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婚約者とロケットペンダント

百話目、ここまて長くなるとは思っていませんてした。

お付き合いいただき、ありがとうございますm(__)m

完結目指して、殿下が頑張ります。

「取り敢えずこれを。」

 アンタイルは、楕円形の小さな物入れに細い鎖がついた物を取り出した。

 彼女が言っていたロケットペンダントというものだ。ペンダントというのは異世界の首輪という意味。鎖の先についている飾りは、ペンダントトップやペン先、チャームと呼ばれている。この場合、ロケットと呼ばれる小物入れがチャームに当たるのだろう。小物入れには、写真と呼ばれる絵や薬を入れることが多いそうだ。

 アンタイルは小物入れの蓋を開けた。中に布が引いてあるがあの小瓶くらいは入りそうだ。

「ここに瓶を入れて首からかける。鎖を短くしてピンで服に止め、ポケットに入れておいてもいい。」

 キャスターは、じっと見ている。

 蓋の留め具も鎖もしっかりしている。落とす心配は減りそうだ。

「剥き出しで持ち歩くのはきついだろう?」

 ブンブンと音が聞こえそうな速さでキャスターは首を縦に振っている。幾つ擬音を出すのか数えてみるのも楽しいかもしれない。

「どうしてこれを?」

「ティアに携帯用の小物入れが欲しいといわれた。外で手を洗ったときに忘れないようにだと。」

 ああ、彼女は手洗いで外した指輪をよく慌てて取りに行っていた。無くさないようにしてくれている。それだけでも嬉しい。

 にしてもアンタイル、彼女の気遣いをそんなどうでもいいことのように言わないでくれるかな。

 何故、私を見て残念そうにため息を吐く。私の思いに一生懸命応えようとしている可愛い妹をもっと自慢していいのだよ。

「たぶん、ユインスキー殿が持つのは大丈夫だろう。他の者が持った場合はどうなるか・・・。」

 アンタイルの視線の先は、机の上の黒くボロボロになった花。

たぶん、こうなるのだろう。

「ありがとうございます。」

 いそいそと小瓶を入れて留め具をしっかり確認している。そして鎖を首にかけ、入れ物部分を服の中にしまっていた。

 不思議だ。キャスターの動きがとてもスムーズになっている。

 私がいることを忘れているから?

 ホッとしたキャスターと目があった。

 ピキーンと固まった。

 いきなりギクシャクと音が聞こえそうな動きをしている。

 その反応をなんといったらいいのだろうね?

「で、花守りはいつ来るんだ?」

 アンタイルは、彼女を守る魔道具を確認している。

「五日から二十日。場所は馬車で二日くらいの場所らしいが、花守りがとても活動的な人で捕まりにくいらしい。」

 この厄介なモノを早くどうにかしたいから、最短で戻ってきてほしいが・・・、無理だろうと感じている。

「レオン、一と三は解除されてたと言ったな。」

「ああ、綺麗に解除されていた。解除したことを分からないようにしてあったが。」

 彼女に触れようとして、弾かれた痕があったからね。

「次解除しやすいように書き足されている。五と八を表に出して正解だ。」

 アンタイルの魔道具に書き足されていた?そんなことをされたのは初めてだ。

「私の魔道具を相当勉強しているな。書き換えようとして何度も失敗している。」

 アンタイルの目が怪しく光っている。

 今日中に一と三は、二度と書き足しも出来ないようになるだろう。だが、もう来ないはずだ。それはアンタイルも聞いていたはずだが、書き足されていたことに矜持が刺激されたのだろう。

 解除に時間がかかるのは彼女に触れられる時間が遅くなり嫌だが、勝手に連れ去られたほうが大変だから仕方がない。我慢しよう。

「レオンクラウド殿下、解毒剤のほうは。」

残念男(エドヴォルド)も心配なのだ。

 従縛の魔法を解くために彼女は力を使った。それも毒の回りを早くした要因の一つになっている。負い目を感じているのが丸分かりだ。

「ソーリマ側妃の部屋から変色した匙が見つかった。」

 ノモイルワ毒の解毒剤に使う匙は、専用の液につけて保管しておかなければならない。

 盗まれた匙がきちんと保管されていたはずもなく、使える状態に戻すのは一ヶ月かかると言われた。

 その一ヶ月の間に千年樹の蜜が無事に解決すると良いのだが、そう上手くはいかないだろう。

「アンタイル、キャスターに身を守る魔道具を。狙う者が続々と出てくるだろう。」

 アンタイルが頷いてくれた。

 明日にでもキャスターに合った魔道具が届くだろう。

「キャスター、君も狙われる者として覚悟して欲しい。」

 キャスターもカクカクと首を縦に振っている。

「エドヴォルド、フードの男探しと共に神殿にも探りを入れて欲しい。たぶん、千年樹の蜜は神殿も欲しがるはずだ。」

 だから、あの時もイロノ国に攻め込むのに神殿は協力した。千年樹に行く道を求めていたから。辿り着いたときには、焼かれて焼失していたらしいが。

 あとの問題は、花守りが無事に王宮に着けるか、だ。

 乙女ゲームの出来事(イベント)なら花守りを乗せた馬車が行方か不明になり、ヒロインたちが活躍し花守りを連れて来るのだろう。なら、魔道師と貴族のほうに手を回しておかなければ。

あのヒロインは、行動力が有りすぎるから早めに動かないといけない。

 私は、その考えが甘かったことをすぐに思いしることになる。

 ヒロインの行動力は、私の予想をはるかに超えていた。

ロケットペンダント。

蓋の部分にも絵を入れてもいいらしい。

では、蓋に私の絵を、本体に彼女の絵を。

蓋を閉めたら、二つの絵が重なり合う。

とても素敵だと思わないかい?

アンタイル、なんだ?その目は。

ああ、描く絵のことだな。

蓋を開けたら見つめあえるように、蓋を閉じたら唇が触れ合うようにするのはどうかな?

いつでも離れないという感じがするだろ。

ん?何故そんな残念なモノを見る目で私を見るのかな?

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