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頭の中の胡桃を取り出してバターを作ります。まずは材料です。狂気1g。暇な時間10㎏。  作者: 絢郷水沙


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切断マジック

 昔さ、テレビで胴体切断マジックってのがやってたのよ。知ってる? テーブルの上に人が寝れるほどの大きな箱があってさ。その箱に美女が入って、マジシャンが後から蓋を閉めて、そんで外から巨大な刃で箱を真っ二つにして、ご丁寧にも切断面なんか見せてくれちゃったりするあのマジックなんだけどさ。アレを見てたとき、隣で親父がぐーすか寝てて、近くに大きな段ボールもあったからさ、見様見真似でやったのよ。そしたらなんかできちゃったんだよね。


 でもさ、逆に困るよね。原理なんか何も分かってないってのに。でさ、何でできたんだろう、とか考えていると、いつのまにか母ちゃんが背後に立ってて、「あんた何してんのっ!」って、怒鳴るもんだから、つい俺は別に後ろめたいとも何とも思ってなかったのに、親父の上半身が入った箱を背中に隠したんだよね。そしたら「あんたもしかして、捨て猫でも拾ってきたんでしょ! うちじゃ飼えないんだからさっさと捨ててきなさい!」って、俺が説明する暇も与えないまま、俺に箱を持って出ていけって言って、それはもう目力が半端なくてさ。こうなるとうちの母ちゃんには何を言っても無駄だから、仕方なく俺は親父の上半身を持って、ぶらぶらと外を歩いたんだよな。しばらくすると親父が目を覚まして、俺は事情を説明したのよ。当然親父は「早く元に戻せ」って言うんだけど、結局俺は母ちゃんに怒られるのが怖かったから、その親父が入った箱を川に浮かべて流したんだよな。親父はなすすべなく流されていって、「ふざけんじゃねー!」とか最後まで言ってたけど、まあ、いつも酔っ払ってて電車とか乗り過ごして終点まで行っちゃう人間だし、今回は川だけど大丈夫だろってことで、俺は手ぶらで帰ったんだよな。


 それから結局親父は帰ってこなかった。けど、全然寂しくなんかなかった。なぜなら今も親父の下半身は家にいて、家族団欒の時間を過ごせているからね! ──ちなみに、その二年後に俺に妹ができた。

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