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極東の海の女王  作者: 優笑
第一章  最強の戦艦
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第六話  死闘

「乗員各員へ継ぐ。

 敵はメームが秘密裏に建造していたのであろう巨大戦艦。先ほどその敵戦艦から我々に対し、一騎討ちを望む信号が入った。

 敵は強大だ。決して油断して勝てる相手ではない。だが諸君らが乗るこの瑞竜は世界最強。その性能に諸君らの力が加われば、世界中のどんな艦が相手だろうと、負けることはありえない。

 共和国の興亡 この一戦にあり。各員の奮闘に期待する」

 戦艦瑞竜艦内に響く指揮官赤松の声に、世界最強を自負する瑞竜乗員の士気は最高潮に達する。

「最大戦速!」

 響く指示と共に、瑞竜は加速する。瑞竜のカタログ上の最高速力は27ノットだが、瑞竜に限らずほとんどの軍艦は、実戦でカタログ程の速力は発揮できない。大体2~3ノットは落ちるものだ。だがそこは森羅が誇る最新鋭艦。速力はカタログの性能に近い26ノットに達する。そしてこの巡洋戦艦に近い圧倒的速力こそが、瑞竜を世界最強足らしめている真骨頂だ。

 たとえどれほどの攻防力を持とうと、実際に戦場に間に合い、戦闘を牽引できるだけの速力が無ければ、最強を名乗ることは許されない。そしてその速力についてくることも出来ないような艦に、瑞竜に一騎討ちを挑む資格はない。

 まるでそう告げるかのように最大戦速を維持する瑞竜。

 対する水平線の彼方の戦艦、陸奥もまた、瑞竜同様加速し、やがて速力は最大に達する。

「敵艦速力、26.5ノット!」 

 敵艦の速力を計測する要員の放つその言葉に、瑞竜司令部要員は驚きの声を上げる。

「この瑞竜と互角以上だと!」

「まさか……間違いないのか?」

「間違いありません」

 計測員の言葉に、司令部要員達からは早くも、敵艦侮りがたしとの声が上がる。0.5ノット程度の差では戦力に影響はでないが、快速の瑞竜を上回る速力というのは十分衝撃的だった。だが指揮官赤松は表情を一切変えない。

「左舷砲戦用意」

 指示と共に、瑞竜の誇る38センチ砲10門は左舷に指向。並走する陸奥に対し、照準を合わせる。

「撃ち方はじめ」

 どこまでも冷静に、淡々と出される指示。それと共に、向けられた全ての砲は稲妻を何本も束ねたような轟音と衝撃を放ち、一気に火を噴くのだった。



「久しぶりに本気を出したら、少し張り切りすぎちゃった」

 戦艦陸奥の艦橋で、陸奥はランニングをしているかのように息を切らしながら、エルムに対しそうおどけて見せる。

 陸奥のカタログ上の最高速度は25ノット。だが本気を出せば弾薬や燃料を満載してもなお、26ノット近い速力を実戦で発揮可能なのが彼女の強さ。新型戦艦並みの戦術価値を維持し続けた真骨頂だ。とはいえ、艦齢20年を超えた彼女がその速力を維持するとなれば、さすがに息が切れてくる。

「ちょっ、そんなことより陸奥さん! 敵艦が発砲してきたよ!」

 対するエルムは余裕のない表情で陸奥に叫ぶ。

 その数秒後、瑞竜の放った砲弾は凄まじい轟音と共に着弾し、陸奥の右舷に、陸奥のその高い艦橋を超える巨大な水柱を上げる。その激しい衝撃に地震のように揺れ動く艦橋。

「これが世界最大の戦艦の砲撃」

 かつてミーネが沈んだときと同様の衝撃と水柱に、エルムは額にいくつもの汗を浮かべる。

 だが陸奥の方はと言えばどこまでも、それこそ不気味なくらい淡泊だった。

「40……いや、せいぜい38センチってとこ? 世界最強を名乗るくらいだから、46センチ砲くらい積んでるのかと思ったけど。でもまあ、さすがに10門は見ごたえあるわね。相手にとって不足はない」

 陸奥はそう淡々と告げると、右舷に指向された自身の主砲のうち、連装砲の片方の砲身だけ仰角をかけ、狙いを定める。そして並走する瑞竜を睨み、右手を前方にかざすと、どこまでも低く、押しつぶすような声で叫ぶのだった。

