第8話 白仲家 ep1
白仲家へいざ出陣!
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ちなみに、学祭の今の段階ではまだ白仲の下田が出会って1ヶ月程度です。
プロローグと第1話だけは現在。第2話以降はしばらく2人が出会ってから現在に至るまでの描写となります。
完璧な衣装を作るには、衣装を着るモデルのサイズを測る必要がある。涼自身、タイミングを見失い、打ち合わせで言い出せなかった。
「衣装作るんだってね!なら、サイズ測んないとね!」
白仲が陽香さんに衣装作成の話をしたのだろう。
陽香さんからLIMEがとんできた。
「そうですね、まぁ陽香さんも把握してくれているなら、協力してくれませんか。サイズを知りたいので。」
「ならうちに来たらー?来るよねー?来い!」
「いやぁ、別にLIMEでサイズ教えていただければ...」
「私でもガチの衣装は、仕立てる側の人間が直接測る方がいいのは知ってますー。」
まぁ図星だ。測り方、測る場所、衣装の生地感を考えながらの体のラインなど、仕立てる側がきちんと見た方が、より着心地や体のラインを意識した衣装が作れる。
「...白仲が良ければ伺いますよ。」
「はい、決まり!!日曜で!」
下田は急な展開に困惑しつつも、少し安堵していた。というのも、白仲の各サイズを測るというフェーズは下田にとってなかなかの鬼門だった。
今回はある意味陽香さんに救われる形となったのだ。
ひぇぇ、来ちゃった...
下田は陽香さんが送ってくれた位置情報を頼りに白仲家にたどり着いた。
割と近かったな...流石に緊張するな。よく考えたら白仲とプライベートで会うのは始めてだ。
あれこれ考えながら、俺は白仲家のインターホンを押す。
ピンポn...ガチャッッッ
「はい、いらっしゃい、どうぞぉ!」
いや、はっっっっや。
光の速さで玄関に顔を出した陽香さん、の後ろに、呆れた表情でこちらの様子を眺める白仲。
「お邪魔します。」
「ど、どうぞ、なんか緊張するわね」
白仲と陽香さんはどちらも部屋着だった。陽香さんのジャージ姿は置いといて、白仲の上下藍色のモコモコの部屋着は不覚にもドキッとした。
俺の指導が云々は別にしたとしても、白仲は本当に最近可愛くなっている。特になんか纏ってる雰囲気が出会った時と違う。なんか心境の変化でもあったのだろうか。
もしかして、劇の練習とかで時間を共にした八島に恋をして、技術とは関係ない意識外の部分で、女性として魅力度が上がっているのか。
「じゃあ際どい部分は流石にお姉さんが君の指示通り測るからそれ以外の部位は自分で測ってね。」
「分かりました。」
もういっそのこと、あなたが全部やってくれと思ったが、来た意味がなくなるので、きちんと仕事をこなす。
俺自身が測るのは肩幅とウエストだ。
ウエスト...細いな。平均よりも細い。素材からしてサイズ感は想定していたもので問題ないだろう。
「...まだ??」
「終わった。ごめん、少し長くなったな。」
「い、いや、少し恥ずかしかっただけだから。」
今回、体のラインを見て改めて思ったが、白仲は見た目に時間を使って努力をしていた時期に本当に頑張ったのだろう。モデル並のスタイルだ。
「ぁぁ初々しいねぇ、なんか。私のも測る?」
「今必要ないし、資料持ってるんで、測りません。」
「つれないねぇ」
陽香さんを軽くいなしたところで、早速帰り仕度を進める。必要なデータはとれた。
「では、そろそろ失礼しますね。」
「えー、せっかくだから、遊ぼうよー。」
「いえ。そろそろ夕飯時ですので、」
「もう、下田君を困らせない!」
ナイス白仲、でもなんか姉妹逆転してないかとか思いながら玄関へ。
「お邪魔しました。今日はありがとな、白仲。」
「うん。こちらこそありがとう!」
ガチャ。
おれが退場しようとドアに手をかけらより前に、ドアが動いた。
「あらー。お客さん? わ、男の子じゃない珍しい!柚香のボーイフレンドかな!?」
「...誰なんだこの子は、説明しなさい。」
あ...(察し)
白仲家の両親との突然の遭遇で困惑する下田!!元気を出して!お願い負けないで!あんたが死んだら今後、誰が白仲を助けるのよ!
次回、「下田涼 死す。」 デュエルスタンバイ!