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婚約者と卒業記念パーティー(前)

夏休みも数えられるようになってきました。

子供に宿題教えてと言われて。

いびつな形の四角形。一つだけ出でいない内角が答えでした。

形がいびつすぎて、四角形と気付かなかった子供ですが。。。

三角形の内角の和は180°、四角形の内角の和は360°

内角・外角間違えないように覚えなさい!と言ったら、内角・外角習ってない!!と(゜ロ゜;ノ)ノ

三角形の三つの角の和は180°と習ったらしいです。

詰込み世代には、ゆとり世代は教えにくいです。

着替えのため、王宮に戻ってきた。

夕方から行われる卒業記念パーティー、異世界風にいうと謝恩会、お別れ会になるのかな。

卒業式とは違う式典用の服で出席する。

いちいち着替えをするのはいつも面倒だと思っていたが、今日は別だね。可愛い彼女がいっしょだから。

ああ、第二ボタンは渡したよ。

正門近くの木の下で渡したら、彼女にびっくりされた。

漫画で木の下で渡す場面(シーン)が多かったそうだ。

渡した彼女の反応は、最初はキョトンとしてその後は花が綻ぶように・・・。

言葉ではいい表せないし、誰にも見せたくない表情だった。

″鼻血が出そう″という状態を初めて体験した気がする。

とにかく早く二人っきりになりたかったね。

今、私は私室でキャスター・ユインスキーからの手紙を読んでいる。

え?彼女?

寝室(となり)で休んでいるよ。

あまりにも可愛かったし、パーティーまでたっぷり時間があるからね。

ご褒美をもらっただけたよ。

卒業式で一仕事もしてきた。

ご褒美はまだまだ欲しいけど、パートナーは彼女しか嫌だから涙を飲んで自制している。

キャスター・ユインスキーによると、神殿は二つに分裂しているらしい。

この世界を守ろうとする勢力と欲で穢れたとシャシャラル(ねむれる)神の粛清を望む勢力と。

私は伴侶次第でどちらかの勢力を応援することになるのだろう。まあ、彼女が側にいる限り、シャシャラル(ねむれる)神には起きてもらうと困る。

この国に来ているポンデ教司とエマコトオ司教、彼らがどちらの勢力に属しているのかはまだ分からないらしい。だが、同じ勢力には属してないらしい。

さすが乙女ゲーム(ぞくへん)()()()()()だけのことはある。

よく調べてある。

私の前では、ただの挙動不審な人物だが。

続編がどこまで干渉してくるか分からない。

だが、この世界は穢れきったと粛清を止めるのが続編の主人公の役目だろう。

だとしたら、すでにゲームは、始まっているともいえる。

神殿は、この国に私の伴侶問題に干渉している。

が、今は卒業記念パーティーを乗り切らなければならない。

スマラタがヒロインのゲームでは、結末を決める場面。

退場したスマラタ(ヒロイン)の立場にマリークライスを置き、ヒロインハッピーエンドの結末を望んでいるのかもしれない。

今さら強制力が働きそうにないのだけれど、油断は出来ない。後ろに神殿がいる。

私は彼女が動いた気配がしたから、寝室に向かった。

「ヒロト様のバカ~。」

まだ余韻で潤んだ瞳で睨まれても・・・。

彼女は、赤い跡(しょゆういん)が消えてしまうほど真っ赤になっている。

うん、可愛いけどせっかくの印が目立たない。皆に分かるようにドレスから見える位置につけたのに。

チラリと時計を見るとまだ時間がある。

可愛すぎる彼女が悪いのだよ。


夕方、学園につくと学園長が飛んできた。

「で、でんか、そ、そんなつもりで私は・・・。」

祝辞のことを言っているのか、今頃?

「では、どんなつもりだったのだ?」

学園長より身分の高い侯爵令嬢を、私の寵姫を分かっていて貶めたのだ。言い逃れなど出来ないはずだ。

それに私が後ろに隠した彼女を睨み付けたね、本心が隠せてもいない。

「ですから、私は世間一般のことを言ったまでで・・・。」

マリークライスの陣営で警戒しなければいけないのは、本当に数人だけのようだ。

「学園長、あなたはどれだけ学園に泥を塗ったら気が済むのか。」

学園長は、心外だといいたげに鼻白んだ。

「公式の場で事実無根の噂を真実のように語り、挙げ句の果てに知識など必要ないと学園の存在意義さえ否定される。」

「私はそのようなことは言っておりません。」

勢いよく言い返してくるが、己の発言にもっと責任を持つべきだよ。

「先程、申したではないか。世間一般が言っていることを知っているだけでよい、と。勉学など真実を知ることなど必要がないということだろう。」

「ですから、それは・・・。」

それは、何?続きを早く言ってほしい。

「それに、あなたにとって議会が慎重に調べた結果よりも噂のほうが真実なのだろう?」

己の失言がどれほど重いのか、ようやく分かったようだね。

式辞で彼女を貶めた内容は、議会の調査をバカにしたことでもある。

「パーティーでの挨拶、期待している。」

私は彼女を連れて、呆然と立ち尽くす学園長の隣を通りすぎた。

まだパーティーは、始まっていない。

卒業というのは、とても不思議な感覚だね。

明日からこの場に来ない。

皆と机を並べて、同じことを学ぶこともない。

これからも顔を見る者もいれば、もう二度と会うことがない者もいる。

今日という日でバラバラになる。

うん?学園に通って良かったか?

そうだね、良かったと言える。

王宮にいるだけでは分からないことを多々感じられた。

それに何より彼女といられたからね。

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