婚約者と謁見の間(後)
短いです
「ユインスキーの息子以外にあの小瓶を触れらる者がおらぬのでな。蓋を開けるのも危険らしくてな、何も出来ぬのじゃ。」
私は妙に納得してしまった。さすが攻略対象者だと。
ただの情報通の攻略対象者にこんなオプションがつけられていたとは。
キャスター攻略ルートの出来事だろうか?
そもそもキャスターに攻略の出来事など必要なさそうたが、ゲーム状では必要なのか?
「で、詫びに心当たりがあるか?」
「私の私室に盗みに入ったことでしょうか?」
それ以外の詫びられることが思いつかない
「何か盗まれたのか?」
「いえ、シャルを、ティアシャルドネを部屋から連れ去ろうとしていたようです。」
彼女を動かせないように幾つもの魔道具を動かしてある。それがいつも二・三個解除されていた。
部屋全体にも結界の魔道具を張っていたのに、それは破られもせずに入られていた。
ひそひそと話す声が聞こえる。
「氷の棺を運び出そうとしていたと?」
違う。あれは棺ではない。それに彼女はモノでもない。
「かの国は、美しい屍を集めていたな。」
それも違う、彼女はまだ生きている。眠っているだけだ。
「レオンクラウド、分かっておる。そなたがティアシャルドネ嬢を助けようと手を尽くしておるのは。間者は、ティアシャルドネ嬢を狙っておったのだな。」
陛下まで顔を引き摺らせる必要はないのに。
失礼なことを言った者たちは、もう覚えていた。
「そのようです。部屋の結界は破られていませんでしたので、部屋に入室できる者に化けていたのでしょう。」
ソーリマの部屋に入ったとき近衛兵に化けていたように。
警戒していた影たちが気付けないとは相当の手練だ。
「色々見直さなければならぬな。」
陛下の言葉に頷く。
「詫びと言われましても私もそんな恐ろしい物をどうしてよいのか。」
このままだとずっとキャスターに預けることになるだろう。
すごく嫌がりそうだ。
「ユインスキーが、先代花守りを迎えに行っておる。本物の花守りであればどうにか出来るであろう。」
今は、それに期待するしかない。
それに続編の出来事だとしたら、ヒロインはともかく他の攻略対象者たちも王宮に集まってくるかもしれない。
それはそれでまた何か出来事が発生しそうな感じがする。
彼女が巻き込まれないように警備をしっかりしなければ。
それとも彼女を助けるために起こった出来事なのか?
「レオンクラウドよ、千年樹の蜜とユインスキーの息子のことはそなたに任せる。」
ざわざわと部屋の中が騒がしくなる。
「そなたへの詫びの品だ。そなたが扱うのが道理であろう。」
これは、押し付けられた?
確かに私への詫びの品とはいえ、そんな恐ろしいモノを私一人に任すとは。
何かあったら、私の責任だけで済むからか?
それとも神帝の予見で王が約束されている私なら大丈夫だと?
陛下の思惑が分からない。
だが、私はこう答えるしかなかった。
「はっ、尽力いたします。」
満足そうに陛下が頷いた。
おぶらーと、とはどういうものなのかい?
はっきりモノを言うのではなく、遠回しにモノを言う?
そうではなくて、薬を飲むときにつかうオブラートだよ。
あれは、何で出来ているのだい?
デンプン?
それは、何?
じゃがいも?
芋、よく食事に出てくる芋だよね?
かたくりこ?
それは、何?
えっ、作ってみてくれる?
ありがとう。
誤字報告、ありがとうございますm(__)m




