婚約者と帝国
短いです。
訂正と書き足しをしました。内容は、かわりません。
もう一度、私のことを語ろう。
私の母の祖国、ギオテナーイサ帝国は神殿と対等の力を持つ巨大な国だ。
その国を治める皇帝の始祖は、現身をもった子供神たち、息子神と娘神の子とされている。
皇帝は神帝と呼ばれることも多く、魔力とは違う不思議な力、神力を持っている。予見もその力の一つだ。
そして、神帝の予見が外れることはないといわれている。
その力は、皇位を継ぐ者のみ引き継がれる。
母は、ギオテナーイサ帝国の第一皇女だった。
皇女が他国に嫁ぐのは希なことだった。
血を守るため、自国での婚姻がほとんどだ。
母の父である先々皇帝が、母がコードストブール国の第一王子を生むことを予見した。そして、その王子が王となることも。
だから、私は生まれる前からコードストブールの王になる者だった。私の意思に関わらず。
母の弟であり皇太子であった第四王子が予見した。
母の子の、私の伴侶を間違えてはいけない、と。
間違えれば大変なことが起こる、と。
その理由は、母には教えてもらえなかったらしい。
そして、母はコードストブール国に嫁ぎ私を生んだ。
先々皇帝の予見通りに。
私はラーシナカ家の暗殺に恐れを抱いたことがなかった。
どれだけ手練れを雇いいれても暗殺は私に露見し、未遂に終わっていた。
このお茶を飲んだら命が危ない、あの通路の右側に刺客がいるなど自然に分かった。
それは予見に守られているためか、皇族の力なのかは分からなかったが。
度重なる失敗にラーシナカ家は、私の暗殺を諦めた。
だから、私とマリークライスの婚姻させようと必死になっていた。
私が王になると予見されているために。
最近、皇帝を継いだ従兄も軽口では逃げてこいとか言うわりに、最後には私が王になると言ってくる。逃れられない運命なのだと。
逃げる手段も、平民になる準備も、全てしてある。
だが、実現できないことを私は分かっていた。
予見は外れない。
だから、私は努力した。
彼女を手に入れるために。
誰にも文句を言わせないように完璧な王子を目指した。
間違った伴侶を選んでいないと示すために。
その努力が無になろうとしていた。
マリークライスが聖女として帰ってきたことによって。
決められた運命なんて、壊してしまいたい。
私は、ただ幸せにしたいだけなのに。
私は、幸せになりたいだけなのに。
何故、こうなった?
どこで間違えた?
先皇帝が予見された私の伴侶は誰なのか、従兄も分からないという。
だが、従兄は私が選んだ者ならいいのではないかと言ってくれた。
私が望んだ相手なら間違いないと。
それを信じたい。




