夫婦星[恋愛]
人は、夜空に瞬く幾十億の星。
生まれた星系を旅立ち、星々のあいだ、孤独に旅をする。
みな懸命に、それぞれの立ち位置を測り、距離を調整して、ぶつからぬよう立ち回って、よい場所に収まろうとする。
彗星の僕の目には星座が見える。僕は星座の海に旅をする。意味成す立ち位置を求めて、引力に導かれたり、突き放されたりして、手探りに闇のあいだを漂う。
ゆく手に輝きが見える。それは、僕にしか見えない確かな白銀の、揺るがぬ輝き。様子を窺い、恐れながら、そっと寄り添う。そこが僕の収まるべき処。
僕らは双つ星。果てなき海に、ちらり、ちらりと共に瞬く。
久しぶりに、一筆。夜薙歌茅(ヤナギカガヤ)と申します。
お読みいただきありがとうございました。