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第3話

「思ったんだけどさ」


「なんですか?」


「楽譜ってソフィアたちが取りにいっちゃだめなの?」


 その女王様の使いなら別に変わりに取りに行ってもいいんじゃないの?


「それがダメなんですよ。それが出来るなら私たちだって苦労はしません」


「まあ、それもそうか」


「そうですよ。話を戻しますが、楽譜集めを手伝っていただけませんか?」

「辞退させていただきます」


 例えどんな理由だろうとめんどくさいものはめんどくさいんだ。


「え!? そこを何とか!」


 断られると思っていなかったのか少し焦った様子のソフィア。


「だって、私関係ないし。疲れるし」


「じゃ、じゃあ、手伝っていただけるなら特典をつけますよ!」


「特典……?」


 特典の内容によっては手伝ってもいいかも。


「はい! 簡単ですが魔法を使えるようにして差し上げます!」


「是非お手伝いさせていただきたいです!」


 魔法……!

 そんなに美味しい特典があるなら早く言ってくれればよかったのに!


「凄い食い付きですね……では、よろしくお願いします!」


「こちらこそよろしく!」


 ソフィアが差し出してきた手を握る。


 こちらの世界にも握手というものがあるようだ。

「そういえばさ」


「何ですか?」


 ソフィアが首をこてんとかしげて聞く。

 自分が可愛いのをわかってやっているのなら悪質だ。


「ソフィアってさ、妖精とか精霊とかの類いなの?」


 ソフィアの背中についている綺麗な羽を見ながら言う。


「そうですね。」

「そういえばさ」


「何ですか?」


 ソフィアが首をこてんとかしげて聞く。

 自分が可愛いのをわかってやっているのなら悪質だ。


「ソフィアってさ、妖精とか精霊とかの類いなの?」


 ソフィアの背中についている綺麗な羽を見ながら言う。


「そうですね。桜花さん風に言うなら妖精・精霊ですね」


「私風ってことはこっちでは違うの?」


「はい。こちらでは私みたいなのはフェスピリアっていうんですよ」


「フェ、フェス……?」


「フェスピリア、ですよ」


 ソフィアがクスクスと笑いながら言う。


 何て言いにくい名前なんだろう。

「そういえばさ」


「何ですか?」


 ソフィアが首をこてんとかしげて聞く。

 自分が可愛いのをわかってやっているのなら悪質だ。


「ソフィアってさ、妖精とか精霊とかの類いなの?」


 ソフィアの背中についている綺麗な羽を見ながら言う。


「そうですね。桜花さん風に言うなら妖精・精霊ですね」


「私風ってことはこっちでは違うの?」


「はい。こちらでは私みたいなのはフェルピリアっていうんですよ」


「フェ、フェル……?」


「フェルピリア、ですよ」


 ソフィアがクスクスと笑いながら言う。


 何て言いにくい名前なんだろう。


「ちなみに、桜花さんの用な人はフェルソンって言います」


「フェルは変わらないんだね」


 どちらにしろ言いにくい名前だがな。


「はい。私たちの違うところは羽があるかどうかなんですよ」


「人種差別とかないの?」


「無いですよ。大昔はあったらしいですけどね」


「平和なんだね」


 私たちの世界にはまだ人種差別や男女差別があるからな。


「そうですね。あとは楽譜を治せば完璧です」


 何故だろうか、今背中を冷や汗がつたっている。

 先ほどまでとても可愛く見えたソフィアの笑顔が今はとてつもなく怖い。


「ははは、まあ頑張るよ」


「私も精一杯お力添えしますので」


「うん。ご教授お願いします」


「お願いされました」


 そう言って笑うソフィアはやはり可愛かった。


「そういえばさ、楽譜を守ってる人? ってどんななの?」


 やはり、行くからには知っておきたい。


「そうですね。一人目の方は多分楽譜の力にあてられて狂っていて、二人目の方はもはや人じゃなくって、三人目の方は私の友人です」


「ちょ、ちょっと待って! 一人目と二人目がおかしいよ!?」


「気にしたら負けですよ」


 あはは、と笑うソフィア。

 やっぱり、ソフィアはどこか黒い……!

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