「20年以上も待たせたわね。さあ、存分に暴れなさい。正41センチ砲!」

 その一声と共に、20年以上もの間、この瞬間を待ち続けた彼女の8門の砲のうち、仰角のかけられた4門が一斉に火を噴いた。



「敵艦発砲!」

 瑞竜艦橋の見張り員が叫ぶ。その声に、瑞竜乗員の間に走る緊張。どれほど実戦を重ねても、この時の緊張がなくなることはない。

 そして不気味な間の後、砲弾は瑞竜の左舷方向に着弾。乗員がこれまで見たこともないような巨大な水柱を生み出し、その場に立ている事すらも難しいような衝撃を伝える。

「こんな巨大な水柱、見たこともない。明らかに35.6センチ以上ある。38センチ、いや、ひょっとすると……」

 前大戦にも参加し、敵戦艦の35.6センチ砲を浴びたこともある歴戦の士官の呟きに、その場にいた将官たちは驚愕を強める。士官の言葉が正しいとするなら、敵艦は瑞竜と互角か、それ以上の砲を積んでいることを意味するからだ。そして当然そんな砲を受ければ、いかに瑞竜と言えど無傷では済まない。

 だがその程度の事でひるむ瑞竜と陸奥ではない。二隻はほぼ同速で並走しながら、壮絶な砲撃を続ける。

 陸奥や瑞竜のような軍艦は砲撃を行う際、積んでいる砲を全て同じ方位、仰角に指向し、一斉に射撃を行う。そうして同じ方位仰角に指向しても、砲は何百メートル単位で誤差が出る代物だから、着弾する頃にはある一定の範囲に散らばってしまう。そこで砲側はその砲弾が散らばる範囲を観測。その砲弾が散らばる範囲に敵艦が入るように砲の方位仰角を調整することで照準を修正する。

 そんな撃ちかたのため、命中はかなり運に左右されるし、「敵艦のどこを狙って打つ」などという器用なまねはとてもできない。また射撃中に進路を大きく変えてしまうと、照準がずれて砲が命中しなくなる為、大きくは舵も切れない。当然、舵を切って砲弾を回避するなんて真似は普通はしないし、しても相手を利するだけだ。

 だからこそ陸奥と瑞竜は互いに速力を維持したまま、お互いの砲力と装甲を頼りに、ただひたすらなぐり合う。さながら足を止めたボクサー同士のように。


 先に照準の修正を終えたのは技術で勝る陸奥だった。だが命中弾を出せないうち、瑞竜も照準の修正を終える。こうなるとあとは射撃精度と弾量、何より運がものをいうようになる。陸奥の射撃精度は、その美しい艦首の流線型により得られる高い安定性。発砲遅延装置と呼ばれる、射撃のタイミングを若干ずらすことで射撃精度を高める装置により、瑞竜に勝るものがある。だが砲門数では陸奥の8門に対し、瑞竜は10門と勝っている。

 そして結果的に先に命中弾を得たのは……


「撃て!」

 陸奥その言葉と共に、戦艦陸奥の主砲は轟音を放つ。そうして発砲を終えた砲は、砲弾を装填するため仰角をおろし(仰角をある程度以上下げないと砲弾を装填できない)逆に装填を終えた砲は仰角をかけ、敵艦に狙いを定める。そうして戦う陸奥の表情は真剣そのものだが、エルムの目には彼女が水を得た魚のように活き活きしているように見えた。

 だが次の瞬間、陸奥の艦橋に敵の砲弾の飛来する特有の音が響いたかと思うと、直後、それまでの水柱から伝わってきたものとは比べ物にならない、凄まじい衝撃と轟音が艦を襲った。

「陸奥さん!」

 凄まじい衝撃にバランスを崩し、エルムは床に倒れ込みながらも必死に名前を呼ぶ。そのエルムの視線の先で、陸奥は必死に足を踏ん張り、何とか倒れるのを避けながら、とっさに右脇腹を左手で抑える。 

 なぜ脇腹を抑えたのか、陸奥自身直ぐには分からなかった。だが抑えたその脇腹に目をやって初めて、陸奥はその意味を知る。

 陸奥の抑えた右脇腹は表面の衣服ごと、まるで銃で撃たれたかのように裂け、そこから血の代わりに黒い重油が、止まることなくあふれ出していた。そして抑えた左手を傷口から離し、顔まで持ち上げて見つめれば、その手についた重油は腕を伝い、傷口からはさらに大量の重油があふれ出した。

 瑞竜の砲弾は陸奥の右舷中央、丁度煙突の下のあたりに命中していた。そして彼女の本体ともいうべき戦艦が傷つけば、人の姿をした陸奥もまた、当然のごとく傷つく。

 そうして重油の滴る自分の左手を無表情で眺める陸奥に、エルムは必死で駆け寄る。

「傷を……抑えないと」

 人間が止血するのと同じようにすることに効果があるのかは分からない。だがそれでもエルムはハンカチを取出し、必死に傷口を抑える。

「痛い……これが、砲弾の痛み」

 陸奥の呟きに、エルムは傷口を抑えながら、陸奥の顔を見上げる。その視線の先で、無表情だった彼女の表情は、痛みにゆがみながらも確実に変化する。

「ぬるい……あの時の爆発に比べれば。戦場に向かう仲間を、ただ見送ることしかできなかったあの時の心の痛みに比べれば……!!」

 筆舌に尽くしがたい程の痛みに襲われているはずの彼女は、しかし自身の傷を顧みることなく、ただ敵艦を睨み、右手を目標に向けてかざす。

「放て!」

 叫びと共に放たれる砲弾は、その飛翔する特有の音を携え敵艦に向かい、そのうち一発が敵の2番砲塔に直撃する。だが砲塔に施される装甲は、他の部位に比べて厚い。加えて命中した角度も悪かったのか、陸奥の砲弾は装甲に弾かれてしまう。

