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トレモロ 4  作者: 安之丞


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4巻 1章 5話



インフィニティを虎徹が運転し、みなで下界に向かった。


息子達を母親達の元へ送り届けた。

混合種族の女性が車に乗り、みなにお礼を言ってハニにクエスト完了のサインした。「これから修道士の谷に行きましょう。マップはここよ。投降した兵士達の避難所よ。それと、これが同意書。」紙を国軍兵士に渡した。


国軍兵士はよく読み、納得してサインした。ギルドのみなも同意書を見せてもらい見届けた。ローティ達は投降した兵士の支援活動をしていた。


下界の火山を2つ通り過ぎると、柱状の石が並び、合間に森もある場所に着いた。大きな木の下が憩いの広場になっており、様々な種族の子供達が走り回っている。石柱の間にテントを張って住んでいる者、石柱を使って木造の家を建てていたり、石積みの家も並ぶ。露天も数軒ある。


「連なったランプの大きな石柱の所よ。」混合種族の女性が指差した。

虎徹はゆっくり指さされた方へ車をつけると、先にリムジンが停まっていた。


車から降りると、ローティが現れ、同意書を握りしめた国軍兵士と握手した。


挿絵(By みてみん)


「修道士の谷にようこそ。案内するよ。」ローティはギルドにも声をかけた。「それと友人の息子達を救ってくれてありがとう。私達の活動はもう聞いたかな?誰にも言わないでくれよ。」


みなうなずいた。


ローティは村を案内した。200名程の元国軍兵士とその家族が住んでいる。通り過ぎる村人に、新しく入った国軍兵士を紹介し、挨拶を交わしながら歩いた。


石の噴水広場の木陰でミネラルたっぷりの湧き水を飲んだ。チョコとゴーストはあまりの美味しさにシッポをブンブン振った。


「恐怖から逃れて、肩の荷が降りたよ。」顔色が良くなった国軍兵士が言った。


「みんな似た様な境遇さ。見回ったら、どの辺りに住みたいか決めてくれ。周りのみんなも助けてくれる。貴方もみんなと協力して生きて行こう。」


国軍兵士は深くうなずいた。


「ここまで国軍は追って来ないんですか?」クラウンは聞いた。


「ああ。下界は管轄が違うからな。自然環境が厳しいから災害を嫌がって上中界のやつらは好んで移り住まない所なんだ。家を構えるにはコツがいる。」ローティは言った。


ヴァルも聞いた。

「噴火やマグマ、地面の隆起や裂けから家を守るコツってあるんですか?」


「ああ。火山を結んだライン上には家を建てない事だ。後でドワーフの棟梁がエネルギー計で測ってくれるが、マグマの通り道も避けて作る。もし国軍が来ても、ここの地形は石柱が要塞の様に守ってくれるから、訓練を受けた兵士なら簡単にはやられない。」


ローティは元国軍兵士が安心できる様に生活面の話もした。ローティ達は避難した者が生活に困らない様に、仕事を紹介したり、修道士の谷の露天にリトル大阪の食料品や日用品を卸している。


