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残された依頼

 翌日、一郎が山から戻らないことを不審に思った若山は、捜索隊を組織して山へと入った。


 だが、彼らが発見したのは、一郎の血痕だけだった。テントも、銃も、すべてがそのまま残されていた。


 まるで、一郎だけが、この世界から消え去ったかのように。


 若山は、この事件の異常性を確信した。ヒグマではない。もっと恐ろしい、得体の知れない何かが、この山には潜んでいる。


 しかし、彼の報告は、上層部によって握りつぶされた。


「ヒグマの仕業ということにしておけ」


 それが、上層部の判断だった。事態が公になれば、観光地としての風評被害は避けられない。それは、この地域の経済にとって、致命的な打撃となる。


 若山は失意のうちに、しかし、命令に従うしかなかった。


 そして、風間ヶ岳のヒグマ退治の依頼は、今でも地元の役場に貼り出されている。

新たな犠牲者を求めて。


 山は今日も、静かに、そして不気味に、その牙を研いでいる。


 そして、その山に足を踏み入れた者たちは、二度と帰ることはない。


 それが、この山の、新たな伝説となっていた。

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