのがヒデミやったら……」
うつらうつらしかけたその時、バーカウンターから話し声が聞こえてきた。
「すみません、牧野さんはどなたですか?」
「ドアの外の席で、うつ伏せになってるあの人ですよ。」
アコははっとして姿勢を正した。カウンターの前に立っているのは、昨夜メッセージをくれた女の子だった。その女の子はドアの外に走り出し、とても興奮していた。
「あんたがアコちゃんか!うちはスパークル!岩橋カガミや!よろしゅうな~」
「あ、あの……よろしくお願いします。」
「アコちゃん、キーボーディストなんか?」
「そうです。前にバンドにおったことあります。でも……あんまりうまくいかんくて、辞めました。」
「そうなんか……実はうちらのバンド、まだまだ実力あれへねん。でもな——絶対にアコさんにええ環境提供するから!FAに入ったら、みんな家族みたいなもんやで!」
「家族……」アコの表情が一瞬で曇った。「その言葉、使わんといてください。」
カガミは自分が言ってはいけないことを言ってしまったと気づき、口を手で覆った。
しかしアコはすぐに気持ちを切り替えた。「カガミさん、何か飲みます?うちがおごりますよ。」
「ああ……コーラある?」
「ありますよ。」アコはコーラを一杯買い、店長が用意していたクッキーも少しもらった。そして何か店長に話した後、それを持って戻った。
「ゆっくりしていってください。」
カガミはとても驚いて、急いでお礼を言った。
「ところで、カガミさんはなんで来てくれたんですか?学生さんなら、電車で一人で来るのは……ご家族も心配されるでしょう?」
「これな、実は電車ちゃうねん。お父ちゃんが車で送ってくれたんや。」カガミはVladyの外に停めてある塗装された車を指さした。
「そうなんですね……カガミさん、ほんまに幸せやなあ。あ、すみません。じゃあ、バンドの話、聞かせてもらえますか?」
「うんうん!うちらのFAは、メンバー全員高校生やねん。毎週3日間、心斎橋のMOCAっていうスタジオで練習しとるねん。みんな帰るのは8時か9時くらいかな。アコちゃんは普段、何時まで仕事なん?」
「うちは……朝からやってます。この時間にはもう仕事終わってるはずです。今日は週末なんで、ちょっと忙しいですけど。」
「それなら間に合うやん!毎週2回くらいは合わせられるんちゃう?アコちゃんが来てくれたら、絶対FAもっと良くなるって!」
「はあ……」
「どないしました?」
「なんでもないです。もし……もしあなた方がうちを入れてくれるなら……それが一番嬉しいです。」
「そらもう!めっちゃ嬉しいわ!バンドのみんなも喜ぶで!だから——」
カガミは一枚の紙を取り出した。ハナルに渡した時と同じものだった。
「フォルティシモ・アリーナに、ぜひ入ってください!!」
アコは招待状を受け取り、いつもは下がっている口角が上がった。
「それでは……お受けします。ライブとかは、金曜日と日曜日とかにしてもらえますか?」
「もちろんや!ようこそ!自分だけのコードネーム考えてな!」
「わ、うちですか?」
「そうや!うちらのみたいに!」
「じゃあ……『レジェンズ』にします。」
「レジェンズ……かっこええやん!ちょっと意外やけど。ところで、今日これからリハーサル一緒に来る?」
アコは、こんなに純粋な人に久しぶりに出会った気がした。
経験がアコに「信じるな」と教えていた。それでもアコはうなずいた。
「うちの……ベースやってる友達も、連れて行ってもええですか?」
「ベース!?おるんか!もちろんや!一緒に行こう!」
アコはスマホを取り出して、ヒデミにメッセージを送った。
『今から、バンドの人と会うねん。一緒に来てくれへん?』
返事はすぐに来た。
『どこや?』
『うちの店の前。』
『10分で行くわ。』
(From Dandy:
I got so caught up writing that I totally forgot to write a message. Hope you guys like it. Feel free to leave a huge like?)




