表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
トレモロ 4  作者: 安之丞


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

3/9

4巻 1章 2話



「おい!やめろっ!シーッ!」スノーは大きな声で言いながら近づいた。


「うわっ!なんかデケーのキターー!!」3人のドワーフはスケボーに乗って逃げて行った。


「ど、どうも。」サリーはスノーを見て驚いた顔で言った。


挿絵(By みてみん)


「サリーか?」


ゴーストが近づき、サリーの匂いを嗅いだ。


「そーだけど。なんか用?」


「ギルドのスノーだ。ビョーンの友人のラファエルの紹介で来た。ローティさんはいつ頃戻るか知ってるか?」


「あっ、ああー!ラファエル元気?帰国できたって聞いたけど。」


「少しヤバかったけど、今は元気だ。」


「なら良かった。父さんは夜までには戻るけど、何時に帰ってくるかまでは知らない。また来てよ。」


クラウン達も近づいて挨拶した。


「ラファエルってギルドの友達多かったんだ。彼の写真好きでさー、お世辞じゃないよ。本当に。」


「YO!サリー、知り合い?」BMX、スケートボード、インラインスケートをそれぞれ持った若者3人がサリーに手を振って挨拶した。サリーの同級生だった。彼らはギルドを知らなかったので珍しがり、ギルドスーツを触ったり、パワーの話に興味深々。しばし雑談した。


「そうだ!ギルドならイケるんじゃない?」

「パワーでクリアできそーう!パワーも見てみたい!」

「ねえ、ワールドゲームズのコースに行ってみない?パス持ってるよ。」

「父さん帰ってくるまで遊ぼうよ!」


サリー達にのせられて、みなでお菓子を食べ話しながら15分ほど歩いた。サリーの同級生3人はワールドゲームズの候補生だった。


⭐️


ワールドゲームズのコースについた。街中の上をよく見るとコースがある。ビルの間を走る立体コースだ。



候補生の1人がパスを使ってコースに入る。


みなレンタルコーナーで何に乗るか選び始めた。スノーと虎徹はBMXを選び、ハニとヴァルはインラインスケート、クラウンとブラスト、犬達はスケートボードを選んだ。


まずは候補生がスケボーでキックして滑る、止まるなど簡単に見本を見せてくれた。スタートサークルに入るとモニターに映し出され、上級コースが現れた。スケボーに片足を乗せて、片足で地面をキックするとゲートが上がった。


緩やかな坂道を下り、ランプを往復して勢いをつけるとそのままジャンプして光るレールに乗る。候補生は次のレールにスケボーを逆向きにしてトリックを決めると音と光の特殊効果の演出と共に得点が加点された。

キックして登りを滑り、ジャンプしてグラフティーの看板に飛び込むと、看板が斜めに跳ね上がり、タイミングを合わせてハイジャンプしてビルの屋上のレールに飛び乗った。屋上から飛び出し、スケボーを回しながら斜めの看板に着地。クラウン達はその見事さに拍手した。しかし、次の看板には上手く乗れず、そのまま落下してネットにポヨーンと仰向けになった。


チョコがしっぽを振りながらスケボーに前足を乗せ、後ろ足でちょんちょんとキックしてスタートサークルに入った。


サリー達は手を叩いて喜んだ。初心者コースが現れ、ゲートが上がった。


チョコはボードに乗り、緩やかな坂道を滑り、ダンボールの壁をよけ右に曲がり、スピードが落ちるとキックしながら左に曲がった。そのままダンボールの壁をジャンプする事なく、下の隙間をすり抜けゴールした。


みなチョコの可愛さに笑って盛り上がった。


ゴーストが続く。最後の壁をスケボーから飛び上がりジャンプして地面に着地した。走ってスケボーに追いつき、再びキックしながらゴールした。


「あー!最後おしい!得点にならないけどナイスだよ!」ゴールで待っていた候補生がゴーストとチョコをなでた。


「マジかよ。ワンズうまくね?っしゃー!次、オレ行くね。」ブラストがスタートする。キックしてゆっくり大曲りしたが、次の壁のギリギリまで近づき過ぎてバランスを崩して転倒。立ち上がって最後はしゃがんですり抜けゴールした。


