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婚約者と襲撃者たち

ケインは、騎士見習いにまで降格になり、辺境の警備隊に配属されることになった。まだ利用価値があるのか、剣の腕を買われたのか、処分するにはもったいないと思われたのだろう。激務の場所だが、無駄な権力争いがないところだ。

ケインの命令だが上司はそれを否定している。偽の指示書に騙されたことになった。

一方、侍女(フリマ)と捕らえた襲撃団の一人は、駆けつけた騎士たちに殺害されていた。歯向かったのでやむなくということらしい。縛られて無抵抗な女と手足の筋を切られた男がどんな抵抗をみせたのか聞きたいところはあるが・・・、余分な話をする前に処分されたということだ。

私は、私付きの騎士団隊長と侍女頭を監督不届きで異動させた。

二人ともマリークライス派の者だ。否定はしているが、関与は明らかだった。後任には、中立派の者を選ぶように言ってある。

彼女は、また落ち込んでいた。

自分のせいで人が死んだことに。

慣れてほしいとは言えない。

けれど、これからも起こることだから覚悟はしていてほしい。

私も彼女も狙われる側だ、この先ずっと。

私と別れたとしても頻度が減るだけで、それは変わらない。

「シャル、私を嫌いになったかい?」

腕の中にいる彼女に問いかける。

彼女が小さく首を横に振る。

「分かっている。狙われるのも狙われる理由も。」

だけど、心がついていけないだけ。

それでいいよ。

私は、人が死ぬのも()()()()のも当たり前で何も感じないから。

彼女がそれに気がついても私を嫌わなければそれでいい。

「シャル、私は君が無事で嬉しいよ。」

それは、本心だ。

彼女が無事だから、こうやって温かい体を抱き締めることが出来る。

「愛してるよ。」

何も身につけていない彼女の体を逃がさないようにシーツの上に組敷く。唇を重ねる。

「えっ?明日は、学園に・・・。」

一回で終わると思っていたの?私は、まだ満足していないよ。休んでいただけだ。

「仲が良い証をみせてあげようね。」

小さな抗議の声を聞きながら、見える場所に所有印をつける。

仕方がないから、日付けが変わる頃には寝させてあげるよ。


私の隣には、首筋を気にしている彼女がいた。

うん、どのドレスを着てもその赤い印は、隠せないからね。

目が合うとジト目で睨んでくるが、それって煽っているようにしか見えないよ。

もうすぐ学園に着いてしまうから、馬車の中でデキないし。

あ!新しい印をつけようか?

端に逃げなくても。冗談・・・だから。

久々の授業、楽しんでおいで。

王宮よりは、まだマシだと思うから。

彼女を教室まで送り、私は自分の教室に向かう。

彼女は、大丈夫だ。

隠れることを止めた″守る会″のメンバーに囲まれていた。

今からは、″守る会″がその名の通り彼女を守ってくれそうだ。

最上級学年の授業は、ほとんどない。

それでも最上級生が学園に来るのは、残り僅かになった学年を楽しみたいからだ。

卒業したら、大人として扱われ責任ある態度で行動しなければならなくなる。

教室の中は、まばらだった。サロンに行って今後を語り合ったり、図書室でまだ勉学に励んだり、各々過ごしているのだろう。

「レオンクラウド殿下。」

席につくと一人の令嬢が話しかけてきた。

ナオプール伯爵令嬢。異母弟(ティッオ)の元婚約者だ。

マリークライスの取り巻きの筆頭で、私の側妃候補と言われている。正妃の座を譲っても国母の座は、狙っているのがありありと分かる。

私がマリークライスを嫌っているのを知っているからこそ、マリークライスより早く私の子を身籠れると思っている。

そもそもナオプール伯爵令嬢、君も私は嫌いだよ。それを分かっているかい?と聞きたい。

「もうすぐ授業が始まるが、大丈夫なのかい?」

ナオプール伯爵令嬢は、一つ下だ。まだ授業がある。

「後でお話が・・・。」

なんの話だ?

お前などに割く時間はない。

「私は、話すことはない。」

ナオプール伯爵令嬢はワナワナと体を震わせているいるが、拒絶されないと思ってなかったとは言わないでくれるかな?

「う、噂のことで・・・。」

ヒロイン、スマラタを本当に苛めていた相手が噂になっている。

私にその噂を否定してほしいのだろう。

「誹謗中傷なら気の毒に思う。だが、身から出た錆ならば仕方あるまい。」

彼女に罪を被せていたのだ。償うのが当たり前だろう?

「君が、他の生徒を使ってスマラタを苛めていたのは事実だ。それにマリークライスに協力して、私のティアシャルドネも虐げていた。」

「あ、あれは、マリークライス様に頼まれて・・・?」

ジロリと睨む。

言い訳など聞きたくない。

「去れ。」

青い顔をしてナオプール伯爵令嬢は、教室を出ていった。

小麦に関してのナオプール伯爵が不正をしていたことが明らかになりつつある。

私の側妃となることを確定させ、父親の不正を誤魔化したかったのかもしれない。

私は、早く破滅するように手を回すことにした。

結納がこちらの婚約式なのだから、彼女はまた私の婚約者だね。

よろしく、婚約者どの。

結納には、ショウチクバイという物も贈るのかい?

ショウは、松と呼ばれる木?

チクは、竹と呼ばれる木?

(竹は、竹トンボの竹だよね?)

バイは、梅と呼ばれる木?

確か、部屋に結納品を並べるのだよね?

その部屋は、タタミというものが敷かれ、土足禁止じゃなかったかい?

木を並べたら、邪魔になるし、汚れるのては?

結納品の御披露目とかあるから、しばらく飾るのだよね?

苗木でも邪魔じゃないかい?

水引?金、銀、朱金などの紙を細く巻いたもの?それで作る?

異世界の人は、手先がとても器用なのだね。

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