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この作品には 〔ガールズラブ要素〕が含まれています。

先輩と、後輩の、日常

先輩は我慢している

作者: moco
掲載日:2026/01/28

「ねぇ、()()()いるの??」「まだ結婚しないの??」「きっと理想が高くて良い人いないんだよ。」「まだ良い人を紹介してくれないの?」「早く結婚して親御さんに子どもの顔見せてあげなさい。」

『ねぇ、その年にもなってまだ結婚しないなんて、どうして??』『親御さんも早く孫の顔がみたいはずだよ。』



本当に、わかっていない。なぜ1人で働いてたら、こうも結婚を勧めるのか。まるで一つのネタのように、自然な会話として口をつくのか。ましてや、異性と付き合っていないだけで、【良い人】がいないのかとか、どうしてそう、言い切るのか。あぁ、それだけなら我慢はできても、私に『子ども』がいないことを悪のように、断罪して親のためと、言ってくるから、貴方たちは何様だとさえ思ってしまう。私の人生は、私のもので、貴女たちの物語などではないのに。。。それは性別の違いなんてなくて。女も男も、行き着くセリフは()()()()で。【良い人】を聞くことが生き甲斐のようで。

私は誰かを好きになんて、ならないのに。誰も彼も、私が何を、誰が、好きなのかなんて本当には知らないくせに、解ったように言ってくる。

そのくせ、「最近は彼女とか、彼氏とか言わないんですよ、パートナーって言うんです。」ってまるで、さも当たり前のフリをして、こちらの気も知らないで(うそぶ)く人。彼ら、彼女らは、わかったフリをしているだけで、本当の意味で、解ろうとなんて、していない。「相手は他人だもの、人の気持ちなんて、言わなきゃわからない」なんて言うけど、言ったところでこの想いが理解をされないなら、言うことすら、とてもじゃないけど必要なんて、ない、と思う。すると口を噤むしかなくて、言いたい放題、同じことを延々と繰り返してくるんだもの。どうしようもないから、やり過ごすことを覚えてしまうの。

そんな環境(ところ)だから、私は諦めて、いつものように何となく、愛想笑いと一緒に適当な相槌を打つようになった。

あぁ、私は死ぬまで、こんなことを我慢し続けて生きていくのか、なんて考えて。だけど、生きるためには、そんな場所でも居場所を作って我慢する必要があって。。。耐えるしかなくて。


そんな、一生をずっと、送っていくのだろうと思っていた。

そんな時、あの子が、「人それぞれなので、私は特に言えないです。自分のことは、自分で決めるから。良い人も生き方も、まだまだ私はこれからなので。」なんて、茶目っ気を添えて返すあの子の堂々とした『若さ』が眩しくて。あぁ、本当に、「最近」の考え方を持っているのか、って嬉しくなった。だけど、それだけだった。私は誰かを愛しいなんて、思うこともなかったのに…

いつの間にか心を軽くしてくれたあの子の生き様が、優しいその笑顔が、強かで誇らしいその姿が、私に安らぎと強さをくれて、いつかの瞬間(とき)から、とても愛しい気持ちになっていることに気づいて。もっと、もっと、たくさん語らいたいと、もっともっと、目に焼きつけたいと、その全てが眩しいと思うようになっていることに気づいて……

あぁ、どうしよう、あの人たちのこと、何も言えなくなってしまった、って思って。。。

あの子は、誰か【良い人】はいるのか、誰が好きなのか、誰と過ごすのか、 ()()は、ずっと、ずっと、生涯を生きる人なのか、、、

その役目は、私ではダメなのか、私が思っていてはダメなのか、こんな私は、あの子の生き方からは嫌われてしまっていないか、なんて、グルグルと考えるようになってしまった。

どうしても、あの子を全身全霊をかけて、慈しみたいと、愛しいと、伝えたいと思うようになってしまった。だけどそれは、許されていない。だって、あの子は「自分で決める」から。私を選ぶなんてことはないと、解ってしまっているから。

あぁせめて、それならば私はあの子をただ守ろうと、無意識のセリフから守りたいと思って。あの子の盾になりたいと思ったの。

だけどやっぱりあの子は、自分で超えていくから。私のことなんて目もくれず先に行くのだろうと思う。だから私は、ただ、ただ、あの子を見ているしかなくて、全てを耐えて、我慢して、我慢して、、、優しい先輩のフリをし続けるしかなくて。。。


本当に、貴女の全てを手に入れたいなんて、考えることを我慢して。。。。あぁ、本当に愛おしいと思うことを我慢して…

この先も先輩として、あの子を想うことを我慢するしかない。




先輩、気づいたかなって、、、私が大切な人は、貴女なんですって、言いたい言葉を飲み込んで。いつも先輩と話す時には色々アプローチして、「愛しい」って想いが貴女に伝わればいいって、ちょっとワザとやってみたり。それでもこの思いが先輩に知られることは、きっと困らせちゃう。だけどいつか気づいて欲しいって、ちょっと期待して。

それでもこの気持ちは、同性の私たちには世間一般的ではなくて、だから皆んなが話す会話に水を差して、「人それぞれなので。自分のことは、自分で決めるから。良い人も生き方も。」なんて、カッコつけちゃった。だけどこれから先輩だって、きっと自分で決めていってしまって、良い人が出来たら私のことを忘れてしまうかもしれないなんて、後でちょっと気持ちが沈んでしょんぼりしたりして。あぁ、この気持ち、いつまで我慢しなきゃダメなんだろうか。。。


これからも、我慢はしていくんだろうか?後輩であるために、、、

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