犬達はぴょんぴょん飛び跳ねた。


「うわーこわー。僕できる気がしないよ。」クラウンは恐る恐るキックしてスタートサークルに入る。


クラウンはスピードが思ったより出て、最初のカーブをお尻を突き出して壁のギリギリを曲り、次の壁はお尻を突き出しても曲がれず、ダンボールの壁に突っ込んだ。バラバラー!みな応援した。クラウンは立ち上がり、最後はしゃがんですり抜けゴールした。ブラストはクラウンの肩に手を回した。


最後のサリーがスタートサークルに立つと中級コースが現れた。ビルの横にレールが現れ、サリーは勢い良くスタートした。下りから登りへと滑り、太いレールへ飛び乗るとレールごと上昇しジャンプで次のレールに飛び乗った。サリーはボードを斜めにして細いレールを下るとグラフティー看板を2連続で跳ね上がり、音と光で加点された。着地したビルの屋上からカーブレールに滑り降りる途中でバランスを崩し、ネットに落ちた。


ネットの下を車がビュンビュン走っている。


「あー!今日は行けると思ったのにー。」サリーは立ち上がって悔しそうにスケボーを持って降りて来た。


BMXの候補生がスタートサークルに入る。中級コースが現れ、全力で走る。スピードを上げるタイミングと車体をぶん回すのがとても上手かった。あっという間にジャンプ台からリングをくぐるのを3連続決めてゴールした。みな拍手した。


「初心者コースは同時に行けるよ!」と教えてもらい、スノーと虎徹は同時にスタートした。3つの山を華麗なジャンプで飛び越え、最後のジャンプ台でスノーは横に1回転、虎徹は縦に1回転して音と光の加点を決めてゴールした。みな歓声を送った。


次のコース、次のコースとスノー、虎徹は初心者コースを制覇した。


「中級は練習しないとケガしそうだな。シシッ。虎徹、パワー使ったらリングを一気にくぐれんじゃね?」


「中級でパワーを試してみよう。参る。」虎徹が言うと、モニターを見ていたみなは盛り上がった。


中級コースに挑む虎徹。3連続のジャンプ台から飛び出した瞬間。「飛翔!」BMXごと真っ直ぐ飛び出し、リングを3つ突き抜けた。「おおー!」「アニキー!」「フォー!!」サリー達は声を上げた。



虎徹はゴールめがけて飛び込む。目の前に転落防止ネットカゴが現れ、虎徹を掬い取った。ネットカゴはゆっくりスタート地点に戻って行く。モニターには「ノーカウント」と表示された。


「すげーパワー。」「なんだー、こうなるんだ。」「初めてみた。」サリー達は残念がった。


虎徹はBMXと共にカゴから下りた。


「じゃあ次、行くぜ!」インラインの候補生がスタートサークルに立った。中級コースが現れた。スケボーのコースによく似ているが所々にハーフパイプから樽型の大砲に繋がったギミックが現れた。


ゲートが上がると駆け出し、坂道を急降下しランプから大ジャンプで飛び出した。ビルのフェンスの光るカーブレールに飛び乗り滑ると、またランプに飛び降りて勢いをつけた。リフトするレールの上で後ろ向きに滑ると音と光の加点がついた。ハーフパイプをしゃがみながら滑り樽型の大砲に入った。大砲の向きが変わる。「ドカーン!」大砲から勢いよく飛び出した。ビルの屋上まで飛び出し看板にキックしてくるっと回り、着地した。みな拍手した。屋上のフェンスのレールを飛び越え、看板の淵の上をスライドした。スロープに飛び移り、姿勢を低くして一気にくだり、そのまま階段を滑り降りてゴールした。


みな盛り上がった。


ヴァルはしなやかに体を左右に伸ばし、スタートサークルに立った。


初心者コースが現れた。ヴァルは足踏みしてゆっくり滑り出した。真っ直ぐにしか進めず、コースアウトしかけると候補生が声をかけた。「手を前に伸ばして進みたい方向に向けて!」ヴァルは両手を伸ばし頭も左に向けると、ゆっくり曲がり始めた。「面白〜い。」ヴァルは左回りでコースを回ると、しゃがんでランプに降りた。勢いが足らず前に進んでは後に戻され3往復した所でタイムアウトになった。