 反対に瑞竜の放った砲弾のうちさらに一発が陸奥の艦橋根元付近に命中。重要区画の外の鋼板を突き破り、艦内部で巨大な爆発を巻き起こす。

 それと同時、陸奥の右肩が表面の衣服ごと突然大きく裂け、傷口から飛び散った黒い重油が艦橋の床と、エルムの頬を濡らす。そうして陸奥の身に纏う白い着物は見る間に裂け、黒く染まっていく。

 だがその時、エルムの見つめる先で陸奥が浮かべたのは、見る者をぞっとさせるような、どこか狂人じみた笑みだった。

「さあもっと撃ちなさい! 私を裂いて、焼いて、世界最強の名を示してみせなさい!」

 叫ぶと同時、放たれた陸奥の砲弾のうち、一発がついに瑞竜の副艦橋付近の艦舷に命中、凄まじい爆発を巻き起こす。

「その最強の名、私が喰らってみせるから!!」

 自身の重油に頬を濡らしながら、陸奥は野獣のように叫ぶ。

 世界最強の瑞竜を、20年以上この日を待ち望んだ飢狼の牙が捉える。



「消火急げ!」

 たった一発の命中弾が、瑞竜の世界最強の名を揺るがす。

「重要区画へのダメージは装甲が食い止めましたが、非装甲区画の被害は甚大。一部火災が発生しており、現在全力で消火に当たっています」

「損害からするに、敵弾の威力は明らかに35.6センチ砲を上回っています」

 次々ともたらされる報告は、瑞竜乗員の世界最強の自信と誇りを根幹から揺るがす。

「うろたえるな。装甲が食い止めている内はかすり傷、この瑞竜は沈まん。腰を据えて戦え!」

 対して放たれる赤松の一声は、乗員の揺らぎかけた士気を立て直す。だがそれで動揺が完全に無くなることはない。装甲が食い止めた事実より、敵艦の砲力と実際受けているダメージの印象の方が大きいのだ。だがそれでも乗員は己の乗る船の実力を信じ、世界最強の誇りと共に戦い続ける。その膨らみ切った誇りは、驕りと表裏一体であることに気づかないまま。 

 そのうち瑞竜の38センチ砲弾がさらに2発、水平線の彼方の陸奥を捉える。これで瑞竜の砲弾は計4発、陸奥に着弾したことになる。対して受けた有効な命中弾はいまだ1発のみ。戦況は明らかに瑞竜優位だ。だがそうして陸奥が爆炎と火災の煙に包まれても、なぜだか瑞竜乗員の心は高揚しない。言葉にできないなにか大きなものが、彼らの心を掴んで離さないのだ。

 そうしているうち放たれた陸奥の反撃の砲弾のうち一発が瑞竜を捉え、43000トンの巨艦を地震のように揺さぶる。

「敵弾、艦尾の非装甲区画に命中。損害甚大。浸水発生。速力低下します!」

 艦橋に届けられる報告は、瑞竜の速力だけでなく、乗員の士気と自信を少しづつ奪っていく。

「まずい……」

 艦橋の赤松は周りに聞こえないように呟く。問題は速力が低下したことではない。そうして被害が積み重なることで、開戦以来負け知らずの乗員の士気が失われ、心の内に潜む何かの正体に気づいてしまう事。それに気づいてしまったその瞬間、戦闘は成り立たなくなる。

 死への恐怖。良くも悪くもそれの希薄な陸奥の41センチ砲が、瑞竜を着実に追いつめていく。



 瑞竜の砲弾がまた戦艦陸奥を捉える。非装甲区画の艦首甲板に1発、艦尾に2発。これにより陸奥にも右脇腹と肩に加え、鎖骨付近、腰、下腹部の三か所に新たに傷が増える。これで陸奥は計5発の38センチ砲弾を受けたことになるが、いずれも被害は重要区画に達しておらず、速力が23ノットに低下した以外、明確な能力低下は無かった。

 反対に撃ち返した陸奥の砲弾の内、一発が瑞竜の中央水線付近に命中、ふくらんだバルジを吹き飛ばし浸水を発生させる。これにより瑞竜の速力はさらに低下したが、その砲力が低下することはない。

