執行部へ
執行部へ行くらしい。
執行部ってのはみんなが怖いところだって言ってた部署だ。
どうしたんだろう、注文書に気になるところがあったみたいだけど。。。
「執行部ってところに何をしに行くんですか?」
「ん、あー、、、じゃあ向かいながら執行部がどんな仕事をしてるのか説明してあげるね」
「は、はいっ」
「まず世界を長く管理すると直接的には力を振るえなくなる、ってのはさっき説明した中にあったと思うんだけど」
「はい」
「例外的に、そんな世界に対しても力を大きく振るえるのが執行部になる」
「そうなんですね」
「で、やってる仕事としては、放置がひどすぎて状態が悪くなりすぎた世界の初期化とか、管理がされてる世界でも放出の質が悪すぎると判断された時の強制執行とか、あとは管理者からの初期化要請に応じて初期化に向かう事もあるんだけど。。。そんな時って、やっぱり初期化やーめたってのが管理者の要請だけでは出来なくてね。。。」
「え?」
「まぁ、そんな時って取り止めさせるには管理者が力づくで抵抗して取り止めさせないといけないんだけどね。まぁ、世界自体に振るえる力の総量がそもそも違うわけで、、、ほとんどの管理者が負けそうになる」
「それで?」
「そこで管理者が諦めて初期化を受け入れれば終わるんだけど、どうしても諦めきれない管理者が出てきます。そんな時に使われたのが注文書っ!力が直接振るえないなら人間種の魂に力くっつけて自分の世界で執行部に抗ってもらおう!って注文があった」
「ほうほう」
「で、その試みは成功、執行部は初期化を取り止めることになり、その管理者は世界管理を継続することができるようになりました、、、と。まぁ、その事が噂になってから、そんな注文も増えてねぇ。。。忙しくなってね、魂の選定が本当に面倒なんだもの。。。しかも複数注文だったりするしさぁ。。。」
「は、はぁ。。。」
「まー、そんな部署だから管理者には嫌がられてるんだけどねー、世界管理には必要な部署だしね。まぁ、あそこの連中が石頭すぎるのが問題だと思うんだけどねー。あ、そんな執行部の事を世界では邪神、邪なる神って言ったりするらしいよ、おっかしいよねー」
「あー、はい…」
「まぁ、そんな仕事だけじゃなくて、もひとつ重要な仕事も管轄してるところではあるんだけど、、、と着いた。ここが石頭の巣窟、執行部だよーっ」
着いちゃったみたい。。。ちょっと怖い。
「出納課のおでましだーっ」
「聞こえている。。。何が石頭の巣窟だ。。。」
「いや、間違ってないでしょ」
ここが執行部だ。
部屋の様子は出納課と変わらないみたい。
先輩がしゃべってるけど、さっきの話を聞いた後では顔を見るのが怖い。。。
怒らせたらどうしよう。。。
「で、何の用だ。いつもなら確認書だけ送ってくるのに」
「あー、ちょっと確認したいことがねー、、、あ、そだ、この子を紹介しておくね。ウチの新しい子。本当に新しい子だから、これからもよろしくしたげてね。ほらほら挨拶して」
え?ええっ?突然いわれてもっ
「え?えと。。。よろしくおねがい。。。します」
あれ?この顔はどこかで、、、
「あぁ、、、君か、、、特に問題ないようで何よりだ」
あぁっ、研修の時に担当してくれたっ。
そうか、執行部の方だったんだ。。。怒らせなくてよかった。。。
「え?顔見知り???あっ、ダメだよっ。ウチの子だからあげないよ!」
「いや、、、取らないが。。。で、何の用だ」
「えー?この可愛さが分からないのー?これだから石頭は。。。まぁいいわ、この世界について確認したいから来たの」
「ん、、、見せてみろ。。。何が聞きたい?」
「執行案件の対象にあがってるかどうかと、管理者への通達有無。前にも確認したことある世界だけど、その時は対象じゃないって回答もらってたはず」
「ふむ、、、待ってろ。。。」
確認しに行ったみたい。。。
なんだろう、ここは出納課と違って静かで、なんか怖い。
「いや、ほんと執行部はこれだからねー。こんなに可愛いのにいらないんだってー」
「は、はぁ。。。」
帰っちゃだめかな。。。
「執行対象にはあがっていない。だが注意レベルには至っているので観察対象にはなっている。管理者にもそのことは通達済みだ」
「分かった、ありがとねー。じゃあ後は管理者に直接確認すればいいかー、よしっ次は管理者のところへ行くよーっ」
「は、はいっ」
良かった、ここから出れるみたいだ。
「おい。。。」
ひっ
「ん?なにー?」
「楽しめてるか?」
「見て分かるでしょーっ、楽しいよっ」
「そうか。。。」
「それじゃねー」
なんだったんだろう?
「ほらほら、置いてくよー」
「あ、はいっ」
置いてくのはやめてほしい。。。