婚約者と従縛の騎士
悪役しか女性が活躍してません。
『婚約者と青い光2』と『婚約者と従縛の騎士』の間の話、短編『婚約者とお茶会』を投稿済みです。
私の名は、エドヴォルト・ファス・ラーシナカ。
元ラーシナカ公爵家の三男だった。
ラーシナカ家は、先程の第一王子レオンクラウド殿下を襲撃、また、婚約者の令嬢を誘拐・暴行未遂を起こし子爵家まで降格になった。
主犯は、前当主であった私の祖父であり、動機は孫娘を未来の王妃にしたいと歪んだ欲望からであった。その祖父は事件発覚直後に自害している。
現当主であった私の父は責任をとって王家に爵位返上を申し上げた。
だが、ラーシナカ前公爵である祖父は老人特有の病にかかっていたこともあり、常識的な判断が出来ない状態であったことが証明された。
祖父や父の今までの功績、レオンクラウド殿下も婚約者の令嬢も怪我は無く無事だったことから特別に降格処分で済まされた。
同じくこの事件に関わった者たちも役職を降ろされ、爵位を降格、多額の賠償金を支払うこととなった。
祖父に協力した次兄と私、妹は、ラーシナカ家を勘当となった。
次兄は、直接、婚約者の令嬢に暴力をふるい乱暴しようとした罪で、死刑を言い渡され決行された。
妹は、婚約者の令嬢を誘きだしたこと、レオンクラウド殿下に媚薬をのませ誑かそうとした罪で、騎士の慰みの仕事に就くはずだったが騎士たちが嫌がり修道院送りとなった。
そして、レオンクラウド殿下を己の魔法で氷の中に封じ込め、動きを奪った私は騎士を解雇された。
私は、本来ならば処刑されるべきであった。だが、従縛の魔法がかけられており、祖父に操られていたということで恩赦が与えられた。
魔力があるため、魔術師の塔で監視される生活を送るはずだった。
そして、たった一人、長兄は事件に関わっていなかったとして継いでいた伯爵のままであった。
今、私は従縛の魔法をかけた者の元にいる。いさせられている。
あの日のことは、よく覚えていない。
朝から、頭が痛かった。本当は部屋に閉じ籠っていたく外に出たくなかった。
殿下が父と会うと聞いた時、嫌な感じがした。上司に早退を申し入れたが聞き入れてもらえなかった。
その時には、上司にも手が回されていたのだろう。
父の代わりに祖父が現れてた時、頭の痛みで何も考えられなかった。
何回か魔法を使ったのは、感覚で覚えている。
そして、その魔法が彼女の力で解かれたのも。
気が付いたら、部屋の壁は壊れ、殿下は窓から身を乗り出していた。
『馬車で迎えに来い』
何処へかはすぐに分かった。
彼女の力を感じる。目的地はその場所だ。
私が殿下を襲ったコトもあり、中々手配が出来なかった。
どうにか出発出来たのは、殿下に命を受けてから一時間以上経っていた。
寂れた屋敷は、ひっそりとしていた。
中は、凄い状態であったが。
氷漬けの魔道具は、私の魔法が使われたのだろう。
魔道具の球に氷の魔法を詰めろと命令された覚えがある。
主寝室と思われる大きな部屋には、死体がゴロゴロ転がっていた。
そこに殿下たちの姿はなかった。
次兄と妹が芋虫のように転がっていた。
隣の部屋に向かうと、殿下は膝に彼女を乗せ愛しそうに抱いていらっしゃった。
スヤスヤと眠る婚約者の令嬢を愛しそうに見つめる殿下にドス黒い思いが頭を上げる。
私もその場所にいたはずなのに・・・。
何故、そう思うのか分からない。
安心して殿下に身を任せている彼女を直視できない。
掛け替えのない宝物として彼女を扱う殿下が羨ましかった。
「あの青い光は、なんだ?」
声がする。
「″青き焔″、強い炎です。」
私の声がする。
「お前の氷は?」
答えてはいけない。
「一瞬で溶けてしまいます。」
相手が息を飲むのが分かった。
「昔、神が世界を一新させるため、白き炎で全てを焼き払ったと伝えられています。炎は、白が一番高い温度。白から青、青から赤と低くなるそうです。」
私の意識は、白濁の中に消えていった。
残念男は、本当にストッパー役でした。
暴走する殿下を頭を殴って諌めたり、首根っこ押さえて引き離したり、よくいる気が許せる腹心てきな存在・・・。
何故、一人シリアス路線をいく?
次回は閑話で、婚約者と転生王妃
その後、婚約者とヒロイン
の予定です。
婚約者とヒロインは、7月全話投稿を目指しています。
では、お読みくださり、ありがとうございました。




