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第5話 踏み越える一線

帰り道。


異様な気配。


現れたのは、明らかに格上の魔物。


「……無理だろ、これ」


クレアが前に出る。


だが、押される。


「逃げろ!」


間に合わない。


その瞬間。


『ほら』


声が響く。


『守れないよ?』


クレアの悲鳴。


——思考が止まる。


手が伸びる。


触れる。


——繋がる。


冷たい。


深い。


「……支配する」


魔物がひれ伏す。


静寂。


「……ありがとう」


クレアの声。


笑顔。


その裏で。


『いいね』


声が笑う。


『やっぱり君、最高だよ』


「……黙れ」


だが。


分かっている。


俺は今。


一線を越えた。


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