1/1
最上千夏16歳、ここで働かせてください!
最上千夏。
16歳、高校生。
駄菓子屋本舗に出会った。
「こんにちは、いらっしゃい。
あなた、名前は?
わたしは上条由香里。
あ、お勧めはねりあめよ?」
ふらりと入った駄菓子屋。
そこにいたのは美しい人だった。
藍にも見える黒い髪。
水色の薄いカーディガン。
儚い美しさを持った人、だった。
私はと言えば…
赤くグラデーションを入れた黒髪。
退学寸前の底辺高校の制服に、ゲーセンで取れたヘッドフォン。
正反対、か。
でも口を開けばマシンガントーク。
「最上千夏、です。」
そしてそれは、気づけば口を飛び出していた。
「ここで、働かせてください!」