婚約者と立太式(前)
短いです
一部書き直しました。
この話の前に『婚約者と氷の棺』を割り込みしました。
悪夢の始まり→氷の棺→立太式(前) の順番になります。
今日は、私の立太式だ。
彼女との結婚する日でもある。
「おはよう、シャル。」
私は、彼女に挨拶をする。
もちろん、彼女からの返事はない。
冷たい氷の中にいる彼女は、返事をすることはできない。
彼女は、私の私室に運び込まれた。
アンタイルたちは、詳しいことを何も聞かない。
それが有り難くて、それが辛かった。
「まるで″白雪姫″だね。」
カンサエルが妹である彼女を見て言った。
しらゆきひめ?
ああ、昔、彼女が話してくれた昔話だ。
確か毒りんごを食べて死んでしまった美しい優しい姫君。
七人の小人が寂しくないように白雪姫を硝子の棺に入れたのだったね。
白雪姫は触れることが出来るけど、氷に阻まれて彼女に触れることができない。
白雪姫は、王子様の接吻で目を覚ますのだった。
彼女と唇を重ねたら、起きてくれるだろうか?
「毒がうつる。ティアが嫌がるから止めろ。」
アンタイルは、本当に私の心が読めるのだろうか?
「それに本当の話は、棺を運ぶ従者が躓いた振動で、喉を塞いでいたりんごの欠片が飛び出して生き返るんだったよ。」
カンサエル、本当の話なんてどうでもいい。
彼女が元気になってくれたら、それだけで。
私に毒を移して彼女が助かるなら、喜んでそうしただろう。
緊急に議員が集められ議会が開かれた。卒業記念パーティーで起こったことが話し合われた。
私の暗殺未遂ということで至急調査されることになった。
確かに私が素手で何かを食したら、私も毒に侵されていた。
マリークライスの犯行と特定せず、調査することになった。
そこまで、私の婚約者にマリークライスをしようとするのは、ゲームの強制力か?まだ影響があるのか?
だが、マリークライスとの婚約は保留となった。
ラーシナカ伯爵の証言により、マリークライスの疑惑は深まったためだ。
「ティッオ殿下からお聞きしたのです。マリークライス様が、レオンクラウド殿下から指輪を嵌めていないと。レオンクラウド殿下と踊った時は肘までの長い手袋だったのにすぐに手首までの短い手袋に替えられたことに。だから、エドヴォルド殿にティアシャルドネ嬢を守るように命じました。」
指輪を出来ない理由、手袋を交換しなければいけない理由から推測した。キャスター・ユインスキーのように。
「それにレオンクラウド殿下のハンカチを使わない理由を毒とはっきり言っておりました。」
毒の存在を知っていた、それがマリークライスが婚約者に立てない最大の理由となった。
議会は、神殿側にマリークライスを調べることを申請することと毒の入手経路を探ることで終了した。
私は、立太式用の衣装に着替えを始めた。
彼女が頬を染めて見ていた衣装だ。
「シャル、似合うかい?」
重たいだけのマントもつける。
彼女も白いウェディングドレスに着替えているはずだった。
「行ってくるよ、大人しく待っていてほしい。」
戻ったら、二人で結婚式をしよう。
行ってらっしゃいと聞こえた気がした。
こーるどすりーぷ?
冷凍保存?冷凍睡眠?低温保存?
つまり、白雪姫状態???
死んでいるような状態なのに生きている状態?
エドヴォルドの魔法と同じということかい?
氷漬けにされても生きている。
異世界ではまだ研究段階。
不治の病の人が医学が発達するまで眠る。
それは、活気的な考えだね。
起きたとき、知らない人ばかりなのは寂しい?
うーん、病を治して生きて欲しいという気持ちも分かるから。
誤字報告、ありがとうございますm(__)m