 そして瑞竜の放った砲弾のうち一発が、陸奥の副艦橋付近の艦舷を貫く。

 その瞬間、陸奥は明確に顔を痛みにゆがませると、まるで強烈なキックを食らったかのように右膝を抑え、痛みに床にうずくまる。瑞竜の一撃は陸奥の305ミリある垂直装甲を貫き、内部の76ミリの傾斜装甲にあたって爆発。致命的な被害こそ傾斜装甲が防いだものの、伝わった衝撃は陸奥の機関区に大きなダメージを与えていた。

「陸奥さん!」

 うずくまる陸奥の傷を、エルムは自身の服を破った布で必死に抑える。対する陸奥も、今度ばかりは痛みと疲労に弱りきった声ながら、それでもしっかり目を見開き、エルムに告げる。

「お願いエルム。肩をかして、私を立たせて」

 全身を黒く染め、額にいくつも汗を浮かべて言う彼女に、

「でも傷を止めないと……!!」

 エルムはそう反論する。彼が今まで傷口を抑えていた行為に意味があったかなかったか、陸奥の被弾箇所の消火はうまくいっており、火災による被害の増大は食い止められていた。

「ありがとうエルム。でも私、ちゃんと立ってないと戦えないの。見て……」

 陸奥の言葉、視線で示す先を見たエルムはその意味を知る。速力が落ちていたのは当然だが、それとは別に、それまでどんなことがあっても続いていた陸奥の砲撃が止まっていたのだ。陸奥の損害は現時点でも確かに軽くは無かったが、砲撃が出来なくなるほどではないはずなのに。

「私は生前のような人が動かす鉄の塊じゃない。痛みに倒れれば、敵をちゃんとこの目でとらえていなければ、射撃は出来ない。傷口を抑えれば被害の広がりは防げるかもしれないけど、それじゃあ戦えないの。だから……お願いエルム。弱い私に、力をかして」

 弱り切った声で告げる陸奥だが、その瞳にゆらめく蒼い闘志の炎はいまだ消えず、一層強く燃え盛る。そんな陸奥の言葉に、その言葉は自分が言わなければならないのにと、エルムは唇をかみしめる。

「分かった」

 その言葉と共に、エルムは自身より身長の高い陸奥に肩をかし、その体を持ち上げる。その光景はひどくちぐはぐたが、エルムはそんなことは関係ないと、必死に彼女を支える。エルムに支えられ再び立ち上がった陸奥は、再び水平線の彼方の瑞竜を睨み、腕を持ち上げようとする。

 だがその瞬間、瑞竜の砲弾が陸奥の4番砲塔基部に着弾、大爆発を起こす。陸奥の分厚い装甲は砲弾の貫通を完全に防いだが、爆風はその砲身をアッパーカットのように跳ね上げ、ありえない方向へと折り曲げてしまう。

 それと同時、艦橋の彼女の左腕の小指、薬指、中指の三本もまた、弾かれるようにしてあらぬ方向に折れ曲がり。陸奥は激痛に右手でその指を抑える。

「陸奥さんっ!」

 激痛に苦しむ陸奥に対し、その名を叫ぶことしかできないエルム。だがそれでも彼女は、

「大丈夫……っ」

 苦しみに表情をゆがませたまま、それでも右手を瑞竜にかざす。そんな彼女に応えるように、陸奥の残った6門の砲身の内、3門も瑞竜に狙いを定める。

「貫け!」

 絞り出すような一声と共に、砲身は一気に火を噴き、重量1トンを超える砲弾を、はるか20キロ以上かなたの敵艦に送り出す。その砲弾は惜しくも全て海面を捉えるが、陸奥は表情を変えないまま、装填を終えた砲身に仰角をかける。

「放てっ……きゃあっ」

 陸奥の砲が火を噴いた直後、瑞竜の砲弾が再び彼女を射抜く。命中したのは戦艦の二つある心臓の一つ、弾火薬庫だった。

 例えどれほどの巨艦であろうとも、弾火薬庫の装甲を貫通され、内部の火薬に引火誘爆すれば一巻の終わり。実際、弾火薬庫に命中したたった一発の砲弾で、4万トン近い巨艦が瞬時に轟沈した例も存在する。

 だが陸奥の最大の自慢は、その弾火薬庫の防御にこそある。305ミリの垂直装甲の内に、127~280ミリという桁違いの厚みの傾斜装甲を持ち、水平装甲も一枚換算で180ミリ級の防御を持つ彼女の弾火薬庫防御は、38センチ砲はおろか、40センチ砲にすら遠近両面で耐える。

「まだ……戦える。勝負はここからよ」

 すでに8発の命中弾を受け満身創痍の彼女だが、その瞳はむしろ、勝負はこれからが本番と告げていた。

  

 

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