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学校で配る教材だけやっとけ!  作者: 前田ユウ
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4月はじめのSHR

自称進学校の教師は皆国立大に何かしらのコンプレックスを抱えている。

私大に入学するも、根っからの真面目さ故にふざけた大学生活を送れず、教員になった彼らにとって、国公立大は憧れなのだろう。

俺の担任長谷川もその一人。

某MARCH卒の42歳。生物担当。独身。サッカー部顧問。

MARCHなのに大学生活はおろか生涯を通じて女性との関わりは一切ないクソ真面目童貞なのだ。

クラス分け後初めてのSHRが行われる。

担任が教団の前に立つ。

「今年は受験生だ。お前らには死ぬほど勉強してもらって、無事国立大へ合格してもらう」

なんだよ『もらう』って。お前が教えるんだろ。

「やっぱり決意表明が必要だよなぁ。だからみんなにはこの紙に受験生としての目標を書いてもらいたい」

決意表明?え、俺らって出馬でもすんの?

「書いた紙は集めて教室の後ろに貼るぞ」

で、でたー!!自称進学校にありがちな教室の後ろに1年間の決意を書くやつー!!

しかし、目標といっても志望校を書くのは億劫。だってみんなの志望校をよく知らないのだから。

え、その偏差値で旧帝志望なの?とか言われたくないから。

だから俺はビビって当たり障りのない目標を書き上げた。

『後悔しないように毎日勉強する 樽崎亜門』

後悔とは何だろうか。第一志望に受からなかったら後悔するのだろうか。第一志望のレベルを下げたら後悔するのだろうか。自分でも何が後悔なのかわからないのに自分に嘘をついた。

虚偽と欺瞞にあふれたD組の決意表明は教室の後ろに貼られた。

一体このクラスのどれほどの人数があの目標を達成することかできるのだろうか。

そして自分はどうなのだろうか。

最後に一つ言いたい事がある。目標書いても勉強しないと多分受からない。


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