みな休憩してリフレッシュできた。


「この先、結構広い所だけど、まだ見てくかね?」ローティはギルドに言った。


クラウンは首を横に振った。「僕らはここで。もう一つのクエストに行かなくちゃ。」


挨拶をしてローティ達と石の噴水広場で別れた。


⭐️


インフィニティ車内。


クラウン達は車に乗って移動している。


「なんか今の所、大自然のパワーがあっていい所だったな。」スノーは足を伸ばした。


「うん。水が美味しかったよねー。あ!火竜が飛んでる。ログ!」クラウンは慌ててログを撮った。


「どこ?どこ〜?」ヴァルはキョロキョロした。


「火山の横!」クラウンが指差す方をみなも見た。優雅に火竜は飛んで行く。


「角が小さいから雌かな〜。」ヴァルはログを拡大して見た。


ブラストがクラウンを呼んだ。

「クラウン!あれ見てよ。ミニヤじゃね?」


「あっ、本当だー。」


「ブラスト殿、止めるか?」虎徹は聞いた。


「いや、ゆっくり行って。止めなくて大丈夫。」


クラウンとブラストは窓越しにミニヤを見た。


ミニヤは石の家の庭先で杭を打っている。庭に囲いを作っている様だ。シャツを腕まくりして一心不乱に木槌を振り下ろしている。


車はゆっくり通り過ぎた。


クラウンは目で追えなくなると「あそこに住んでたんだ。」と、呟いて座った。


⭐️


車は下界の荒野を走り、目的の村に到着した。


スノーとゴースト、ヴァルは車から降りて、村の木の門扉の前で警護をしている男2人に声をかけた。


「ハーイ、見回りに来ました。」ヴァルが笑顔で声をかけた。


「ああ?誰も頼んでねーんだよ。」男は不機嫌になり角材を持ち上げて肩にかけた。


「何か焼いてる臭いがするな。シシッ、何してる。」スノーが村の中を覗いた。数軒先の通路の真ん中で男達は座りこみ、柵の中でピギーバットを丸焼きにしている。


「焼き豚作ってるだけだ。用がねーなら帰れ。カーペッ!」もう1人の釘バットを持った男はスノーの足元に痰を吐いた。


「中で買い物させてよ〜。見て回るくらい良いでしょ?」ヴァルは優しく頼んだ。


「それは他所に行け。こっちくんな。」男達は村の中を見せない様に扉を閉めた。


スノーとヴァルは怪しんだ。車に戻り、みなと話した。


「釘バット持ってなかった?」クラウンは眉を下げて言った。

スノーはうなずぎ言った。「豚の丸焼きを柵の中で焼いてんだよ。フツーあんな所で焼くか?」

「ね。まだピギーバットが隅っこにいるんだよ。なんか雰囲気が変〜。」ヴァルは言った。「ピギーバットは飛んで逃げないの?」ブラストが聞くとヴァルは答えた。「翼が切り落とされてたから逃れないと思う。」

ハニはクエスト依頼を見直し言った。「ちょっと待って。この村はアジア系が多いってローティさん達から聞いていたけど、さっきの奴らどう見てもアジア系じゃないよね?」スノー、虎徹、ヴァルもバーで聞いていたので、うなずいた。


「じゃあ、チョコのイカロスを使ってみよう。」クラウンは車の中でイカロスを使った。村中にマーキングポイントが点いた。

「全員、討伐対象者か。」虎徹はつぶやき、刀を装備した。みなで話し合い、ワッペンをぶつけた。


スノー、ゴースト、ヴァルが車から降りて門に向かった。


「また来やがった!なんだお前ら〜。」角材を肩のせた男が声を荒げて言った。ヴァルはそいつに手をかざした。「スピリット!」「しつけえ〜とやっちま、、ああ〜。」白目をむいて男は角材を落とした。角材は横に倒れて、釘バットを持った男のつま先に落ちた。「いで!」片足で飛び上がった所に、スノーは素早く腕を回し数秒で締め落とした。スノーはスリープスタンプを押し、男2人を掴んで茂みに放り投げた。


スノーは扉を少し開け様子を見ると、みなに来い!の合図を送った。


村の通路に何人か座り込んでいる。クラウンはチョコとかがんで中に入り、家の壁の陰から狙いを定めた。「ロージー。」バン!


「うおわー!」「お前燃え移ってるぞ!」バン!「ぐおわー!」「ギャー!」「どこからだー!」バン!「ぐへぇ!」クラウンは連続で狙撃し、ならず者達4人は倒れた。


騒ぎを聞いたならず者達がさらに4人、テントから飛び出して来た。1人はテントの横の警鐘を鳴らした。カン、カン、カン、カン!


ブラストは走り込んだ。3人のならず者は片手斧を振り上げ向かって来る。「うおー!!」「ショックウェーブ!」ドン!


4人まとめて吹き飛び気絶し、警鐘も弾き飛んだ。ガコーン!


警鐘を聞いたならず者がもう3人、刀や釘バットを持って、坂道を駆け降りて来る。虎徹は坂道を猛スピードで走る。「兄貴ー!奇襲だー。」「兄貴ー!野党だー!」「おー!」駆け降りて来る3人が縦に並んだ瞬間。


「飛翔!」虎徹は地面を蹴って閃光の如く3人連続で斬った。

ザザザン!!

「ギャ!」「う!」「はっ。」


みな村の奥を目指し走った。木々の間を犬達が吠えながら駆け上がる。


開けた丘にでた。半壊した家の前で、焚き火をしてどっしり座っている火龍族が言った。「人の村にちょっかい出してタダで済むと思うなよ。」

横にはならず者が2人、武器を構えて立っている。


スノーは一歩前に出た。「シシッ。お前の村じゃねーよな?」


「兄貴は元ワールドゲームズの格闘技チャンピオンなんだぞ!」ならず者が自慢げに言った。


「へー。ベルトが泣いてんな。まだ正々堂々と戦えんのか?」


「挑戦者が現れた!お前ら手ぇ出すなよ。」火龍族の元チャンピオンは凄んで立ち上がった。


⭐️


続く。

絵:クサビ

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