あの世界の食事
「さ、定時定時っと。食事にいくよー」
「はいっ」
やった、あの世界の食べ物だ。
お仕事は怖かったけど、あの世界の食べ物が食べられるのはとっても楽しみだ。
っていうか、ほんと怖かった。やっていけるかな…
「まぁ、初めての食事だし。美味しくなくても文句は受け付けないのでよろしくっ」
「はいっ」
大丈夫だ。みんなすごい、はやく食べたいって言ってたし、きっと大丈夫だ。
美味しいってのは分からないけど、きっと大丈夫だ。うん。
「さて、席は空いてるかなー、よし空いてる。ってことでここにしてっと、、、鶏から定食とビール二つずつよろしくーっ」
「はいよー」
鶏からっていうのは何だろう。定食っていうのは分かる、それだけで全部がそろってるって意味だ。そろってない時は何ていうんだろう、あとで聞こう。
あ、液体を持ってきた。これがとりからなんだろうか。
「はい、ビールだよ」
「ありがとー」
あ、これがビールという物みたい。
上と下で色が違う。変わってる。
「はい、これがビール。あの世界の人間種によく飲まれてる飲み物だよ」
「あ、はい」
「じゃ、初仕事おつかれさまーで、かんぱーい」
「か、かんぱーい?」
え、どうすればいいんだろう。
あ、ぶつければいいんですか、はい。
ん、なんだろう上のところを飲んでみたけど、なにこれ?
匂いは、初めての感覚だけど。。。
「あ、ちがうちがう。一気にグイッとこうやって飲むんだよ」
「おいしーっ」
あ、下も一緒に飲むのか、よし、私も。。。
うん、なんかよくわからないけど、上のより大きい匂いがして飲むときの感覚は。。。って
ゴフッゴフッ
「あはははははははははっ」
え?なにこれ?何かが膨れてきてごほっごほっ
「あはははは、はぁ、いやぁごめんごめん、はい、拭いてあげるから動かないで、初体験おめでとーっと」
「あ、ありがとうございま、、、す」
え、なにこれ。。。こんな変なのをよく飲んでるとか人間種やっぱり怖い。
「まぁ、説明すると。この泡が出てるのが炭酸っていって、気体が溶かし込まれてるの。で、それを飲むときに独特の感覚が楽しめるってわけ。慣れれば病みつきになっちゃうよ?」
「うー。。。」
これに慣れるの?慣れれるんだろうか。。。っていうか最初におしえて欲しかった。。。
「ほらほら、機嫌なおして。あ、鶏から定食きたよ。ちゃんと説明してあげるから、許して、ね?」
「はい。。。」
なんだろう、これが鶏から定食っていうものらしい。
白くて細かいのがたくさんあるのと、茶色の液体に白いのが浮かんでるのと、塊が四つのってるのと、三種類のものが板の上にある。
これ全部で定食っていうんだろうか。
「じゃあ先ず、これが鶏から。あの世界でニワトリって言われてる鳥の一種の肉に小麦っていう植物を粉にした物をつけて油っていうのでからっと揚げた食べ物。熱いから最初は慣れるまでゆっくり食べるようにね」
おぉ、この塊のやつが鶏からっていうらしい。
にわとりっていう鳥をからっとあげるからとりからって言うのかな。にわとりからじゃないんだ。
「で、これがご飯。あの世界の日本って区画で主に食べられてる物だよ。お米っていう植物を炊いた食べ物で、こっちのスプーンっていう器具で掬って食べてね。よく噛むと甘くなって美味しいよ。あ、あと鶏からを食べる時は、こっちのフォークを使うと食べやすいよ」
こっちの白いのはごはんっていうらしい。
甘くなるってことは変わるんだろうか、よくわからない。
「で、これがおみそ汁。飲み物だよ。この白いのは豆腐っていうやつ。少しずつ飲むんだよ。豆腐はちゃんと噛んでね」
この液体はおみそしるっていうらしい。
泡は出てないみたい。
うん、ゆっくり飲もう。
「じゃ、説明おわりっ。いただきまーすっ」
「い、いただきます…」
うん、初めての感覚だ。