花束もらえて、よかったね(^ω^)
褒められたい。注目を浴びたい。なんか賞とかもらって、そんででっかい花束とかもらいたい。
「誰かー! わたしを褒めて―! そんでー! わたしにぃー! 賞とかー! でっかい花束をちょうだいー! お願いー! だれかぁー!」
人や車が行き交う道の真ん中で、わたしは叫び続けた。
「誰かぁー! わたしにー!」
しかし、誰もわたしのことなんか見向きもしない。そう思っていたら、
「おいテメェ!」
「あ、やっとわたしのこと気づいてくれる人が!」
「邪魔なんだよテメエはよ! どっか行けよ!」
「え……」
「ほら邪魔だよ、どっか行けって!」
運命の人が現れたと思ったのに、褒められるどころか、罵倒されてしまった。
「邪魔だつってんだろ。轢き殺すぞ!」
「わたしを……褒めて! 褒めてほしいだけなの……!!!」
「誰が褒めるかよ! 邪魔だからさっさとどけって、畜生がッ!」
「ううぅ……」
そんな「ショウ」など、いらなかった。わたしはただ、褒められたかった。注目を浴びたかった。壇上ででっかい花束をもらうのが羨ましくて、それが昔から夢だった。ただそれだけ。それだけなのに……。
お願い。誰か……。
「チッ。あ、もういいや」
ブウゥン……
“ドンッ……!”
「キャー! 誰かぁー! 人が轢かれたわー!」
「大変だ! 救急車呼ばないと」
「大丈夫ですか!? 大丈夫ですか!?」
「誰か、早く救急車呼んで!」
「おいおい、大丈夫かよ……」
「早く、救急車を……!!」
(う……うぅ……。)
薄れゆく意識の中で、わたしはなぜだか嬉しかった。みんながわたしに注目している。注目を浴びるってこんなに気持ちがいいんだ。はははは。
ああ、これでやっとわたしは……。
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それから数日が経過した。今ではもう、以前と何ら変わりない。町はなにごともなく廻っている。
ただ一つだけ、道の端っこに小さな献花台が設けられた。それは、ニュースで事故のことを知った、本当の事情を何も知らない人たちが、憐れで可哀そうな一人の女性の死を悲しみ、花を手向けるために作ったものだった。




