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頭の中の胡桃を取り出してバターを作ります。まずは材料です。狂気1g。暇な時間10㎏。  作者: 絢郷水沙


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花束もらえて、よかったね(^ω^)

 褒められたい。注目を浴びたい。なんか賞とかもらって、そんででっかい花束とかもらいたい。


「誰かー! わたしを褒めて―! そんでー! わたしにぃー! 賞とかー! でっかい花束をちょうだいー! お願いー! だれかぁー!」


 人や車が行き交う道の真ん中で、わたしは叫び続けた。


「誰かぁー! わたしにー!」


 しかし、誰もわたしのことなんか見向きもしない。そう思っていたら、


「おいテメェ!」

「あ、やっとわたしのこと気づいてくれる人が!」

「邪魔なんだよテメエはよ! どっか行けよ!」

「え……」

「ほら邪魔だよ、どっか行けって!」


 運命の人が現れたと思ったのに、褒められるどころか、罵倒されてしまった。


「邪魔だつってんだろ。轢き殺すぞ!」

「わたしを……褒めて! 褒めてほしいだけなの……!!!」

「誰が褒めるかよ! 邪魔だからさっさとどけって、()()がッ!」

「ううぅ……」


 そんな「ショウ」など、いらなかった。わたしはただ、褒められたかった。注目を浴びたかった。壇上ででっかい花束をもらうのが羨ましくて、それが昔から夢だった。ただそれだけ。それだけなのに……。

 お願い。誰か……。


「チッ。あ、もういいや」


 ブウゥン……






 “ドンッ……!”


「キャー! 誰かぁー! 人が轢かれたわー!」

「大変だ! 救急車呼ばないと」

「大丈夫ですか!? 大丈夫ですか!?」

「誰か、早く救急車呼んで!」

「おいおい、大丈夫かよ……」

「早く、救急車を……!!」


(う……うぅ……。)


 薄れゆく意識の中で、わたしはなぜだか嬉しかった。みんながわたしに注目している。注目を浴びるってこんなに気持ちがいいんだ。はははは。

 ああ、これでやっとわたしは……。

 …………………………………………。

 ………………………………。

 ……………………。

 …………。



 ◆



 それから数日が経過した。今ではもう、以前と何ら変わりない。町はなにごともなく廻っている。

 ただ一つだけ、道の端っこに小さな献花台が設けられた。それは、ニュースで事故のことを知った、本当の事情を何も知らない人たちが、憐れで可哀そうな一人の女性の死を悲しみ、()()()()()()()()()()()()()()()()()

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