表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/255

婚約者と学園(前)

『婚約者と転生王妃』は、学園の前後編が終わってからになります。

今回は、説明が多い・・・。


他者視点の短編『婚約者と平民の受難』が投稿済みです

 私の名前は、レオンクラウド。

 この国の第一王子である。

 夏の長い休みが終わり、学園が再開された。

 学園とは、十三歳から十八歳まで五年間、通う学校のこと。

 国民なら全員通うことができる訳ではなく、お金のある家の子供しか通うことができない。貴族でもお金がなければ通えない学校だ。

 あと、士官学校と魔術学校もあるが、こちらは才能があれば平民も入ることが出来る。騎士や魔術師が才能のある子供を勧誘し連れてくることが多い。

 通う期間は学園と同じ五年間だが、魔術学校のみ研究者として二年の延長が認められている。

 士官学校は特に人気だ。騎士になれない平民でも上級兵になる道が開けるからだ。

 私は事件の後処理もあり、数日遅れで学園に登校することになった。

 私がいる教室は、休み時間だというのにシーンと静まりかえっている。

 同じ部屋で学ぶ者たちは、怯えた表情で私を見ては慌てて視線を逸らすを繰り返している。

 煩わしいコトで彼女の元へも行けず、私は不機嫌さを隠しもせずに席についていた。

 そう、私は、とても不機嫌だった。

 学園の最新の噂を知って。

 私の元を訪ねる者たちによって。

 私と私の可愛い婚約者が襲われた事件のことは、皆知っていた。

 それに寄って、高位貴族が三家、降格したことも。

 関係者に処罰が下され、処刑された者がいたことも。

 そして、この事件のことで臆測や噂が飛び交い、彼女が悪く言われることも分かっていた。

 だが、この噂は許せるものではなかった。

 可愛い彼女が、元公爵令嬢(マリークライス)に騎士の慰め者になる罰を強く私に望んだというものだ。

 この噂のおかけで、ますます彼女は学園で孤立している。

 優しい彼女は、全ての罪人の減罰を望んだというのに。

 また、あの事件で一番傷ついているのは彼女だというのに。

 彼女は、ほとんど交流はなかったとはいえ血縁者に襲われた。

 その出来事は、どれだけ彼女を傷つけたかわからない。

 私は、他人(せいとたち)の心無い行為に憤りを感じていた。

 確かに元公爵令嬢(マリークライス)は、令息はもちろん令嬢たちにも人気があった。

 その元公爵令嬢(マリークライス)が、こんなことを起こしたなど、信じたくなかったのかもしれない。

 だからか、元公爵令嬢(マリークライス)が死んだ祖父と次兄に騙され、彼女に陥れられた悲劇の令嬢と祭り上げられつつある。

(何故、前公爵(ジジイ)と次兄と彼女が組んでいたと考えられるのか? 突っ込みたいところは多々あるが。)

 事実、実態を知ろうとせず、空想・妄想で偶像化しているだけだ。

 だからといって、こんな噂をたてるのはお門違いすぎる。

 きちんと調べられ、議会で承認されているのにこんな噂がたつなど。

 議会に参加した生徒の親たちは、子供たちになんて説明したのか。

 次の議会できっちり締め上げなければならない。

 私としては、元公爵令嬢(マリークライス)が修道院送りになったこと自体が罰が軽すぎて不服なのに。

 彼女の触り心地の良い頬が赤くなっていたのは、元公爵令嬢(マリークライス)に殴られたからであった。

 それを知った時は、騎士の慰め者より処刑を望んだくらいだ。

 それが、修道院送りなどで。

 恩赦があれば模範生としてすぐにでも出てくるだろう。

 外面だけは取り繕うのが上手いから。

 私と同じだと思ったのは、誰かな?

「マリークライス様は、悪くない。悪いのは、イハヤタカ令嬢だ!」

 ほぉー、私を怒らせたいのかな?

 側にいた者たちが、呟いた男子生徒の口を思いっきり塞いでいる。

 顔色がみるみるうちに青くなっているよ。

 息が出来なくても仕方がないね。自業自得だ。

 殺人にならないように手は回してあげるよ。

 苛ついて、机を指で叩いてしまうよ。

 そのリズムに合わせて、クラスメイトたちの肩が揺れる。

 可哀想だけどね、我慢してもらうよ。

 元公爵令嬢(マリークライス)の刑を軽くしようと、朝から何人も私の元に来ている。

 刑が重すぎる、おかしい、理不尽だ、騙された、陥れられた、その他色々。

 そんな下らないことで、私は可愛い彼女の所に行けなかったのだ。

 不機嫌になり、苛ついても仕方がないだろう?

 誰か言いたいことあるのかい?

 クラスメイトのほとんどが寒そうに腕を擦っている。

 まだ夏の日差しで汗ばむような天気なのに不思議だね。

 私は授業が終わると素早く教室を出た。

 いい加減、あんな女のことはもう聞きたくない。

 向かうは、彼女の所だ。

 階段を降りていると、踊り場に青銀の髪を見つけた。

 やっぱり彼女の髪()美しい。

 待っているように声をかけようとした時、グラリと彼女の体が揺れ宙に浮く。

 私は魔法を使い、階段を飛び降りた。

机を指で叩く。

トン、トン、トン、トトン

じゃあ、これは?

トン、トン、トン、トトントン、トン、トトン

これもついてくるか。

ト、トン、トトン、トン、トン、トトントン

あ、一人脱落した。


イライラ解消法

ただし、付き合っている人たちのイライラは、解消されません

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