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婚約者と教司

議会では、聖女が婿探しに来たことに騒然となっていた。

聖女とは子供神の何かを持っている者で、男性なら聖人と呼ばれる。聖人や聖女の婚姻は自由で、むしろ平和な世界である証として彼らが独身を貫くよりも婚姻を神殿は勧めていた。

それに聖女と婚姻するということは、神殿の後ろ楯をえることなり外交にとても有利になる。どの国も進んで受け入れていた。

「私は候補から外すように。」

議会からすぐに抗議の声があがる。

私が最有力候補だと分かっているからだ。

「私もマリークライス嬢に不幸な婚姻をしてほしくない。()()()()()()()()()()()()という。」

議会が静かになる。

聖女の意思を無視して娶った国は荒れに荒れ、滅亡の寸前まで追い込まれた。不幸な婚姻は不幸を呼ぶ。

「レオンクラウド殿下が愛する努力をされたら。」

恐る恐る一人の貴族が聞いてくるが一蹴する。

「無理だ。国益がかかっていようが、嫌悪しかもてない。」

「婚姻してみなくては分からないのでは?」

「マリークライス嬢と国を不幸にした責任を貴方たちが取るというなら考えよう。その場合でも妃はティアシャルドネ嬢だ。そして側妃の元には通わない。」

ああ、これでまた彼女が狙われる。

仕方がないじゃないか、私は彼女以外欲しくないのだから。

彼女の身の安全は心配だけど彼女を諦める気はないよ。

だから、はっきり言っておく。

「ティアシャルドネ嬢に何かあった場合、私は彼女に害を成した者たちを、その原因になった者を許さない。」

彼女に何かあった場合、その原因となるマリークライスが無事でないことを。

聖女を害した国を神殿がどう扱うかは知っているだろう?

まず早々に地図から国が無くなるね。

それでも私にその婚姻を勧めるかい?

「マリークライス様が、レオンクラウド殿下を求められるかどうか分かりませんし。」

「そうですな、違う方かもしれませんから。」

あっ、逃げたな。

明日、非公開で聖女から誰なのか発表がある。

端の席で聞いているポンデ教司が憤怒の表情で私を睨んでいるが、婚姻してやっぱりダメでしたより、婚姻前に断るのほうが傷が浅いと思うが。

また婚約解消だの婚約破棄だのが煩くなるのだろうな。

彼女も言い出すだろうな。自分が身を引いたらいいと思って。

彼女にはしっかり言っておかないといけないね。

私が彼女を求めているのだと。

だから、婚約解消や破棄を言っても無駄だと。

それに身を引くのは、私を馬鹿にしていると教えないと。

私は、彼女と幸せになるために頑張っているのだから。

「ポンデ教司、マリークライス嬢はどちらの聖女なのか?」

私は気になっていたことを聞いた。

息子神の力なのか、娘神の力なのか。

「青き焔です。」

ああ、娘神のほうか。あの時に移ってしまったかな?微量だから、もう少ししたら消えると思うけど。

位が高ければ本人の力ではないと分かったと思うが。上位の神官が確認しなかったのか?

「息子神ではない?」

ラーシナカ伯爵の口がそう動いたのが見えた。伯爵はマリークライスの上の兄になる。

同じことを考えていたようだね。

マリークライスの後ろに残念男(エドヴォルト)がいるのではないか、と。

残念男(エドヴォルト)は、息子神の聖人といってもいいほどの氷を操る。いや、聖人だ、残念男(エドヴォルト)は。

議会が終わった後、私はポンデ教司に捕まった。

「レオンクラウド殿下、あのような発言をされて。」

咎めるように言われても、私は自分の気持ちに正直なだけだ。

「誰も不幸にならないようにしたいだけですよ」

本心ではないけどね。私は彼女を幸せにしたいし、彼女と幸せになりたい。マリークライス(ほかのもの)がどうなろうが知ったことじゃない。自己中心的といわれようが。

「ですか・・・。」

私に突っかかってくるということは、指名されるのはやはり私なのだろう。

見苦しいって言葉を知らないのだろうか?

「マリークライス嬢は、お相手をまだ″誰″か発表されていません。幸せになれる相手だといいですね。」

相手をよく考えろと言っておく。明日の非公開で恥をかかないように。

「ポンデ教司、マリークライス嬢が修道院にいた理由を知っていますか?」

「聖女であられたためでは?」

ポンデ教司は、肉で埋まりかけた首を傾げた。

「私の婚約者を害したため、です。本人は黙秘していましたが、証拠は揃っていました。」

知らなかったみたいだね。目を見開いているよ。

罪人が聖女になる。あり得ないとはいえない。冤罪もあるから。

「それにマリークライス嬢との婚姻は、今までに三度断っています。」

私が八歳の時、マリークライスと婚約の打診があったが断った。

私の十三歳の誕生日、婚約者を決めるダンスのパートナーを期待しているマリークライスの前を通り過ぎて彼女を選んだ。

そして、今年の夏の休みの事件。

何度でも断るよ。マリークライスでは、私を満足させれない。

ポンデ教司がうまく諦めさせてくれると嬉しいけど無理だろう。

肉まんとピザまんは、今あるもので作れそうだね。

醤油というものが完成していないから、味が違うけど。

米を早く見つけないといけない。

みりんという調味料も作らないと。

議会の合間にせっせと書き込む。

何があって、何が無いのか。

何が作れて、何が作れないのか。

美味しいモノを彼女に食べさせたい。

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