「足がガクガクだよ〜。」ヴァルはネットカゴに掬われスタート地点に戻った。


ハニがヴァルとグータッチしてスタートサークルに入った。ハニは左右に足を伸ばしながら滑り、姿勢を低くしてランプに降り、斜めに滑り上がると両手を開き足を揃えてジャンプした。「フォー!」「上のスロープまで行け行け!」候補生達が声をかけた。ハニはスロープを左右に足を伸ばしながら滑り、両サイドにある斜めの小さい段差に小さくジャンプで乗っては下って、上手くスピードを上げた。手すりレールの下をくぐり、ハーフパイプにしゃがんで進み樽型の大砲に入った。「ドカーン!」ハニが片足を曲げて飛び出し、着地した。「一番上の大砲もあるぞー!」「いいぞ!」みなが盛り上げた。ハニはスロープをまた登りはじめたが、少し疲れたのでパワーを使った。「タクシス!」黄緑色に体が包まれ、一番高いハーフパイプまで飛び、樽型の大砲に滑り込んだ。「おおー!」大砲はくるくる回り、スタートサークルに向かって発射した。「ドカーン!」ハニはスタート地点に飛ばされて、ネットカゴに掬われ戻された。「あー!」みな残念がった。


みなベンチに集まってハイタッチした。ドリンクを飲みながら、他の人のチャレンジを見て休憩した。


挿絵(By みてみん)


サリーにコール。

「坊っちゃん、オーナーがもうすぐお帰りになりますよ。ギルドの方に会いました?」


「あ、うん。今一緒に遊んでる。これから帰るよ。」


サリーはディスプレイを閉じると、立ち上がってスケボーを脇に挟み、ギルドのみなに言った。「行こっか。」


「じゃーねー。」「バイバーイ。」「またやろーなー。」候補生達と握手して別れた。


⭐️


リトル大阪の前に黒の長いリムジンが止まっている。


ボルサリーノを被り、ロングジャケット、全身黒のコーディネートのエルフとドワーフのハーフの小柄な男が車から降りてきた。


「父さん!おかえり!」サリーが走り寄った。サリーが父親に話しかけ、手招きした。「中に入って!」クラウン達は会釈してお店の奥について行った。


店の奥にリビングがあり、みな挨拶した。


「ラファエルの紹介状をみせてくれないか?」ローティは渋い声で言った。


スノーがディスプレイで表示した。


ー保釈金、送金したよ。クエストが通る前に信用してくれてありがとう。嬉しかった。ビョーンの事、改めて頼むね。あの監獄はろくな食事が出ないんだ。ビョーンが投獄される前に発信した記事のおかげで民主勢力が増えている。リトル大阪という店のローティさんが協力してくれると思う。頼ってみてくれー


ー情勢は1年前にクーデターが起きて、前将軍が殺された。娘のグアダルーペが囚われ、監獄にいる。国軍は彼女の影響を恐れて、支持者の多い町の人を殺したり、従わない町への略奪行為をしている。民主化を求めて民間人は国軍と戦っているー


ーローティさんへ。一緒に戦い続けたかった。ギルドと協力してビョーンを助けて欲しい。世界に知らせる事でスタディオンシティを助けられると思う。ワールドゲームズの聖地のひとつを血塗られた町にしたくない。変革を心から欲している。ラファエルー


ローティは読み終わると、ディスプレイを閉じた。「悪いがビョーンを助ける事はできない。こっちはこっちの計画があるんでね。ギルドだけでやってくれ。、、あと、その格好でうちの店の周りをうろうろされると国軍に睨まれて困るから気をつけてくれよ。」


クラウン達はしかたないと納得し、小さく返事してうなずいた。


ハニが話しかけた。「ローティさん、すごくオシャレですね。どこのお店のお洋服ですか?」


「あ、これ?僕の友人の店だよ。興味あるなら車で連れてってあげるよ。ただし安くないよ?」ローティはディスプレイで服屋のホームページを出した。


ハニはスクロールして指を止め、セットアップの服を気に入った。「わあ、これ欲しい。」


クラウンは横から値段を見て頼んだ。「大丈夫です。連れてって下さい。」


ギルドのみなも熱心に服を見ている。


「カッケー。」ブラストも気に入った。

「ここ熱いからタンクトップでも買お。」スノーもお目当てを見つけた。


「あーずるい!父さん、僕も連れてってよ!」


「はぁ。しょうがないな。スケボーでトリック決めるんだぞ。」


「うん、やるよ!」


ローティはコールした。

「息子の友人達と今から行っていい?、、、うん、そう。また息子にねだられそうだよ。」ローティは服屋と話している。


「カッコイイお父さんだね。」クラウンはサリーに言った。


サリーは嬉しそうにうなずいた。


みなリムジンに乗せてもらい、服屋「RAV4」に向かった。


⭐️


続く。

絵:クサビ

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